音はセッティングで決まる
オーディオ機器の音質アップを狙うとき、誰でも「より高額な機器」や「良い高価なAVアクセサリー」を購入し「お金をかければかけただけ音が良くなる」と考えます。しかし、実は「オーディオ機器の音」はその大半が(50~70%以上)が「部屋の反射によって作りだされた音」なのです。
仮に、全く同じ装置を全く同じ環境で鳴らし較べるとして「私がスピーカーの位置調整を行ったシステム」と「そうでないシステム」の音質は全く違うものになります。極端な場合、「考え得る限り(金額の上限無し)のAVアクセサリーを駆使した音質改善」より「お金を一切かけないで、スピーカーの位置調整だけを入念に行う」方がより大きな音質改善が実現するかも知れないくらい、スピーカーの位置調整による音質改善は大きいのです。 そのため、いくら熱心に機器やアクセサリーを買いそろえても「部屋の反射音のチューニング」をおろそかにしては、購入した機器の性能を発揮することはできません。それは2Chでもマルチチャンネルでも同じです。
スピーカーの周囲の環境(反射)を考慮することが大切
これから、スピーカーの位置調整による音質改善方法を詳細にご説明致します。最初は、「環境の差によるスピーカーの音質差がどれだけ大きいか?」を体験するところから始めましょう。
スピーカー周囲の環境差では、まず「片側に壁があり、片側には何もない」あるいは「片側は壁なのに反対側にはガラス窓がある」などの極端な差が目に付きやすいと思います。しかし、「そのような大きな環境の違い」より「スピーカーに最も近い反射物との距離と角度の関係」がより大きな「音の違い」を生み出しているのです。
つまり、スピーカーの至近距離にある「壁」・「家具」や「オーディオラック」・「TVなどの家電製品」などが、離れた場所にある「壁」や「ガラス窓」などよりも「音質に大きく影響する」のです。特に「ツィーターに近い距離の反射物」は大きな影響を与えます。
サランネットは、外した方が音は良い
スピーカーのネット(サランネット)は、「付けておいた方が良いのか?」・「外した方が良いのか?」という相談を受けることがあります。音質的には「ネットを外した方」が「遙かに有利」です。ネットも「スピーカーの音を反射して濁らせる原因」となるからです。調整に入る前に、ネットは必ず外してください。
スピーカーの調整はモノラル(一本ずつのスピーカー)が基本
普通「スピーカーの調整」を行うときに「左右を個別に調整しなさい」とは言われません。しかし、それは「ステレオ」=「2本のスピーカーが必要」という固定観念から生じた誤りです。
左右の二人から「同時に話しかけられた」と想像してください。「右の人の話」を聞き取ろうとすれば「左の人の話声」が「邪魔」になります。「左の人の話」を聞こうとすれば、今度は逆に「右の人の話し声」が邪魔になります。スピーカーのセットアップもこれと同じで、「左右を個別」に鳴らさないと「もう一方の音が邪魔」になって精密な音質調整ができないのです。
特に、これから行う調整では「個々のスピーカーの音質を環境も含めて調整」するのが目的ですから、調整は必ず片方ずつ(一本ずつ)行ってください。では、調整方法の説明に進みましょう。
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| どちらか一方のスピーカーの音を止める(消す)と音の濁りがなくなり、環境も含めた個々のスピーカーの音が聞き取れるようになる。 | |
- 「ホワイトノイズ」のテスト音源を用意してください。AUDIO TEST CD-1 / YDDS-2がお薦めです・パソコンがあればネットからダウンロードが可能です)「ホワイトノイズ」が手元にない場合には、「ラジオなどのザー音」や「ピアノのソロ演奏ソフト」が代用できます。
- スピーカーから「ザー」音を流し、スピーカーの位置を変えながらその「ノイズ」の変化を聞いてください。スピーカーの角度や位置をほんのすこし変えるだけで「ノイズの音質」が大きく変わります。(スピーカーは、数㎜~数㎝動かせば大丈夫・角度も大きく変えすぎないのがポイントです)
- ノイズの音が「濁った音が混じったモーやジャーという音」から、「濁りの少ないサーやシャー音」に変わってきたら、それは悪い反射が減って音が良くなってきた証拠です。
(音源にピアノを使用する場合には、「響きの濁りが減少し、タッチの強弱がハッキリする」ように聞こえるようになるとスピーカーの位置が良くなったと判断してください)
さらにスピーカーを動かし続けると「再び音が悪くなる」のがわかるはずです。「音が良くなる位置」と「そうでない位置」は、「周期性」を持っています。 - この調整を左右のスピーカーで順番に行えば、音場の濁りが激減し「楽器の分離が向上、低音や高音がハッキリと聞きとれる」ようになります。この方法は、ラジカセやミニコンポはもちろんのこと、パソコンやカラオケのスピーカーの設置位置を決める場合にも応用できます。「ノイズが澄んで聞こえるよう」に音源の位置を調整するだけで、明瞭度が高まり、聞き疲れがしなくなります。サラウンドスピーカーの設置時にもこの方法は有効です。一度設置すると位置が変えられない「天井付けのスピーカー」の設置時に、特にお薦めです。
- さらに完璧な位置調整を望まれる場合には、「ホワイトノイズ」に加えて「モノラル録音のソフト」を仕上げに使用してください。ノイズの後に、モノラルソフトを使って「ソフトの音質が左右で聞き分けられないほど同じ音色になる」まで根気よく左右のスピーカーを微調整し、ベストポジションを探ってください。
- 「これでよい」と感じたら「2本のスピーカーで聞き慣れたお気に入りのソフト」を再生してください。透明度と広がりが飛躍的に向上します。調整前後の音質変化の大きさには、きっと驚かれると思います。
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| 調整後左右のスピーカーの音色がほぼ同じになるまで、根気よくスピーカーの位置を微調整する。 | |
低音を調整する
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サインウェーブを再生しながら「各々の周波数」で「音が膨らまなくなる(低音が部屋に共鳴しなくなる)」ポイントを見つけるのが調整の目的ですが、特定の周波数だけ「音が膨らまない状態」よりは「平均して同じ程度膨らんでいる状態」の方が音は良くなります。 説明が後先になりましたが、スピーカーセッティングの順序としては移動量の大きい「低音の調整」を先に済ませる方が合理的です。 |
ステレオのスピーカー調整は、「2等辺三角形」が基本
スピーカーが一本(モノラル)から2本(ステレオ)になれば音の広がりが大きくなるのは、私達が「コウモリ」や「イルカ」などと同じように、「直接波と反射波の関係(複数の音波の干渉)」から「音源の方向」を感じ取っているからです。音源の方向や距離感を正確に再現し「大きな音場の広がり」と「シャープな定位(音源位置の正確さ)」を得るためには、「左右スピーカーの音の重なりを調整」し、「干渉を整える」必要があります。
先ほどの調整とは違い、音の広がりの改善では「2本のスピーカー相互の位置関係」を整えます。
| 調整前 | 調整後 |
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| 音の重なりは、乱れている。 (重なりの形が歪) |
音の重なりは、乱れていない。 (重なりの形が均一) |
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上図左列のように、左右スピーカーの音の重なり方を考慮せず、スピーカーを設置した場合「音の重なり」には「規則性」が見られません。(調整前)しかし、上図右列のようにスピーカーを完全な2等辺三角形に配置すると「音はきちんとした規則性を持って重なる」ようになります。(調整後)つまり、絶対的なスピーカーの位置とは関係なく、単純に「左右スピーカーの相対位置関係」を「厳密な2等辺三角形」にするだけで、「人が音源の方向を知る」ために必要な「左右の音の干渉」が完全なものになり、「音の広がりと定位」が見違えるように向上するわけです。
AIRBOWレーザーセッターによる、スピーカーの位置調整
この調整は非常に厳密(誤差数㎜以下)でなければ効果がないため、調整には「AIRBOW・レーザーセッター」を使用します。調整の後「スピーカーの存在感や圧迫感」は、完全に消え去り「素晴らしく透明でストレスのない音場空間」がリスニングルームに出現します。
| 調整前 (左右のスピーカーの位置はバラバラ) |
調整後 (スピーカーの位置は完全な2等辺三角形) |
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- 中央からレーザー光を照射できる「ターゲット」を「カメラの三脚」に取り付け、スピーカーに貼り付けた「小型ミラー(付属)」に向けレーザー光を発射します。
- レーザー光が「ターゲットの中心に帰る」ようにスピーカーの角度を調整します。
- 「ターゲット」に取り付けられている「糸」を「ターゲット」から「ミラー」に伸ばし「スピーカーとターゲットの距離」が「左右で完全に同じ」になるようスピーカーの位置を調整します。
- 最後にモノラルソフト(ワンポイントステレオ録音のソフトでも代用可能)を再現しながら、スピーカーをほんの少し(数㎜以下)前後に動かし、「カメラのピントがピッタリ合う」ような感じに、最も音が透き通って聞こえる位置を見つけて調整は終わります。
スピーカー調整(2Ch)のまとめ
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- 低音の濁らない大まかな設置場所を探す。
- その場所内で、左右の音色がほとんど同じになる位置を見つける。
- レーザーセッターで、スピーカーの位置関係を2等辺三角形にする。(A=B・角度も完全に合わせる)
- スピーカーの間にTVを置いている場合には、スピーカーをテレビの画面より後ろにしたほうが、音が良い場合が多い。
- レーザーセッターを置いた所より後ろ側(楕円の部分)がリスニングエリアになる。(スピーカーはかなり内振りになります)
- 部屋の使い勝手はやや悪くなるが、スピーカーは部屋の壁に対して平行にしない方が音はよい。(点線を壁に対して斜めにする)
- TVを壁に近づけたり、離したりすることでも、音は変わる。
スピーカーとTVの関係、TVと壁の関係をトライ&エラーで追い込んでゆくと、必ずスピーカーの圧迫感や存在感が完全に消える位置が見つかる。(どうしても無理な場合は吸音・反射を試すと良い) - スピーカーから対向する壁までの距離(C・D)は、できるだけ長く取る方が好ましい。
スピーカーの理想的な設置位置
8~15畳のリビングでの理想的なスピーカーの設置位置をご説明いたします。設置には「なるべくレーザーセッター」をご使用下さい。(レーザーセッターをご使用にならない場合、想定した音質にならないことがあります)
横に部屋を使う場合
変形の部屋の場合
これらの設置法は「あくまでも理想的」なものです。部屋の状況や使い勝手、美観に応じて「さまざまな設置場所」を探して下さい。「音が広がり易いようにスピーカーの方向を決める(天井が傾いている場合には、天井の低い方にスピーカーを設置します)」・「ガラスや吸音措置の取られていない壁には、できるだけスピーカーを近づけない」・「スピーカーの内振り角度は、大きい方が音は広がりやすい(音場空間が大きくなる)」・「レーザーセッターはリスニングポイントの前に置く」などが基本的な考え方となります。
カーテンやマットレスを使ったルームアコースティックの調整
家具の少ないフローリングの洋室では「天井と床」・「壁と壁」の間で「音が繰り返し反射」し「音の濁りとなる定在波」を生じます。(定在波は和室でも生じますがほとんどの場合、洋室よりも悪影響は軽微です)
スピーカーとスピーカーの中央~リスニングポイントの前方付近で手を叩いた時に、「ビィ~ン」という「濁った耳障りな圧迫感のある音」を感じたら「吸音措置」が必要です。部屋の美観を損なわないためにも、まず「カーテン」や「マットレス」などを使って、「圧迫感」が無くなるまで、少しずつ吸音なさることをお薦めします。
吸音材や反射パネルを使った、本格的なルームアコースティックの調整
定在波を軽減するには「吸音」が有効ですが、吸音しすぎると「エコー」が足りなくなって音楽の躍動感や元気が殺がれます。「吸音」と「反射(乱反射)」の両方を使えば、スタジオ顔負けの素晴らしい音響が実現します。
反射パネルだけを使う場合には、カーテンは施工している方が良好な音響が得られます。(下の図ではパネルの位置を分かりやすくするためカーテンは省きました)
吸音パネルを併用する場合には、カーテンはなくても問題ありませんが、マットレスは必要です。
これらの設置法は「あくまでも理想的」なものです。部屋の状況や使い勝手、美観に応じて「さまざまな設置場所」を探して下さい。「音が広がり易いようにスピーカーの方向を決める(天井が傾いている場合には、天井の低い方にスピーカーを設置します)」・「ガラスや吸音措置の取られていない壁には、できるだけスピーカーを近づけない」・「スピーカーの内振り角度は、大きい方が音は広がりやすい(音場空間が大きくなる)」・「レーザーセッターはリスニングポイントの前に置く」などが基本的な考え方となります。
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音を悪くしない家具の配置
今までの説明とは違って、実際のリビングにはさまざまな家具が配置されています。音を悪くしない家具の配置は、「スピーカーの近くにTV・額・鏡・ガラスの付いた棚などの反射体を置かない(反射の強い家具は、なるべくスピーカーから離す)」・「スピーカーからリスナーまでの音の通り道をソファー・テーブル・AVラックなどで遮らない」などがポイントとなります。
- ソファーは、スピーカーからできるだけ離し、可能なら壁際に置くとよい。
- 音を聞く時にはテーブルはない方がよい。スピーカーからリスナーまでの間には、物は置かない。
- 機器はスピーカーの間ではなく、左右の壁際に置くのがよい。ラックはスピーカーより低い物が好ましい。
スピーカーケーブルの長さは左右揃えなくて良い。 - 背の高い家具はできるだけスピーカーから離して置く。前面にガラスのない家具を選ぶと良い。
- スピーカーの左右のコーナーには、大きめの観葉植物を置くと、吸音・拡散効果で音が良くなる。
- TVはできればスピーカーの間に置かない方が良いが、どうしてもおく場合には、前述した対策を講じる。
- スピーカーの背後の壁際に「額」や「鏡」などの「反射体」を置くのは絶対に避ける。逆に、柔らかい生地のタペストリー等を吊っておくと、吸音材の代わりになる。(KRIPTON・AP5を使うと良い)
- ガラス窓には、必ずカーテンを付ける。
ステレオ(2Ch)からサラウンド(マルチチャンネル)への発展
コンサートでは「音は前後左右」からリスナーに届きます。良いコンサートホールでは「リスナーに届く音の8割以上が反射音(間接音)」であると言われているくらいです。もちろんこの「反射音」は「きちんとコントロールされたもの」でなければなりません。それがコンサートホールの設計が難しいと言われる所以です。つまり、今までご説明した調整とは「自室の音響をコンサートホール並みに変える取り組み」で難しいのは当然だったのです。
吸音材を使ったり、反射パネルを使ったり、家具を動かしたり、スピーカーを微調整したり、カーペットを敷いたり・・・ステレオ(2Ch)で良い音楽を聞くためには「やらなければならないこと」が非常に多く、また難度の高いテクニックばかりです。しかし、この「難しさ」を一気に「簡単」にしてしまう方法があります。それが「サラウンド」です。
サラウンドも基本的な調整や吸音のやり方は、ステレオとほとんど同じです。違うのは、反射パネルの「位置」や「量」の調整によって得られていた「間接音」を「スピーカーを使って作り出す」ところにあります。その部屋の善し悪しを決めてしまう「間接音」が「正しい状態でソフトに収録」してあれば、パネルを使い難しい調整を行って手探りで「間接音」を作りださなくても、それを「スピーカーで再生」するだけで、「良好な音響特性が実現」するのは自明です。さらに、従来のステレオソース(2Ch録音ソース)もAVアンプに搭載されたDSPを利用すれば、パネルよりも「簡単に間接音が作り出せ」しかも「量や質などの調整」が非常に簡単になるのです。
もちろん、「易しくなる」と言っても「何もしなくて良い」のではありません。「サラウンドにはサラウンドの基本的なセッティング」があり、そのポイントをきちんと押さえれば「より早く、より良い音(音楽)」が楽しめます。サラウンドを成功させる秘訣は、「反射音(部屋の音響特性を左右する)」を受け持つ「サラウンドスピーカー」の「選び方」・「配置」・「調整」にあります。しかし、サラウンドはステレオに較べると歴史が浅く、メディアや評論家はもちろんメーカーでさえも「正しい情報」を提供できていないようです。例えば、「5本のスピーカーは、すべて同一メーカーでなければならない」と言われていますが、5本のスピーカーはバラバラでも全く問題ありません。他にも「センタースピーカー」・「リアスピーカー」の選び方や配置に関する「情報」の多くが間違っているのです。
[5.1]ではなく[2+3.1]と考えよう
2Chの「スピーカーセッティング」や「ルームチューン」は詳しく説明しました。その説明の中で、部屋の反射を整え、補うために設置した「LV(FW)パネルの位置」に注目してください。その位置は、そのまま「センタースピーカー」と「リアスピーカー」の位置に相当します。2Chから5.1Chへの発展を「パネルでパッシブ(受動的)に得られていた」反射音(残響)を「スピーカーによってアクティブ(能動的)に発生させる」と考えて頂ければ、考えの移行が非常にスムースに行えるはずです。そして、マルチチャンネルで「センター/リアのスピーカー」を設置する場合には2Chで有効であったスピーカーの位置決め方法やルームチューンがそのまま当てはまります。しかし、スピーカーが増えるとそれに伴って「定在波の悪影響」も増大しますから、その前にもう一度確実な対策を行うことをお薦めします。
定在波を減少し音の広がりと定位を向上する
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| 定在波は前後左右の壁の間で発生する | 定在波は天井と床、壁のコーナーでも発生する |
重複しますが、すでに説明したように定在波は平行する2つの平面の間で「音が往復し」特定の周波数(特定の高さの音)が反射を繰り返し、いつまでも減衰せず残響として残ってしまうことで発生しています。「床」が畳である日本間の場合は、「床」が音を吸収するため「天井と床の間のフラッターエコー」は比較的小さく大きな問題とはなりません。しかし、「フローリング床」の洋間では天井と床の反射率が共に高く、非常に強いフラッターエコーが発生します。このような部屋では、手を叩くと「キンキン」あるいは「ビンビーン」というカン高い耳障りなエコーが発生します。このような環境でマルチChに取り組まれる場合には、「吸音」をより確実に行うことが大切です。
壁からのフラッターエコーを効果的に減少させるには、上左図の矢印が出てくる壁面の「両側」または「片側」に吸音材を配置すると最も大きな効果があります。このような位置には「クリプトン・AP-10」が使いやすいでしょう。「AP-10」は、軽く薄く簡単に動かせるので「位置」と「角度」の微調整がし易く、音の良さだけではなく「使い勝手」も抜群で、現在発売されている吸音材としては最もお薦めな製品です。
「天井のコーナーでも音が壁を伝わって逃げ場を失うようにぶつかり、圧迫感のある耳障りなエコーが発生する」と説明しましたが、この天井のコーナーで発生する悪いエコーを退治するには、上右図の「爆弾マーク」の位置に「スカラホール(吸音帯)」を配置すると「音の広がり」と「立体感」・「定位のシャープさ」・「音場の透明度」の向上に非常に大きな効果があります。逆に「リスナー後方上からのエコー感が足りない」と感じられる場合には、リスナー後方の天井爆弾マークの位置に「スカラホール(反射帯)」を設置すると改善されます。
天井と床の間で発生する「フラッターエコー」を効果的に取り除くためには、上左図の爆弾マークの位置に「吸音効果の高い=厚みと重量のあるカーペット(ムートンが理想)」を「敷く」のが理想的です。カーペットの大きさは、横幅が「スピーカーの設置幅の約2倍」、縦(奥行き)が約1-2M程度は必要です。また、スピーカーの本数が増えるに伴って先ほどの説明でリスニングポジションの前方だけに敷いていた「敷物」を「リアスピーカーの前方」にまで広げることでより効果が上がることがあります。マルチChシステムでは、吸音が足りないといくらコストをかけても「音の広がり」と「定位感(音源の位置の動き)」が十分に向上しません。ご注意下さい。
フロントスピーカーの選び方
コンサートでステージ方向から来る音は、楽器などの「直接音成分」が中心に構成されています。立ち上がりが早く、エネルギーも強い「直接音」を正確に再現するには「アタックを明瞭に再現する過渡特性の良さ」・「あらゆる楽器の帯域に対応する広い周波数レンジ」・「楽器の音量に対応するDレンジの広さ」が必要になります。この特性は「ステレオ」で使うスピーカーに求められるものと全く同じですが、サラウンドのフロントスピーカーに使うためには、それに加えて「指向性が緩やかな製品」を選ぶのがポイントです。
例えば、幅が狭く背の高い「トールボーイ型のスピーカー」や「小型スピーカー」などが適しています。小型スピーカーは、「音の広がりは良くても低音が物足りないのでは?」と感じられるかも知れませんが、大丈夫です。低音は、スピーカーの数が5本に増えることで十分に補えるからです。もし、それでも不足するなら「サブ・ウーファー」が使えます。逆の例では、「ホーン型スピーカー」や「大型スピーカー」のように「指向性が極端に強い製品」は、ステレオでは問題なくともサラウンドのフロントには不向きなので注意してください。
センタースピーカーの選び方
サラウンドでは、ステージ上では一つだった音源が「フロントスピーカー(2本)」と「センタースピーカー(一本)」の3本に分割されてリスナーに届きます。分割された音が無理なく一つに戻るように、L/C/Rのスピーカーは「音色のマッチング」を重視して選びます。例えばツィーターの材質を、L/C/Rそれぞれ「ソフトドーム」あるいは「ハードドーム」で「統一」するなどの配慮が必要です。
しかし、音色が同じだからと言ってセンタースピーカーのサイズまでフロントスピーカーと同じにするのは感心しません。なぜなら、2本のスピーカーのセッティングでさえあれほど難しいのに、セッティングの難しい大型スピーカーをさらに増やすのは得策ではないからです。ほとんどの音はフロントスピーカーにまかせて「センターは定位の補助として作動させる」のが成功の秘訣です。そのためセンターには、ウーファーの口径が16センチ程度以下の小型2WAy方式のスピーカーを選んだ方が良好な音質が得られます。3WAy方式などの本格的なセンタースピーカーが効果をあげるのは、部屋のサイズが20~30畳を超えてからです。
リアスピーカーの選び方
楽器が置かれることの少ない後方からの音は、そのほとんどが「間接音」で構成されます。「間接音」をスピーカーで再現するには「反射パネル」と同じような、「無指向性に近い大きな音の広がり」を持つことが理想です。そのため「ウーファーの口径が16センチ以下でドーム型のツィーターを搭載している小型スピーカー」や「同等のユニットを搭載したトールボーイ型スピーカー」がお薦めです。大型スピーカーは指向性が強くなりがちで、また設置の自由度も低くなりますから、無理にリアに大きなスピーカーを置く必要はありません。理想的なリアスピーカーは、周波数帯域が広く指向性が穏やかな製品です。リアスピーカーに低音まで出る「トールボーイ型」を選べば、「フロントだけでは不足しがちな重低音を補って音の広がりが豊か」になります。
「音色のマッチング」に関しては、リアスピーカーはセンタースピーカーと異なり「フロントスピーカーと音色が違ってもさほど気にならない」ため、手元に使っていない小さなスピーカーがあればそれを置いて試せば、結構満足できる音質が得られるかも知れません。
スピーカー設置のポイント
5本のスピーカーが水平(やや後ろ上がりでもよい)の同一平面上に、リスナーから完全に同じ距離で配置されたとき、マルチチャンネル・システムは最高の音場再現性(音の広がり)を発揮します。大きなスピーカーを置き場所に困って不揃いに配置するよりも、高品質な小型スピーカーを同一平面上に配置する方が空間再現性(音の広がり)や音の動きのシャープさ・正確さは遙かに優れています。
特にL/C/Rのフロント3本のスピーカーは、可能な限り同じ高さになるように配置するのが理想です。悪い場所に取り付けられたセンターはかえって音を悪くする原因となります。もし、床に直置きや天井付けのセンタースピーカーをお使いなら、AVアンプの設定でセンターの音を止めてください。音質が改善するかも知れません。
リアもフロントと同じ高さか、それよりもやや高い位置に配置するのが理想です。しかし、センターと違って、リアは天井に付けても、付けないよりは遙かに大きな効果があります。部屋の構造上どうしてもリアを天井に付ける場合には、できるだけ小さくて指向性のゆるやかなスピーカーを選び、アームの長い取り付け金具を使うなどして、少しでも天井から離れるようにしてください。
最後の微調整が大切
これですべての設置が完璧な状態で完了しました。しかし、これからまだとても大切な作業が残っています。それは[スピーカーの位置の微調整]です。まずリスニングポジション(リスナーの頭の位置)とスピーカーまでの距離を「実測」しておきますが、それをAVアンプに入力せずに「全スピーカーの距離を同一」にした状態で音を出してみます。大きな違和感がなければ、そのまま微調整に入って下さい。もしそれが「気になる」場合や、どこかのスピーカーから強い圧迫感を感じる場合には、「実測した距離」をそのまま「入力」し次に進んで下さい。
センタースピーカーの微調整
すでにフロントスピーカーは「レーザー・セッターを使ったセッティング」で調整が完了しているとします。次に「センタースピーカーの微調整」を行います。まず、サラウンドで収録されたボーカル入りソフト(DVDビデオでも可)を再生しながら、センタースピーカーをほんの少し(ほとんどの場合数㎝以内で合います)前後に動かして、「フロントスピーカーから出る声とセンタースピーカーから出る声のタイミングを合わせて(カメラのピントを合わせるようなイメージです)」センタースピーカーの圧迫感や違和感を減少するように位置を微調整します。
センタースピーカーとフロントスピーカーの位置関係が良くないと「声が濁ったりにじんで聞こえ」ます。位置が合えば「センタースピーカーの圧迫感や存在感」が完全に消え「左右のフロントスピーカーの中央にホログラムのようにボーカルが定位」し「音場も無理なく前後に大きく広がって感じられる」ようになります。どうしても上手くいかない場合は、センター/フロントスピーカーとリスニングポジションの距離を正確に計り直し、AVアンプのパラメーターを再設定するか、実測値は無視して「フロントとセンターの距離を同じ」にして、センタースピーカーの存在感がなくなるまで根気よく再調整して下さい。
リアスピーカーの微調整
リアスピーカーも出来ればレーザー・セッターで調整できればベストですが、フロントやセンターに比べリアスピーカーの位置はさほど神経質になる必要はありません。しかし、左右のリアスピーカーはできるだけ「対称になるように設置」して下さい。レーザー・セッターやメジャーを併用し「完全に左右対称」にできれば理想的です。
また位置に関しても確かに最も効果が高い位置は左ページ図の通りですが、どうしてもその場所に「リアスピーカーを左右対象に付けられる位置がない」場合には、あえて「リア=リスナーの後ろに付ける」という先入観を捨て、フロントスピーカーとリスナーの間にリアスピーカーを設置されても結構です。それでも十分な効果が得られますし、あえてリスニングポジションより前になっても、「左右の対称性」を優先する方が「音の広がりは自然に感じられる」ことが多いのです。
リアスピーカーの角度(取り付け方向)は、リスナーに真っ直ぐ向ける必要はありません。大きく内振りにしたり、外振りにしたり、さまざまな方向をお試し下さい。天井に取り付ける場合でも、完全に固定してしまう前にリアスピーカーを鳴らしながら、スピーカーを動かして「少しでも音がクリアーに広がる位置」と「方向」を探すことが大切です。最後に「サランネット」は、リアスピーカーに関してはフロントントやセンター、サブウーファーとは異なり付けたままの方が、音が拡散され「指向性が弱まり音が良くなる」場合があります。お試し下さい。
サブウーファーの微調整
サブウーファーはフロントの左右の間に置くのが理想です。フロントスピーカーの内側に置けない場合にも、できるだけフロントの外側に離れ過ぎないようご注意下さい。間違ってもリスナーより後方にサブウーファーを設置するのはお止め下さい。音の自然な広がりが損なわれてしまいます。
サブウーファーの入力信号はフロントスピーカーから取らず、必ずAVアンプの「サブウーファー出力」から取るようにして下さい。「サランネットのあるなし」も思いの外影響します。できればネットは外してください。
AVアンプと繋ぐ場合には、サブウーファー側のクロスオーバー周波数は「最大」あるいは「オープン」にし、AVアンプ側の調整機能を使って「高域カットの周波数」を決めて下さい。クロスオーバー周波数の目安は「ウーファーの大きさが15センチ程度までのブックシェルフ型スピーカー」なら「100Hz前後」、それ以上のトールボーイスピーカーや大型スピーカーの場合には「80Hz以下」に設定すると良いでしょう。また、AVアンプに「低域出力の割り振り機能」が搭載されている場合には「サブウーファーを繋いでもフロントスピーカーの低域をカットしない(低域信号をフロントスピーカーにも入力する)」方が音質的に好ましい場合が多いので注意して下さい。ただし、センタースピーカーには低域信号を振り分けない(入力しない)方が良いはずです。
周波数の調整が終わったら、サブウーファーの音量調整を行います。サブウーファーの音量調整は「サラウンドで録音されていないソフト」を使う方が間違いは少なく、特に映画などの「5.1Ch録音ソフト」では、サブウーファーの信号が大抵過多(大きすぎる)で調整し辛いようです。
サブウーファーの音量は、CDソフト等を用いて調整するのが簡単です。CDの信号は必ず「デジタル入力でAVアンプに入力」し、再生時に「サブウーファーから音が出ている」ことを確認して下さい。次に「コントラバス」・「パイプオルガン」などの「低域から高域まで十分な音量が出ている楽器が収録されている曲」を演奏します。サブウーファーのボリュームを絞った状態から徐々にボリュームを上げ「低域ではなく中高域を聴きながら楽器の音色が最も透明に聞こえる位置」を探します。
サブウーファーのボリュームを上げてゆくと「楽器の音の透明度と定位感(実在感)」が向上して行きます。ボリュームを上げすぎると「再び透明度が低下し定位がぼやけ」始めます。効果が出始めた音量と、効果が失われる音量の「中間あたり」がサブウーファーの適正音量です。慣れるまではわかり辛いかも知れませんが、根気よく何度もトライし、サブウーファーの音量調節を確実に出来るようにして下さい。
さらに詳細なサブウーファーの微調整
良い音の(ピントのあった)スピーカーとサブウーファーほど 使いこなしが難しい場合がある
他のオーディオ機器と違ってスピーカーに限っては、音(性能)が良い=ピントのあった装置ほど使いこなしが難しい場合があります。その理由を下のイメージで説明します。
青い線をスピーカーの分解能(ピント)、中央の灰色の●をサブウーファーの分解能(ピント)、ピンクの波線の間が「音が繋がる範囲(組み合わせてピントが合う範囲)」とお考え下さい。
| (1) | (2) | (3) |
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(1)と(3)の絵は、スピーカーの性能が高く、音を細かく分離することを示すため、横方向に青線を細かくしています。スピーカから、ピントのあった音(線が細くシャープ)が細かく出るイメージです。
(2)の絵は、横方向の青線の目を粗くすることで、スピーカーの性能がそれよりも低いことを表しています。スピーカー加太出る音はピントが甘く(線が太く)、音がおおざっぱに出てくるイメージです。
(1)の●は、サブウーファーの音質が、ダンピングが悪かったり、膨らむなどの理由で、ピントが甘いことを示すために横長にしています。このような場合、音も曖昧ですから●の色を薄くしています。
(3)の●は、サブウーファーの性能が高くピントに優れることを示すため、●の面積を小さく、色を濃くしています。サブウーファーから、良い音がぎゅっと濃縮されて出るようなイメージです。
(1)の絵は、スピーカーの性能が高く、サブウーファーの性能が低い場合を示します。 このような場合には、サブウーファーのピントが曖昧なので、スピーカーと組み合わせるときに「ピントの合う範囲(音がマッチして聞こえる範囲)」は、サブウーファーの都合によって広くなります。(マッチは曖昧だが、セッティング・調整の範囲が広い)
(2)の絵は、スピーカーの性能が低く、サブウーファーの性能が高い場合を示します。 このような場合には、スピーカー側のピントが曖昧なので、サブウーファーと組み合わせるときに「ピントの合う範囲(音がマッチして聞こえる範囲)」は、スピーカー側の都合によって広くなります。(マッチは曖昧だが、セッティング/調整の範囲が広い)
(3)の絵は、スピーカー、サブウーファー共に性能が高い場合を示します。(1)、(2)に比べピントの合う範囲が狭くなります。(マッチはシッカリする/音が良いが、セッティング/調整の範囲が狭い。
わかりにくい説明になったかも知れませんが、言わんとすることはおわかりいただけると思います。言いたいのは、スピーカーに限っては、「良い音」で聞こうとすればするほど「セッティングの幅」が狭くなると言うことなのです。
「レーザーセッターを使うと音質が大きく向上する=セッティングを緻密にすると音が良くなる」のも同じような理由によります。
距離や音量、周波数などの具体的な数字を上げて説明しない(説明できない)のは、それらの要素が複雑に関連しているためで「どれが正解だ」とは断言できないからです。また、「ピントが完全にあって聞こえるセッティング」は、「ひとつではなく複数存在」するようですが、それは「人間の聴覚の曖昧さ(錯聴などの働きによる)」ものと考えられます。
この考えや感覚は、私の頭の中に「ある種のイメージとして存在」しますが、それを数値で説明したり、完全な論理にまとめること出来ていません。(将来的にも難しいと思います)
そのため、苦肉の策として今回のような「曖昧な使い説明」の方法をとりました。説明はあくまで「イメージ(いわゆるこじつけの範囲内)」で、音響理論やデーターとは無関係ですのでご了承下さい。
サブウーファーの詳細な調整方法
接続
2chアンプとの接続には、アンプの「プリアウト」とサブウーファーの「LINE IN」を繋ぎます。この場合には、信号はL/Rの2chあるので迷うことはありません。 AVアンプとの接続には、アンプの「サブウーファー出力」とサブウーファーの「LINE IN」を繋ぎますが、アンプの出力は通常モノラル(ひとつしかない)です。サブウーファー側の入力が二つある場合には(今回のようなケース)、L/Rどちらか片方に繋ぐだけでかまいません。問題はありません。
※詳しくは、お使いになるサブウーファーの説明書をご覧下さい。
テストに使う音源は、アコースティックな低音楽器の音が入ったものとお使い下さい。
今回は、ノラージョーンズの[COME AWAY WITH ME/3曲目:COLD COLD HEART]を使用しました。
シンセサイザーなどのデジタル音源ディスクは、低音と中高音に物理的な関連がないためテストには不向きです。
サブウーファーを正しい位置に設置します。
左右位置の調整
サブウーファーの設置位置は、真っ正面(センタースピーカーの下)が理想です。
上図のように、正面にTVなどの障害物があってセンターに設置できない場合には、フロントスピーカーの内側(緑の点線の内側)に設置します。
そのいずれも無理な場合には、フロントスピーカーのすぐ外側(赤の点線の内側)に設置します。
サブウーファーは指向性がないので、後ろ側に設置しても良いと言われますが、そんなことはありません。リスニングポジションよりも前方に設置する方が音が良いです。
前後位置の調整
サブウーファーの設置位置は、リスニングポイントからフロントスピーカーまでの距離と同一が理想です。 (1)のような、ユニットが前に付いているサブウーファーは、フロントスピーカーの全面と、サブウファーの全面までの距離を同じにします。(メジャーで測って数cm以下の誤差にしてください)
(2)のような、ユニットが底面についている(TS8)タイプや、ユニットが横に付いている(AUDIO-PRO、B2.27、ACE-BASS2)タイプのウーファーは、ユニットの中心、もしくはウーファーの中央までの距離をフロントスピーカーの全面(バッフル)までの距離と合わせます。
AVアンプの距離設定は、フロントスピーカーとサブウーファーが同一距離になっていることを確認してください。 サブウーファーにフェイズ調整(TS8にはあり)が付いている場合、フェイズは必ず[0]にする。サーロジックのように距離調整が追いている場合も、距離は必ず[0]にしてください。
部屋の環境でサブウーファーをリスニングポイントから見たフロントスピーカーと同じ距離に設置できない場合は、AVアンプの機能を使ってサブウーファーの距離をフロントスピーカーとずらして設定し、入力した数値と同じ距離にサブウファーを設置してください。
設置場所の環境調整
TS8のような「底面に向けて低音を出すウーファー」は、設置している「床」の影響を大きく受けます。畳の上などの「不安定な場所」に設置する場合には、人造大理石などのボードを併用してください。
また、床と水平にすることも大切です。付属のスパイクを使って、水平をきちんと出してください。(床と平行にする)
TS8に関わらず、スパイク式の足が採用されている機器に関しては、スパイクのネジをきちんと止めてください。ゆるんだままだと音質が損なわれます。
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![]() |
| ネジがゆるんでいる=音が悪い | ネジが閉めてある=音が良い |
ハイカットの周波数を決めます。
サブウーファーについている「ハイカット」もしくは「ローパス」のボリューム(TS8のパネルの画像では一番下の「XOVER FREQ.」と書かれたつまみ)を回しながら、スピーカーとサブウーファーの低音がかぶらない(重ならない)位置を探します。
- ハイカットの周波数が高すぎると、ウーファーの高音とスピーカーの低音にカブリが生じ、その部分だけ低音が膨らんでブーミーに感じられます。
- ハイカットの周波数が低すぎると、ウーファーの高音とスピーカーの低音の間に隙間が生じ、その部分だけ低音がないように(何となく音が寂しく)感じられます。
- AVアンプのサブウーファー出力と接続した場合には、ハイカット周波数は最大にするか、ハイカットをパスするポジションを選んでください。調整はAVアンプで行います。
(詳しくはAVアンプとサブウーファーの説明書をご覧下さい)
ボリューム(音量)を決めます。
ウーファーの音量と、スピーカーの低音の凌駕ほとんど同じになるように調整しますが、このとき「低音」を聞くと失敗します。今回使用したディスクでは、ウッドベースの音だけを聴きます。
- ウーファーの音量を変えながら「ウッドベースの音が最も透明になる(ウッドベースがハッキリ/クッキリと聞きとれるようになる)」音量を探します。その音量で「低音が聞こえなく感じられても」かまいません。
- ウーファーの音量が小さすぎても、大きすぎてもウッドベースの音が濁り、ウッドベースとボーカルの分離が曖昧になります。
- ウッドベースがハッキリ聞こえ、ボーカルや他の楽器との分離感/透明感が最も向上するボリュームの位置が、ウーファーの正しい音量です。
低音がクリアに聞こえない場合の微調整法。
- 上記の方法で上手くいかない場合には、サブウーファーの位置を変更します。
- サブウーファーから音を出しながら、サブウーファーを数cm~10cm程度前後に動かします。
- サブウーファーの音を聴きながら、あるいはサブウーファーに触れてみて、フロントスピーカーから低音が出るタイミング(ベースの音のタイミング)とサブウーファーから音が出るタイミングが合う位置を探します。位置が合っていると、フロントスピーカーとサブウーファーからでるベースの音が「きちんと共鳴(共振)」するように感じられます。
- サブウーファーにフェイズ調整(距離調整)が付いている場合(TS8にはついています)には、つまみをすこしずつ回しながら、ベースの音がフロントスピカーと完全に共鳴(共振)するよう調整します。
サブウーファーに搭載されている他の調整機能を使う
通常のサブウーファーには、ハイカットとボリューム以外の調整は搭載されていませんが、最近の製品や高級なサブウーファーには、それ以外の調整機構が搭載されていることがあります。TS8を例にその説明を致しましょう。
LF EXTENSION
- 他メーカーでは[ROOM]、[ROOM GAIN]などと表示されている場合がありますが、サブウーファーから出力される低音の「量感」を変化させるつまみです。原理は様々ですが、音の変化としては「低音が出る長さが変化する」ように聞こえるつまみです。
- つまみを回すと「低音が長く尾を引くように感じられる~低音が短く消えてしまう」ような変化が感じられます。
- 低音の長さ共に「音量」も変わって聞こえます。
- 「音量」と交互に(相関関係に注意しながら)つまみを回し、低音の音量と低音のエコーの長さがピッタリ来る位置を見つけます。
(詳しくはサブウーファーの説明書をご覧下さい)
ヒヤリングのポイント
ウーファーの調整というとどうしても「低音だけ」に集中して聞いてしまいがちですが、それではサブウーファーを上手く調整することは出来ません。
すでに調整法の中で述べていますがサブウーファーの調整は、「低音と中高音の関連性を聞かなければならない」のです。
そのためには、低音のみを聞くのではなく「同じ(低音)楽器の中高音の変化」を聞くことが重要です。
正しい低音が出ると、人間には「楽器の音がハッキリして、もやが晴れたように透明に楽器の音が聞き取れる」ようになります。
サブウーファーの音が正しいと、サブウーファーのスイッチを入れることで、カーテンや開き、もやが晴れたように、空間全体の透明度が増し、広がりが数段大きくなります。
そういうセッティングを見つけられるまで、何度でも地道にトライしてください。
最終の微調整
全てのスピーカーの設置と調整を終えたら、リスナーとスピーカーとの距離を測ってAVアンプに入力します。その距離を中心に距離パラメーターを前後させ「最も自然に音が広がる数値」を見つけてください。
このような些細な位置の微調整で、音場の広がり、透明度、躍動感、臨場感・・・あらゆる楽しさが全く違ってしまうのです。もし、どうしてもこのような調整が難しいとお感じなら、逸品館の「インストールサービス」をご用命下さい。あきらめて自動調整器の付きのアンプに替えるよりも遙かに良い結果がもたらされると思います。
音質チェックによく使うソフトとポイント
| ジャンル | 合唱 |
|---|---|
| 演奏者 | オスカルモルテット合奏団 |
| 演奏曲 | カンターテ・ドミノ |
| レーベル | Proprius |
| 番号 | PRCD7762 |
| 扱い先 | 逸品館 |
| 内容 | ワンポイントステレオ録音のコーラス |
| 広がりのチェック | 10曲目を再生したときに教会の原寸の奥行き・高さが感じられるか? |
| 定位のチェック | 11曲目を再生し女性コーラスが前に、男性コーラスが後ろに、前後感がきちんと出るか? |
| サブウーファのチェック | 1曲目でパイプオルガンが膨らまないか?
ウーファーを入れたとき中高域の透明度が落ちないか? |
| ジャンル | バイオリン |
|---|---|
| 演奏者 | ヒラリー・ハーン |
| 演奏曲 | BACH.PARTITAS No.2&3 |
| レーベル | Sony |
| 番号 | SK62793 |
| 扱い先 | 輸入盤 |
| チェック | 鮮度の高いバイオリン・ルームアコースティックのチェック |
| 中高域の反射の影響チェック | バイオリンが中央に定位し残響が前後左右から回り込むかどうか?
高域がキンキンしないか? |
| ジャンル | ハープ |
|---|---|
| 演奏者 | 吉野直子他 |
| 演奏曲 | BACH/MOZART/DEBUSSY/他 |
| レーベル | Sony |
| 番号 | SRCR2099 |
| 扱い先 | 国内盤 |
| 内容 | 心地よいハープのオムニバス |
| アタックの立ち上がりのチェック | ハープの弦を「切るように鋭く弾いた瞬間」の乾いた音が聴きとれるか?
弦の音がボケていないか? |
| ジャンル | ピアノ |
|---|---|
| 演奏者 | マイラ・ヘス |
| 演奏曲 | BACH/BRAHMS/BEETHOVEN/他 |
| レーベル | PHILIPS |
| 番号 | 456832-2 |
| 扱い先 | 輸入盤 |
| 内容 | モノラル録音のピアノ |
| 色づけと無駄な音のチェック | 1枚/1曲目のピアノの音が澄みきった美しい音に聴こえるかどうか?
部屋の残響に濁りはないか? |
| ジャンル | チェロ |
|---|---|
| 演奏者 | パブロ・カザルス |
| 演奏曲 | BACH無伴奏チェロ組曲 |
| レーベル | 東芝EMI |
| 番号 | TOCE7811 |
| 扱い先 | 国内版 |
| 内容 | モノラル録音のチェロ |
| 定位と音の濁りのチェック | 左右バラバラにならず中央に1本スピーカーがあるように聴こえるか?
帯域のバランスは良好か? |
| ジャンル | J-POP |
|---|---|
| 演奏者 | 鬼束 ちひろ |
| 演奏曲 | INSOMNIA |
| レーベル | 東芝EMI |
| 番号 | TOCT-24560 |
| 扱い先 | 国内盤 |
| 内容 | 鬼束 ちひろ ファーストアルバム |
| 音色の美しさのチェック | 11曲目のピアノの音色やタッチが大きく美しく広がり、ちひろの声の美しさと優しさ(慈愛)が伝わるか? |
| ジャンル | J-POP |
|---|---|
| 演奏者 | 槇原 敬之 |
| 演奏曲 | THE CONCERT |
| レーベル | WARNER |
| 番号 | WPCV-10181-2 |
| 扱い先 | 国内盤 |
| 内容 | 槇原敬之・復帰コンサートのライブ盤 |
| 音楽的要素のチェック | 1曲目スタートの拍手から「観客の静かで暖かな槇原への思いやりの気持ち」がきちんと伝わるか?
ボーカルが入ったとき、音ではなく槇原の心がダイレクトに心に入ってくるか? |
| ジャンル | 川のせせらぎの音 |
|---|---|
| 演奏者 | / |
| 演奏曲 | 環境の音 |
| レーベル | Della |
| 番号 | NSG-004 |
| 扱い先 | 逸品館 |
| 内容 | 川のせせらぎの音 |
| 音の自然さと情報量のチェック | 川の音が自然に感じられ、川幅が広く、鳥の声が遠くから聞こえるかどうか? 音の広がりのチェック。 |
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