amcron Professional Power Amplifler Series

型式番号 発売時定価
XLS202 56,800円
XLS402 68,800円
XLS602 91,800円
仕様 XLS202 XLS402 XLS602
ステレオ出力

(1kHz,THD0.5%)

250W+250W 570W+570W 840W+840W
200W+200W 400W+400W 600W+600W
145W+145W 260W+260W 370W+370W
ブリッジモノ出力

(1kHz,THD0.5%)※1

1,140W 1,680W
400W 800W 1,200W
周波数特性(±0.75dB,1W) 20Hz~20kHz
SN比(Aウェイト) 100dB以上
THD(20Hz~1kHz) 0.5%以下
IMD(60Hzと7kHz,4:1) 0.3%以下
ダンピングファクタ 200以上(10Hz~400Hz)
入力インピーダンス 20kΩ(バランス)、10kΩ(アンバランス)
入力感度※2 0.725V RMS 1.025V RMS 1.260V RMS
入力コネクタ XLR
出力コネクタ ノイトリック製4Pスピコン(NL4MP)、バインディングポスト
インジケータ Clip、Power、Fault
電源 AC100V、50/60Hz
消費電力(電気用品安全法による) 300W 500W 710W
消費電力(4Ω+4Ω定格出力時) 900W 1,500W 2,100W
寸法 幅483mm×高89mm×奥行356mm(マウント面から)
重量 9.5kg 11.5kg 12.3kg
※1: チャンネル2の入力信号が反転するYケーブルを使用してください。

※2: 負荷インピーダンスが4Ω時の定格出力時。

amcron(アムクロン)という名前でピンと来た人は、かなりの通でいらっしゃいますね。amcronは、アメリカの業務用アンプメーカーとしてスタジオ関係者などの間では定評のあるブランドです。
そのアムクロンから「低価格・超高音質のパワーアンプ」が発売されましたのでお知らせします。今回テストしたのは、「XLS402」という、シリーズのちょうど真ん中の製品です。
プロ用・PA用パワーアンプといえば、S/Nが悪く音にざらつきがあったり、妙にドンシャリしていたり、あまり家庭向きではないという印象をお持ちかも知れませんが、良くできた「プロ・サウンド」は、決してそんなことはありません。
良いプロ用機器は、家庭用オーディオ機器よりもパワー感(躍動感)が大きく、癖も少なく、ストレートに音楽をキッパリと表現してくれるものです。
では、この「低価格」なパワーアンプの音質は? これが驚くほど“GOOD”でした。到底価格を信じられないほどの低音の力感や押しだし感が実現されており、気になる中高音の繊細さやスピード感も抜群でS/Nも決して悪くありません。これこそプロ向きのハイファイサウンドといった音質です。下手な家庭用パワーアンプは真っ青で、少なくとも売価の2~5倍くらいの音質的価値があると感じました。もっとパワーが欲しいとお考えのAVファンには是非薦めしたい逸品です。

お薦めポイント(1)

音が良い。

  • 十分な低音の厚みと力感。
  • 繊細で艶やかな中高音で切れ味も抜群ですが、やや子音にざらつきを感じます。

お薦めポイント(2)

  • 入力ボリュームが付いている。
  • プリアンプなしで、CDプレーヤーなどをダイレクトに繋いで使用できる。

お薦めポイント(3)

  • 信頼性が高い。
  • 十分な安全回路が搭載されているので、取り扱いミスなどでも壊れにくい。

お薦めポイント(4)

  • 小型軽量
  • パワーに較べるとボディーが小さく、そして軽い。

お薦めポイント(5)

  • ラックマウントが可能
  • 前面吸気→背面排気構造になっているので、上下に放熱用の隙間を空けずに積み重ねられる。

それだけなら諸手をあげお薦めできるのですが、残念ながら良い所ばかりではありませんでした。

問題点(1)

  • ファンノイズが大きい
  • 「強制空冷を採用しているための過大なファンノイズ」が発生。
  • 空冷ファンは常に回りっぱなしでしかも、その音量と質は相当ひどくく「デスクトップパソコンのファンノイズ(大きめ)」と同じくらいです。もし静かな音楽を楽しもうとなさるなら、アンプをとなりの部屋などの隔離された条件の所に設置した方が良いと思えるくらい大きな音量のファンノイズが発生します。

問題点(2)

  • 入力が「XLR(バランス)端子」しかない
  • プリアウトにRCA出力しか準備されていないAVアンプと組み合わせるには「RCA→XLR変換プラグ(または変換ケーブル)」が必要になります。

これらの問題点に対処する方法ですが、問題点(1)に関しては、対処する方法がありません。しかし、このファンノイズが気になるような「小さな音量」でサラウンドを楽しむためには、このようなパワーアンプは不必要なのです。つまり「このファンノイズが全く気にならないような大音量」でサラウンドを楽しみたい場合に、このアンプは素晴らしい性能を発揮するということです。あるいは、店舗やパソコンのファンノイズが気にならない環境でお使いになる場合にも、このパワーアンプの望外のコストパフォーマンスは非常によい選択になると思います。
しかし、大パワーを絶対に出さないということであれば、内部を開けてファンを強制的に停止させるという裏技も考えられますが(そこまでしたくなるほど、魅力的な音質だということです)それは、腕に自信があるお客様が、自己責任で行ってください。
問題点(2)に関しては、変換プラグやケーブルを自作したり用意することで解決できます。(逸品館スタッフにご相談下さい)
とにかく一度は、お聞きき頂きたい素晴らしい音質のアンプです。逸品館1号館に展示しましたので、興味をお持ちになられたら是非御一聴下さいませ。

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