Van Den Hul 高級カートリッジ 音質テスト

Van Den Hul
高級オericブランドでおなじみのTEACから[Van Den Hul]の高級カートリッジの輸入が始まりました。今回メーカーから試聴機として借りることが出来たのは次の4機種です。


テストには、NOTTHINGHAM “INTERSPACE/HD”・逸品館オリジナル昇圧トランス/フォノイコライザー・AIRBOW TERA・PMC IB1Sを使いましたVDHのカートリッジの針圧は全て約1.4グラムで試聴を行いました。
比較用の基準カートリッジには、旧型ですが“ortofon MC20Super2”を用いました。


このMC20Super2には、本体に共振と共鳴防止のため[フェルト]を貼り付けています。
また、アームとの接触部での共振・共鳴防止のため[特殊免震材]を3点貼り付けてあります。

これらの処置により、音の濁りが大きく低減し、オリジナルよりも透明度・解像度が向上しています。

MCカートリッジ
VDH-COLIBRI[受注生産]
希望小売価格 600,000円(税別)

全磁気回路を極小化することにより歪みやノイズを低減。
質量6.0g=「Pタイプ」、7.4g=「Mタイプ」の軽量化を実現。
スタティック・コンプライアンスのチューンを実現させることで軽量トーンアームの使用を可能にし、トレーシング能力を飛躍的に向上させました。

磁気回路を極力針先に近づけるため、あえてフロントポールピースを取り外し、カンチレバーの有効長が約50%の短縮化を可能としました。
このことにより、直線性に優れた磁気変換特性を実現しています。

磁気回路設計の小型化を徹底。

カンチレバー材に弾性率・減衰性に優れ、粘り強く耐久性に優れた素材のボロンを採用。

XCバージョン
MC*カッパー線材採用/出力電圧0.65 mV/ch
音響空間表現に優れたバージョン。
ジャズやポップス愛好家にお奨めします。
Pタイプ XCP-HO
ポリカーボネート材の樹脂製
ボディカートリッジ自重6.0g
Mタイプ XCM-HO
金属性ボディ
ボディカートリッジ自重7.4g

XGバージョン
MC*ゴールド線材採用/出力電圧0.4 mV/ch
ダイナミックな表現に優れたバージョン。
クラシック演奏愛好家にお奨めします。

Pタイプ XGP ポリカーボネート材の樹脂製
ボディカートリッジ自重6.0g
Mタイプ XGM 金属性ボディ
ボディカートリッジ自重7.4g
*MC(Matched Crystal)線材:通常の金属と比べ、結晶体が大きく相互に密に接触しているため、結晶体境界面で発生する伝送ロスが極めて少なくなります。

カスタムメイドのカートリッジである証にお客様の名前を記した木製の箱に納めます。

試聴した印象(XGM)

低音がよく出る。クリアで無駄な音が無く、解像度が高い。高域の分解能に優れ、CDを聞いているようなイメージがある。
基準器と較べると情報量は約2倍くらいあるように感じられる。
ややおとなしい傾向なので、クラシック系のソフトにマッチすると思われる。
高級カートリッジとして、水準以上の音質はあるが、もう少しプラスαが欲しいような気がする。(短時間の試聴で真価が発揮し切れていない可能性がある)
とはいえ、聞き続けていると戻れなくなるような魅力がある。
どうしても高級なカートリッジが欲しい!人には向いている商品だと思うが、カンチレバーが剥き出しで「一切の保護機構」を持たないため、取り扱いには十分注意しないと行けない。
針を飛ばしたら・・・考えるだけで恐ろしい。それを「恐ろしい」と感じないでいられる太い神経と、予算が許される人向きの超高級カートリッジ。


試聴した印象(XGP)
やや高域よりのエネルギーバランスの[XGM]に対して、バランスの良い[XGP]。
ただ、分解能やS/N感、レンジ感にやや劣り、特に低音が[XGM]よりも軽いイメージがある。(針圧調整で変わる可能性がある)
また、音質傾向も[XGM]よりもわらにおとなしい感じで、JAZZやROCKにはあまり向かないだろう。
癖が少なく、やはりクラシック系のソースにマッチしそうだ
個人的には[XGM]の方により魅力を感じた。

VDH-BB-SPX

MCカートリッジ
[受注生産]
希望小売価格 560,000円(税別)

MC(Matched Crystal)ゴールドコイル線材採用。通常の金属と比べ、結晶体が大きく相互に密に接触しているため、結晶体境界面で発生する伝送ロスが極めて少なくなります。金素材とあいまって優れた導電性を実現しています。

ボディは黒色ポリカーボネート樹脂採用で軽量化を実現。優れたトレーシング能力を発揮します。
チャンネルセパレーションを向上させる二層MCゴールドコイル及びクロスポイント・アーマチュアを採用。
ダンピング・ラバー材を用いたサスペンションを採用。
カンチレバー材に弾性率・減衰性に優れ、粘り強く耐久性に優れた素材のボロンを採用。

ボディヘッドシェル間マウント用オプション
注:VDH-BB-SPXはヘッドシェル・マウントネジ用の穴が2個または4個の2タイプあります。ご注文時にご指定ください。

出力電圧により2種類のバリエーションを用意。 STバージョン:出力電圧0.50 mV/ch
音響空間表現に優れたバージョン。
クラシック演奏愛好家にお奨めします。

HOバージョン:出力電圧0.65 mV/ch
ダイナミックな表現に優れたバージョン。
ジャズやポップス愛好家にお奨めします。

カスタムメイドのカートリッジである証にお客様の名前を記した木製の箱に納めます。

試聴した印象

音質は滑らかで艶があり、明るめの好ましい音質だが、情報量がもっと欲しい。
Dレンジもさほど広い訳ではなく、高域もつまり気味で今一歩伸びが足りない。
MC20Super2(モディファイ)と較べると、確かに濁りは少なく情報量は多いが
これが56万円もするカートリッジとは私には到底感じられない。
価格を付けるとしたら10万円くらい、高くても20万円程度が適正だと感じる。
COLIBRIと価格は4万円しか違わないが、音質は価格以上の開きを感じた。

VDH-FROG

MCカートリッジ
希望小売価格 250,000円(税別)

結晶同士のつながりがよく導電性に優れ、電力損失が極めて少ないMC(Matched Crystal)シルバーコイル線材を採用。 各周波数の安定した伝送を実現します。 出力電圧0.65 mV/ch
カンチレバー材に弾性率・減衰性に優れ、粘り強く耐久性に優れた素材のボロンを採用。
ボディはポリカーボネート樹脂を採用し軽量化を実現。優れたトレーシング能力を発揮します。

試聴した印象
先に[COLIBRI]を聴いてしまったせいか、全く魅力を感じられない。
音には濁りがあるし、重く弾まないし、音楽が楽しくない。
MC20Super2(モディファイ)と較べても、ほとんど情報量が変わらない。
念のため最後にFROGを聞いた後、MC20Super2(モディファイ)にカートリッジを変えたら、少なくともそちらの方が私好みの音質だった。
上級モデルの味を知ってしまったら、存在意味を感じな

それが25万円もするとは・・・

25万円も出すつもりなら、もっと良いカートリッジを沢山知っていますよ!と大声で叫びたくなってしまうほど、私には物足りない音質でした。

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