デジカメの買い換えは、CANON G11を購入することで”とりあえず”落ち着いた”とご報告しました。とりあえずというのは、まだ納得できない部分があるからです。このカメラを選んだ理由の一つが「ピントの良さ」だったのですが、CANONがG11のサンプル画像としてHPにアップロードしている写真ほどのシャープなピントが得られません。当たり外れや写しかた(フォーカスの良いところを使えるかどうか?)もあるのでしょうが、メーカーHPの写真はなんだか、ちょっとできすぎのようです・・・。まあ、4万円強という実売価格を考えると、十分に納得できる製品だと思いますが、欲を言えば35mm銀塩カメラとして愛用していたCONTAX G2のサイズで「価格が高くても良いから最高の画質が得られるデジカメが欲しいなぁ」と思います。
G11で興味深いのは、「ローライトモード」という超高感度撮影です。このモードでは、4個のCCD(受光素子)の信号を束ねて、通常では実現できない高感度を実現できます。受光素子を束ねるので画像の解像度は1000万画素から1/4の250万画素にダウンしますが、今までストロボ(補助光)なしでは写すことのできなかった被写体を十分な明るさで撮影できます。月明かりでさえ、肉眼よりも明るく写るのには驚きます。
デジカメの主な用途は、HPに掲載する写真の撮影です。被写体は主に「AV機器」で、撮影場所は店内です。何度でも取り直せるので、撮影技術はあまり重要ではありませんが、なかなか思うような写真が撮れません。その理由は、ライティング(特別な物を用意していない)がプアなのと(撮影用ライトを買えば解決する)、レンズの台形歪み(近くが大きく遠くが小さく斜めに歪んで写ってしまう)が大きいことです(画像処理ソフトである程度は補正できます)。アオリ機能付きのレンズと撮影スタジオ並の設備があれば、存分に美しい写真が撮れるのですが、オーディオショップにそれを求めるのは、あきらかに「やり過ぎ」です。
しかし、G11の画質と現在の設備では、逸品館のHPに掲載するテストリポートの写真を撮るにはまだ少々力不足です。現在、HPに掲載している製品写真は、SONYの古いデジカメ(DSC-F828)で撮影していますが、モデルが古いにもかかわらずCANON G11よりも明らかに高画質です(当時の価格は高いが、中古で買えばG11よりかなり安い)。現在使用中のDSC-F828を大きく越える綺麗な写真が撮れるかどうか?それが求めているデジカメの条件です。
デジカメを使い始めて気付いたことがあります。それは「写真の腕が落ちた」ことです。先のお話ししたようにHP掲載用「商品写真」の画質は、ほとんど「道具次第」で決まりますから、あまり腕は必要ありません。しかし、日頃撮影する景色やスナップ写真では、道具の善し悪しよりも「良い被写体との巡り会い(シャッターチャンス)」や「それをどう撮るか」という使い手のセンスが求められます。良い写真を撮れるかどうかは、道具の良さではなく「写真を撮るセンス」で決まるのです。
フルマニュアル(もしくは露出のみオート)の銀塩カメラで写真を撮っていたときは、「撮り直し」が効かないし、頻繁にフィルム交換を行うとシャッターチャンスを逃してしまうので、かなり集中して写真を撮っていました。シャッターを切る前に「仕上がりの写真」をイメージし、ドンピシャの写真が撮れたときの喜びはすごく大きかったのです。しかし、何度も撮り直しができて、撮った写真をその場で確認できる、「便利なデジカメ」に慣れすぎた結果「仕上がりのイメージ」を撮影時に思い浮かべることを忘れてしまい、数撮れば良い写真が撮れるだろう的な考え方になってしまい、無駄なショットばかりが多くなり「当たり」の写真が少なくなってしまいました。
今回のデジカメを通じた、久しぶりの「こだわり物選び」を通じて私が再認識したのは、「カメラ」と「オーディオ」の密接な関連性です。条件が整っているならば「良い写真が撮れる」スタジオでの撮影は、どちらかと言えば「腕」よりも「道具」で出来上がりが決まります。それは、オーディオでの「高音質ソフトの再生」に当てはまります。理想的な条件で録音された高音質ソフトをより良く鳴らすためには、より良い道具があれば大体上手く行くからです。
これに対し、スナップ写真や風景の撮影は、「録音の悪いソフトの再生」に当てはまります。古いモノラル録音のソフトを最新のシステムで聴くと、音が悪く演奏が楽しめない事が多いのですが、これは「鳴らし方(オーディオ器機の使い方)」もしくは、「製品の音作り(メーカーの音作りのノウハウ)」が悪いからです。オーディオで「より幅広く音楽を楽しもう」と思うなら、ソフトから「どのように音楽を引き出したいか?」明確なイメージを持たなければなりません。録音されている音を歪みなく再生するのではなく、ソフトに収録されている音を「どう鳴らせば、音楽になるか?」を正しく理解しなければなりません。
そのためには高音質を追求しすぎて、ソフトの欠点を暴くようなことをせず、長所を伸ばしてあげる鳴らし方が必要です。それを実現するために学ばなければならないことは、「高音質の追求」よりも遥かに多く、対象となる「音楽」と、道具としての「オーディオ機器」に対する、深い造詣が必要とされます。そんな労苦を繰り返し、オーディオの達人になれば、ほんの数秒~十数秒音を聞くだけで、あれこれ聞き比べなくても「この装置からは、どんな音が出せるか?」、「この装置をどう使いこなせば、望みの音が出せるか?」が、かなり正確にイメージできるようになります。「良い道具」を「より良く使いこなす」ことができれば、最高の結果が得られるのは「カメラ」も「オーディオ」も同じです。
お約束の「ハイエンドショウ 2009 Spring」の動画をYOU Tubeへアップロード開始いたしました。毎週土曜に新しいプログラムを1つ追加して行く予定です。よろしければご覧下さいませ。
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