音を消さない配慮が大切
このような細かな配慮を物理的にも電気的にも行って、壊れやすいものを取り出すようにCDディスクから音楽信号を読み出せば「現行CDソフトですら人間が聴きとれるほぼすべての情報」が記録されているに近いと断言出来るほど、驚くべき情報量の音が収録されています。それが理想的に取り出された状態では、部屋の広さに関わらず、まるでプラネタリウムの中にいるように透明で歪みの全くない空間が出現し、リスナーは360度方向から降ってくる音に包み込まれるような感覚にとらわれます。
逆に、情報量が向上したといわれるSACDやDVDオーディオでも、こういった細やかな配慮を行わない場合「音質は現行CDソフトの足元にも及ばない」のです。
オーディオの音質向上の鍵は、すでにハードウェアの進歩に依存する部分よりも使用環境などの改善に依存する部分の方がすでに大きくなっているように思います。 ユーザーの使用環境などを考えず、ハードウェア優先の技術開発を続けてきたメーカー主導のオーディオ機器の開発や販売が行き詰まる反面、高額なアクセサリーに人気が集中して売れているのがそれを裏付けているのではないでしょうか。
生演奏から得られている経験とオーディオ機器を使った様々な実験により、オーディオの音質劣化の「原因」は、ほぼ究明出来ました。しかし、問題に対する対処法は千差万別であり、「一つの手法ですべてが解決する」などということは絶対にあり得ません。それどころか経験上「音質向上を妨げる最も有害な原因」は、一つの手法に固執するあまりより重大な音質劣化の原因を見落としたり認めなかったりするケースがほとんどなのです。
ブランドや価格、データや謳い文句はまったくあてになりません。信頼できるのはあなたの耳と、科学的根拠に基づく確かな理論しかありません。曖昧なものに大金を投資して後悔する前に方法と結果、価格と効果の度合いなどスッキリ整理しておいて欲しいのです。
俄には信じがたいと思うのですが、あなたがお聞きになっているオーディオ機器は、あなたに聞こえている何倍、場合によっては何十倍もの情報をすでにスピーカーから再現しています。スピーカーに耳を近づけてすぐ側でその音を聞けばわかるはずです。最高級のコンデンサーヘッドホンに匹敵する細やかな音が、すでにスピーカーからも再現されているのです。
しかし、エンクロージャー内部での不要な共振や反射、バッフルによる反射や回折、リスニングルームでの反射や回折などに起因する「有害な歪み」により音が濁りに埋もれたり、打ち消されたりして大部分の情報がマスキングされリスナーに届いていないのです。オーディオ機器を買ってセッティングを何もしていないなら、どう見積もっても機器に投資した10%以下の音しか出ていないと言う確信すらあります。 インシュレーターの変更や設置方法の検討ですら、驚くほどの音質向上効果が得られるのは、すでにお使いのインシュレーターの設置方法を再検討したり、ミスティックホワイトなどの補助アクセサリーを組み合わせてお使いになればご体験いただけるでしょう。 もちろん、スピーカーや電源ケーブル類も大切です。ケーブルでは「AET:GAIA/TITAN/6N14G」・「S/Aラボのハイエンドホース3.5」などをお試しください。高額な海外製ケーブルの誘惑から、スッキリと目覚めることが出来るはずです。 機器のセッティングで驚くほど音が良くなることを経験されたなら、もっと大きな確信を持って欲しいのです。 インシュレーターやケーブルでさえこれほどの改善効果が得られるのだから、「スピーカーのセッティング」・「音の濁りに直接作用する部屋のエコーの歪み(ルーム・アコースティック)」をきちんと調整できたら、一体どれほどの音質向上効果が得られるのだろうか!?それは、あなたの想像を遙かに超える、驚くほど大きな効果があるのです。