お正月気分も抜けた1月13日、スティングの ”シンフォニシティ・ジャパンツアー” 初日、大阪公演に行って来ました。
今回のツアーは ’08年にシカゴ交響楽団との仕事で表現手段としてのシンフォニックに触発されたスティングが「自分の作品をオーケストラ・アレンジに再構築して演奏ツアーに出たい」と言う動機で始まったもので、アルバム・リリースはツアーに出る為の英国ロイヤル・フィルハーモニーとのコラボ作業が非常に高品質であった為、後追いで決定したようです。
自分(=ロック・ミュージック)とクラシックの出会いをまさに “シンクロニシティ” (ポリスの代表アルバム。意味は心理学者ユングが提唱した「偶然の一致」を単なる偶然として片づけず、そこから積極的な意味を読み取るべきという概念)として感じたのでしょうか。
しかし・・・実を言うと私はこのロック・アーティストがよくやる「オーケストラとの共演」という企画にはほとんど興味がわきません。(この点で発送チームのメタルゴッド福永さんと意見が一致)アーティストは色々と講釈を垂れてくれますが(笑)、どうも必然性がないと言うか、たいていの作品が無意味にゴージャス化しているか、イージー・リスニングになってしまうように思います。
あくまでロック作品としての完成度の為にクラシックの表現・音色が「必要」であったのはピンクフロイドの「原子心母」のみではないでしょうか。
少し解釈を変えても北欧メロディック・デスか一部のプログレくらいかなと思います。
しかしながらスティングです。70~80年代の大物の中で現在も現役バリバリの創作力を持続している数少ないアーティストの一人。2年前の “ラビリンス” での来日公演も素晴らしいものでした。やはり来日するとなれば彼の精神、外見のカッコよさを生で見たいですよね!!
ヨーロッパ、アメリカでのツアーには英国ロイヤル・フィルを帯同していましたが、さすがに日本までは無理で東京ニューシティ管弦楽団とのコラボです。
他にギター、ベース、パーカッション2名に女性ヴォーカルと言う編成でした。
オープニングは弦楽器の豊かな音色の中、スティングの個性的なヴォーカルが美しい If I Ever Lose My Faith In You で静かにスタート。続いて軽快な “ザ・マジック”で会場を盛り上げ、MCを挟んで名曲 Englishman In New York。そして個人的にはクラシック・アレンジが一番活きていたように思う Roxanne と続きます。
その後のセットリストは以下の通りです。一緒に行ったスティング・マニアの友人に聞いたものですので間違っていたらごめんなさい。
ソロ期の作品を中心によく知られたポリス・ナンバーをアクセントに使い、オリジナル・アルバムには収録されなかった佳品も取り上げていました。
初めの数曲はオーケストラの生音とPAを通したスティングのヴォーカルが不自然に感じましたが、進行するにつれ耳が慣れて来たのか、音が調整されたのか違和感なく聴けるようになりました。スティングは外見も知的で一見冷たそうな感じがしますが、ステージは多弁でこそないものの、とてもフレンドリーでオーディエンスを大事にする人のようです。
今年10月には60歳になるそうですが、声量もポリス時代からほとんど衰えていないですよ。大人ばかりの上品でシックな一夜でした。
- 05.Straight To My Heart
- 06.When We Dance
- 07.Russians
- 08.I Hung My Head
- 09.Shape Of My Heart
- 10.Why Should I Cry For You
- 11.Whenever I Say Your Name
- 12.Fields Of Gold
- 13.Next To You
- (休憩)
- 14.A Thousand Years
- 15.This Cowboy Song
- 16.Tomorrow We’ll See
- 17.Moon Over Bourbon Street
- 18.The End Of Game
- 19.You Will Be My Ain True Love
- 20.All Would Envy
- 21.Mad About You
- 22.King Of Pain
- 23.Every Breath You Take
- encore 1- Desert Rose
- encore 2 – She’s Too Good For Me
- Fragile
- Encore 3 – I Was Brought To My Senses(アカペラ)