大阪府豊中市にあるオーディオ・ビジュアル関連アクセサリー専門メーカー“インフラノイズ”は、マニアなら「知る人ぞ知る」古くからのブランドです。今までに様々なアクセサリーを発売してきましたが、昨年発売した、アナログ・リコンストラクター/AR-2000(通称アナリコン)に続き、DR-3000を大ヒットさせました。
そして、その開発者・秋葉氏の最新作が“ムジカライザー・ML206”です。
続けて二つのヒットを飛ばした後、さらにヒット製品を作ることが出来るか?とても興味のあるところです。
MUSICA LIZER ML-206
発売時定価 ¥36,000(1SET・税別)
- 入力:1系統(バナナプラグ使用可能)
- 出力:1系統(スピーカーケーブル直出し)
- 外形寸法:110W×49H×160Dmm
- 質量:850g
この製品は、特殊な構造のコイルを使用してスピーカーの逆起電力をシャットアウトし、スピーカーの音質を向上させるアクセサリーです。
説明の不用なほど簡単な装置で、スピーカーに繋いでいたスピーカー・ケーブルを外し、それをムジカライザーに繋いで、ムジカライザーから出ているケーブルをスピーカーに繋ぐだけです。
つまり、[AMP→SP]という接続を[AMP→ムジカライザー→SP]と変えるだけです。
マテリアル
ここは良かった
ここが残念
ムジカライザーのマテリアルに良いも悪いもない。ただの箱。どうせスピーカーの後ろに隠れるのだからそれで十分。
機能・発展性
ここは良かった
ここが残念
やはり、機能に良いも悪いもない。ただ、付属の出力ケーブルは取り外しも何も出来ないので、音質に問題がなければもう少し長い方がよいと思う。 なぜなら、長さが50㎝しかないので、大型スピーカーなどでは、使用時にML-206が床に届かず、宙ぶらりんになってしまうから。
評価 ★★★★★
ここは良かった
だいたい、こんなちゃちな装置を「高価で、高額なオーディオ機器」に繋ぐのには、はなから抵抗があって、装置は預かっていたものの[なかなかテストしなかった」それが本音だ。
でも、もう12月だし、忙しいけれど仕事を終えてたった今(もう10時過ぎ)、嫌々ながら繋いで、一聴した瞬間「騙された!」と思った。中高域の透明度が全然違っているけれど、どうしても「位相」がおかしく感じられたから。
あまりにも位相がおかしいので、接続をチェックしたら・・・。すみません。左のスピーカーを逆送に繋いでいました...。繋ぎ直して左右を確認して、嫌々チェック。
位相のおかしさが消えている。中高域は透明なまま・・・。まだ、何か騙された感じがするので、もう一度外して、繋いで、知らない間にめちゃめちゃ試聴に気合いが入っていたで。結果は?
無駄なもやもやが完全に取れてはいるが、やや音圧が下がって感じられ、それまであった音も消えている気がする。「やっぱり!」、内心では「ざまー見ろ、こんな装置で良くなったら面白くないワイ!」と、意地悪なモードに入っている。でも、冷静さを取り戻し、同じくらいの音圧になるようにアンプのボリュームを上げて、いつも聞いている音楽を聴きながら、このレポートを書き始めた。
そして、おもむろに解説書に目を通す。(私は装置をテストするときに、事前には使用説明以外は絶対読まない。なぜなら、先入観が出来てしまうから。)
ふむふむ、「音圧は下がって感じられることがありますが、それは無駄な音がなくなったためで良い傾向です。アンプのボリュームを上げてください。」と書いてある。
私は、正に説明書通りに使ってるわけだ。
で、音質は?
ビックリした!アンプやスピーカーの価格が間違いなく一桁上がった感じがする、この透明感と立体感は何なんだ!この立ち上がりの早さ、ハーモニーの分離の美しさ、凄い機械です。完全に脱帽しました。実際にお聞きになられることをお薦めします。オーディオ終わるかも知れません。
ここが残念
値段が安すぎる。(儲からない・笑)
音楽的評価
ここは良かった
音の立ち上がりが早くなり、明瞭度と、ライブ感が増す。解像度はほとんど落ちない。
ボーカルや楽器が目の前で演奏されているような、実在感が感じられるようになる。
ややオーバーデコレイト気味だけれど、それはそれで心地よい。
ここが残念
値段が安すぎると、「大したことないと消費者に馬鹿にされる」。
変化の量を可変出来ない。(ソフトによっては、効きをもう少し弱めにしたいと感じるときがある)
良いことは良いのだけれど、やや金属的な独特の音色がある。
全体評価 ★★★★★
試して決して後悔することはないと思います。音楽ファンにとって、最高のクリスマスプレゼントになるでしょう。この不景気な世の中に、こんなに安くてこんなに効果のあるアクセサリーがあって良いのでしょうか?ミニコンポやあらゆる「廉価オーディオ」を「最高級オーディオ」に変えてしまう魔法の小箱が、ムジカライザーです。「取扱説明書の追加」の内容も、的確で素晴らしかったです。
秋葉さん、あせりましたね!
もっと、もっと儲かったはずなのに!!
是非、海外に輸出したいですね!!!
ML206を気に入っても、高価な装置を買うのをやめないで下さいね。<マニアの皆さん(笑)
2001年12月2日 (清原 裕介)