StereoSound(ステレオサウンド) 151号「本当に音楽好きなお客様の力になりたい」

最近のオーディオ機器は「あきれるほど高額な製品」が多い。しかも「価格を納得させてくれる製品」が少ないと感じるのは私だけなのだろうか?
10年以上前、まだ「オーディオフェア」が池袋のサンシャインで行われていた頃「輸入オーディオ」や「LUXMAN」など国産ハイエンドオーディオ・メーカーのブースに出向くときには「期待にわくわく」したことをハッキリ覚えている。「入場料なんて安い」と思ったものだ。それが・・・昨今の「オーディオフェア」では、まったく見るべき物がない。お客様に「是非お薦めしたい」と感じる製品が見あたらないのはどうしたことか?自分自身の「熱が冷めた」のか?それとも「要求するレベルが高くなったから」なのだろうか?どちらにしても当初感じていた「わくわく感」は、今はない。
フェアに期待できなくなって「逸品館の音」も「退化」し悪くなってしまったのだろうか?それは違う。まったく逆である。オーディオを「メーカー」よりも突き詰めて真剣に考え、独自に研究を重ねて来た結果「フェアから学べるもの」・「フェアに期待するもの」が相対的に少なくなってしまったのだ。フェアに期待できない。フェアで購入すべき商品が見つからないからといってピュアオーディオは「決して死んでしまった」のではない。
それを確認して頂く方法は、残念ながらただ一つしかないと私は思う。その方法は「逸品館に来て実際にその音を聞く」ことだ。傲慢に聞こえるかも知れない。思い上がりに感じられるかも知れない。でも、あなたが「心からの音楽好き」なら、「出てくる音」に「絶対にその価値を見いだして頂ける」と思うのだ。
「良い音」で「音楽を聴く」には、様々な方法があり、様々な手段がある。その一つ一つを丹念に「選り分け」、入念に「組み合わせる」ことで「初めて心から感動できる音楽」が再現できる。「良い音」を聴くために必要なのは「金銭」ではない。「情熱」という目に見えない「努力」を抜きにして「オーディオ」を語ることは出来ない。それは、お客様に「本当に良質な製品」を提供しようとし続けてきた私たちが、誰よりも身に染みて知っている。

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