テストレポート HDMIスプリッター対セレクター対決!

待望の低価格HDMI分配機 Trinity TR-HDMI-102が登場しました。HDMI機器は、今まで一つしか出力がないものが多く接続に苦労していました。

そこで既に発売しているHDMIセレクター marantz VS3002と比較して実力を確認しました。


まずは、HDMIで機器を接続をする上での主な問題点を挙げます。

●DVDプレーヤーとAVアンプを持っているけど、プレーヤーにHDMI出力が一つしかないのでDVDをTVだけで見るときもAVアンプの電源を入れないといけないので不便。家族が使うときに面倒。音声もTVから出ず不便。
※最近は、AVアンプで電源を落としてもHDMIをスルーして使用できる機種も登場しており接続の自由度は高くなってきておりますが、そういう製品は待機電 力を結構消費しています。(実測の結果、YAMAHA DSP-AX863は、電源ON待機電力50W・電源OFF待機電力30W消費していました。同じ機能が搭載されたその他のAVアンプも同様だと思われます。)
●AVアンプにHDMI出力が一つなのでプロジェクターとテレビと接続が出来ず不便。抜き差しをいつもしていると端子が壊れそうで不安。 など等

これらの問題は解決できるのでしょうか?

本体写真

上:Trinity TR-HDMI-102 / 下:marantz VS3002

上:Trinity TR-HDMI-102 / 下:marantz VS3002

上:Trinity TR-HDMI-102 / 下:marantz VS3002


Trinity TR-HDMI-102

定価 OPEN(参考売価 16,800円)

対応規格 仕様
HDMIバージョン1.3準拠36bit Deep Color(1080/60p)

xvYCC

Lip Sync

Dolby TrueHD(パススルー)

DTS-HD Master Audio(パススルー)

HDCP準拠

HDMIコントロール(CEC)対応 ※Output 1のみ

自動HDMI信号補正機能搭載

最大10mまでのケーブル長をサポート

SimplismオリジナルEDID読み取りシステム「SmartSplit」搭載

ファームウェアアップグレード対応

有害物質を排除したRoHS指令対応

ディスプレイ解像度:480i, 480p, 720p, 1080i, 1080p(1080/60p, 1080/24p対応)HDMIバージョン:1.3a

HDMI CTSバージョン:1.3b1

HDCP対応:HDCPバージョン1.2準拠

入力端子 : HDMI 19ピンタイプA(メス)

出力端子 : HDMI 19ピンタイプA(メス)

動作温度:5℃~35℃

動作湿度:5%~90% RH(結露しないこと)

電源:100V AC(5V DC)アダプター付属

最大消費電力:2.5W

本体サイズ:W:245 × H:27 × D:107(mm)※突起物を含まず

重量:680g

※メーカー発表資料より抜粋

marantz VS3002

定価 33,333円(税別)

対応規格 仕様
HDMIの最新規格に対応(ロスレスオーディオ・Deep Color対応)電送信号を補正するエンファシス回路搭載

自動的に入力を切り替える、オートインプット機能搭載

カスタムインストール対応RS-232C端子装備

HDMI INPUT 6系統(Ver.1.3b)HDMI OUTPUT 2系統(Ver.1.3b)

REMOTE CONTROL IN 1系統(RCA)

REMOTE CONTROL OUT 1系統(RCA)

FLASHER IN 1系統(3.5 ミニジャック)

動作温度:5℃~35℃

動作湿度:30%~85% RH(結露しないこと)

電源:100V AC(5V DC)アダプター付属

最大消費電力:5W(待機時0.8W)

本体サイズ:W:440 × H:78 × D:340(mm)

重量:3.2kg

※メーカー発表資料より抜粋


画質テスト

接続したことによる画質の劣化はどの程度感じられるのでしょうか?
ブルーレイソフト「ルイスと未来泥棒」で、確認しました。

テストに使用した機材

NEC LCD2690WUXi/pioneer BDP-LX80/DENON AVC-3808/wire-world SHH等

直接接続

このCGアニメは驚異の美しさ、マシンの光沢などは新たな表現の領域が開拓されたようです。

スプリッター経由で1台のみ接続

スプリッター経由で1台のみ接続

ほとんど劣化は感じられない。

もう一台テレビを接続(同時に表示)

もう一台テレビを接続(同時に表示)

色が若干薄くなった。解像度は変わらない

テレビの代わりにAVアンプを接続

テレビの代わりにAVアンプを接続

色が若干薄くなった。解像度は変わらない。画質はテレビを接続したときと一緒

AVアンプを接続するも電源は入っていない(主電源のみON)

AVアンプを接続するも電源は入っていない(主電源のみON)

ほとんど劣化は感じられない

同時に分配すると色が薄くなる症状が感じられました。一度分配した状態から、HDMIを一本抜いてシングルの接続に替えてもスプリッターの電源を切るもしくはHDMI1に接続しているケーブルを抜き差ししない限りは、色が薄くなる症状が発生しました。

HDMIセレクターVS3002で試聴

HDMIセレクターVS3002で試聴

ほとんど劣化は感じられない


音質テスト

音質の劣化の有無を確認しました。

Trinity TR-HDMI-102経由でAVアンプに接続して試聴

ダイレクトの接続に比べ、ややメリハリがつく感じがした。

Trinity TR-HDMI-102経由でTVとAVアンプに接続して試聴

映像の時と同様にやや音が淡く平坦になる。

HDMIセレクターmarantz VS3002で試聴。

ほぼオリジナルと変わらない。


まとめ

TR-HDMI-102は、1対1で使用して機器を別々に使う分には価格を考えれば普通に使えるクオリティは十分備えており、

プレーヤーから出力を2系統に分配できるメリットは大きいと感じました。

しかし純粋な切り替え式のセレクターであるmarantz VS3002と比べると、分配した事によるクオリティの劣化は若干発生していました。

高品質と安定性重視なら価格は高くなりますが、切り替え式のmarantz marantz VS3002をおすすめします。

※TR-HDMI-102で実験している最中、それぞれ接続している機器の電源を切らないと動作が不安定な場合もありました。HDMI機器は一旦電源を落として操作することが必要です。

★各商品の購入は、下記ページよりお申し込みくださいませ。

https://www.ippinkan.com/OP_OAV/option_oav_page1.htm

HDMIを同時に分配する場合の一般的な注意点をお知らせします

(※組み合わせによっては必ずしも当てはまらない事もございます)

・分配をした場合、1080Pと1080iの機器を混在して同時に映すことは出来ません。どちらかの解像度に合わせる必要があります。

(※最近発売されている1080i対応の機器(液晶テレビなど)は、表示が1080iでも1080Pの入力を受け付けるのでほとんどの場合、問題なく映ります。)

  • AVアンプとTVを同時に接続した場合、TVから音は出ません
  • AVアンプのHDMI出力を分配してTVに接続しても、音声は出力されません。

その他、Trinity TR-HDMI-102には、HDMIの設定(3モード)を切り替えるスイッチが本体裏面にございます。最初に使うときは必ず設定してください

●最大公約数モード:接続している、一番スペックの低い機器に合わせて出力されます。

●最高スペックモード:接続している、一番スペックの高い機器に合わせて出力されます。

●追従モード:HDMIの1出力に接続した機器に合わせて出力が決まります。


使いこなしのポイント

  • プレーヤーの出力からTVとAVアンプに接続する場合は、最高スペックモードに合わせて、
  • HDMI出力1 「TV」 ・ HDMI出力2 「AVアンプ」 に接続してください。
  • タイミングによっては、アンプの電源が切れていてもTVから音が出ないことがございます。その場合は、TR-HDMI-102の電源を入れなおしてください。
  • 実験した限りでは、上記の接続でAVアンプに搭載されているHDMI出力から更にプロジェクターに接続した場合、1080Pの映像信号が映ることは確認できました。
  • AVアンプを経由して、更にプロジェクターを接続する場合は実用的です。

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