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marantz PM6100SA/Ver2 PM8100SA/Ver2 AIRBOW PM6100SA/KAI3 PM8100SA/KAI3 音質テスト

AIRBOW PM6100SA/KAI3 AIRBOW PM8100SA/KAI3 音質テスト marantz PM6100SA/Ver2 PM8100SA/Ver2 変更された主なパーツと音質への影響 (PM6100SA/PM8100SA共通) 変更箇所 整流素子をショットキーダイオードに変更 電源ブロックコンデンサーを高品質品に変更 プリ部とパワー部のデカップリングコンデンサーを高品質品に変更 (ELNAのセラファインやシルミックが採用されています。17カ所) フィルムコンデンサーをオーディオ用高音質品に変更 フロントパネル右上にバッチを貼付 変更による好影響 音の立ち上がりが早くなり、透明度が増す。 解像度が向上する。 電源ケーブルを変えたときと同じように、音質クォリティーが全般的に向上する。 音の繋がりが良くなり、音色が自然になる。 音の良いコンデンサーを効果的な箇所に用いると、音質改善に大きな効果がある。 一目でマイナーチェンジモデルだとわかる。 注意点 音が冷たくなり、音色が金属的になることがある。 全体のバランスを考えないと、音質バランスが崩れることがある。 一つずつのきちんとしたヒヤリングを行い、全体のバランスを考えながら変更しないと、音が悪くなることがある。 オーディオ用の高価なパーツだからと言って、必ずしも音が良いとは限らない。 試聴リポート 音質に最も大きな影響を与えるパーツをグレードアップし、バッチの貼付によって外観の変化を最小限に止めることで、非常にコストパフォーマンスに優れた「改善」が可能となります。この手法は、PM6100SAやPM8100SAをチューンナップし「新しいモデルとして販売するAIRBOWの手法」と全く同じです。 このような手法による「ニューモデル」の生産は、個人的には非常に理に適ったモデルチェンジの方法だと思うのですが、「お手軽に見えてしまう?」ためなのか、なぜか従来メーカーがこのような「マイナーチェンジモデル」を製品化することはありませんでした。 しかし、今回「コスト的に厳しいフルモデルチェンジを避け、欠点をリファインするマイナーチェンジを行った」のは、PMシリーズにとっては非常によかったと思います。なぜなら、PMシリーズは「安易な変更が必要がないほど基本設計が優れている」からなのです。 PMシリーズの製造元であるmarantz自らが、このようなマイナーチェンジモデルを世に送りだしたことで、AIRBOWはお株を奪われたような形となりましたがそれは望む所です。 PM6100SA/Ver2 生産完了 従来のモデルは、どちらかというと「穏やかなバランス」で「音というよりは音楽を聞かせるタイプ」でした。Ver2では、この性格が180度変わり「非常にきりりとして解像度と透明度の高い音」になっています。 音源の位置が近くに感じられる、クリアーで切れ込みの良いサウンドで、オーディオアナログのプッチーニなどとの類似性を感じます。明るく、フレッシュに音楽を再現します。POPS・小編成のクラシック・小粋なジャズなどに適した音質です。 スキッと伸びやかな高域。価格を遙かに上回る透明感と繊細感。澄みきった秋空を思わせる気持ちのいいサウンドに仕上がっています。車のエンジンに例えるなら、小排気量高回転型です。HONDA・VTECの4気筒エンジンのようなイメージです。 音場がやや平面的で、低域もやや軽く感じられますが、それを含めても非常に良くできたプリメインアンプです。marantzのAVアンプ・SR4300のアナログ入力の音質と類似性が感じられますが、やはり単体プリメインアンプのPM6100SA/Ver2の方が、より透明度も高く音の深みも磨かれています。この価格では、他に比類なき高音質アンプだと思います。 AIRBOW PM6100SA/KAI3(発売中・¥78,000) PM6100SA/Ver2の長所をさら高めたAIRBOWのオリジナルモデルが「KAI3」です。Ver2よりもさらに透明度を向上しています。あえて例えるなら「Ver2がアクリルまたは通常ガラスの透明度」なら「KAI3はクリスタルガラスあるいは水晶の透明度」を実現しています。 音の広がり、繊細感、音の純粋さ、音楽表現の素直さと深さが向上するように強く心がけてチューンアンプを行いました。 PM8100SA/VER2 生産完了 従来のモデルは、どちらかと言えば「輪郭のハッキリしたHiFi調の音質」でした。Ver2では、この性格が180度変わり「穏やかで厚みのある自然なサウンド」になりました。Ver2になって、6100と8100の性格が入れ替わっています。 「音を感じさせない非常に自然な音質」で、音楽の表現力に富みます。AccuphaseやLUXMANのさらに高級なプリメインアンプと比較しても、その自然な深みのある表現力には、きっと驚かれると思います。 連続3日ヒヤリングを行いましたが、「ほとんど飽きることなく音楽を聴き続けることができた数少ない製品」の一つです。オーディオのテスターあるいは開発者として「歪みに敏感な私の耳」を3日だまし通し、音楽に飽きさせることがなかった実力派は、健闘を遙かに通り越して称賛に値します。 PS7200からはじまってSR4300・PS7300・PS5400とどんどん進化した「新世代のmarantzサウンド」ですが、今回のPMシリーズのVer2の発売で、それが紛れもなく「本物」であると理解できました。私が言うのも僭越ですが、どうやら「音の良さ」・「音の良いアンプ」の「音作りのコツ」をmarantzの開発陣は完全にものにしたようです。 そんなの当たり前ジャン!そう言わないでください。あなたが知るほとんどの大メーカー・有名オーディオメーカーですら、その領域には遠く達していないのが現実なのです。だからこそ「オーディオ機器は海外製品が多く輸入されている」のです。非常にニッチなマーケットといえ、「ハイエンド・オーディオ機器の世界」では、日本製品はほとんどないのが現状なのです。 その中にあって今回発売された「PMシリーズ/Ver2」は、日本製アンプの金字塔と言っても差し支えないほど高い完成度・高い音楽性・ユニバーサルな商品性を持っています。ヨーロッパで発売しても、高い支持を得られるのでは?と感じました。 3日聞き続けて唯一少し不満に感じたのは「音の軽さ・軽薄さ」です。ボーカルやシンバル・楽器の音と表現力にもう一歩の厚みと深みが加われば、ほとんどのスピーカーを鳴らすのに、PM8100SAVer2以上のアンプは不要となるはずです。 PM6100が小編成の音楽に適しているのに対し、より低音の厚みと音質バランスに優れるPM8100は、大編成の音楽・交響曲や低音が多いジャズにも適しています。エンジンに例えるなら、大排気量でスムースなエンジン。大トルクでスムースなバランスを持つV8エンジンのようなイメージです。 AIRBOW PM8100SA/KAI3... 続きを読む

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