1980年代前半は、私の知る上でもっとも魅力的な製品が数多く発売された時期でした。もちろん現在でも新製品はいろいろ出ていますが、私にとってその時期の製品が魅力を持つのは、私が電化製品等への興味を持ち始めた頃と重なるからだと思います。
今回紹介するのは、ディスクカメラといわれる製品です。
1983年にCD(コンパクトディスク)が発売される、その1年前にカメラでもディスクフイルムと呼ばれる製品がコダック社から発売されました。従来のカメラにはない薄さと簡単にフイルム交換できるのが特徴で、TVコマーシャルも頻繁に流され、とても未来的な製品に感じました。
磁気やCDを使った物(15年後に登場します)ではなく、フイルムのコマを円形に並べたアナログ的な構造でした。1コマのサイズが従来からあった110カメラ(ポケットカメラ)の撮影面積13×17mmよりも更に小さい8×10mmで画質的にも良いとは言えません。撮影コマ数も15コマと少なく奥行きが短い以外のメリットはなく、発売から2~3年と早々に市場から姿を消して行きました。
当時、実際に見て思ったのが、厚みが薄い分、幅と高さが増しているので実質の本体の容量は変わらない上、画質が良くない為に魅了を感じませんでした。このクレージュモデル(1983年発売・ミノルタ製)は1995年頃に中古で見つけ、記念にと思い購入したものです。その頃すでにフイルムが市場からなくなっていました。
※フイルムは1990年前半頃まで販売されていたようで、現像所のサービスは2000年に終了したそうです。現在ではすべての対応ができなくなっています。
1985年に発売35mm用コンパクトカメラ(クレージュモデル)のサイズ比較の画像です。クレージュモデルは女性層をターゲット開発され、にホンダの原付にも採用されました。その原付は当時よく見かけました。(画像は2代目のようです。1台目はカメラの模様と同じようなデザインでした。)
19年後の2002年にミノルタから薄型のデジタルカメラ「ディマージュX(DIMAGE)」が200万画素で発売されたので、それを買いました。
レンズ面にプリズムを搭載して 90度光軸を曲げる事でズーム機能を持ちながらレンズ銅鏡が飛び出さないフラットな外観を維持したまま扱えるコンパクトなカメラでした。
コンパクトカメラの追求した形でしょうか?どことなく1980年代前半のディスクカメラに似ています。そのディスクカメラに、当時の未来的な優れたデザイン性を感じませんか?
コンパクトデジタルカメラの1/1.8インチ(9×9mm)サイズのCCDとディスクカメラの撮影面積8×10mmが同じようなサイズであることも、未来を予測していたのでしょうか?
画像のクレージュ・ディスクカメラの取り出せないタイプの内臓電池の容量がまだ残っています。シャッターボタンを押す度に、何ともいえない哀愁を感じてしまいます。