株式会社エレクトリが輸入を行うアメリカのハイエンドオーディオメーカーPASSの最新モデル「XP-10」と「XA60.5」を試聴致しました。
特にPASSのパワーアンプは昔からストレートで素直な音質が特徴で、個人的には好きなメーカーの1つでした。
プリアンプも同様に素直な音質で色彩感や柔らかさがよく感じられ、質の高いものだと感じていました。
ただ、プリアンプに関しては唯一低音域の膨らみが気にならなくもないと感じるところが若干ございました。
では最新モデル「XP-10」と「XA60.5」の音質は如何なるものだったのでしょうか。
プリアンプ「XP-10」は今までのPASSのプリアンプで、少し気になっていた低音域の膨らみがなくなっており、非常にフラットなバランスで質感も良くしなやかな音質に感じられました。
同価格帯のプリアンプの中では最も素直な音質だと思います。
あまりにも自然な質感と鳴り方なので特徴的に音質の説明がしにくいと感じる程です。
次にパワーアンプ「XA60.5]
文句なし!
「おおっ、これ、この音!」と思わず感心してしまいました。素直でストレート、癖が感じられない。
そしてこの様な形容をするとソリッドでカチッとした音質をイメージされそうですが、全く逆で、しっとりと潤い感を失わず女性ボーカルなどの声の濡れ具合も非常に良く伝わって来ます。
そして空間には濁りがなく、立体的に広がります。
そしてこの「XA60.5」は「純A級動作」のアンプですが、最近「純A級」や「AB級」という事が取り上げられる事が
あまりなくイメージが思い浮かばない方もおられそうですが、’80年代頃 純A級アンプに拘った方なら「良くできたA級アンプの見本の様な音」と言えばお分かり頂けるのではないかと思います。
ただし、純A級アンプなのでヒートアップには若干時間がかかります。
今までもPASSのアンプは好きでしたが、特に「XA60.5」は遂に私の心の琴線に触れた久しぶりのアンプでした。