皆様こんにちは。
グラムロックが好きらしいヨネさんに自慢気に「T・REXって知ってます?」と訊かれ、
自慢気に「コンサート行ったもんねー!!」と応え、恐れ入らせたテンです。
と言うことで今回は2回に分けて“デヴィッド・ボウイ74年 “ダイアモンド・ドッグス・ツアー”のお話です。
このツアーはまず1年の間に「Diamond Dogs」と「Young Americans」のアルバム2作にまたがっています。
しかもツアーを開始してすぐ止めたとか、また再開したとか、プレソウルだフィリードッグだとツアーのネーミングも時期もややこしい上にその都度バックメンバーも変え、演奏自体も当初はシアトリカルな「音楽舞台」だったのが途中で「ブルーアイド・ソウル路線」に変化するわで頭に入りにくいですね。
このツアーからオフィシャルライブ「DAVID LIVE」がリリースされました。
74年の活動を順に並べていくと
- 1月「Diamond Dogs」録音
- 5月 アルバム発売
- 6月14日~7月20日 “Diamond Dogs Tour”
ロック・ミュージカル「ジーザス・クライスト・スーパースター」を制作したJ・フィッシャーを総監督にして破格の費用をかけた演劇的な舞台セットを制作。ボウイも含めてステージ上の人間が決められた振り付け通りに動く(この時の振付師は後に “グラススパイダー・ツアー”も担当)とくれば、これはもうロックのライブと言うよりアルバムの世界を視覚化したロック・ミュージカルと言った方が近いですね。
ボウイのヴォーカルもバック陣の演奏もショウビズ的で「変人アーティスト・ボウイ」が好きなファンには抵抗があるかもしれません。ギタリストはアール・スリック一人でカルロス・アルマーはまだ加わっていません。満を持して開始したツアーですが、売り物のステージセットが故障続きで嫌気がさしたボウイ先生は10数回やっただけで中断。オフィシャル「DAVID LIVE」はこの最初のツアーから 7月12日のフィラデルフィア公演が収録されました。最初のバックバンド陣は総勢10人。
このうち3人が次のツアーで変わります。
- マイケル・ケイメン(piano)…バンマス。後にクラプトンの「24Nights」でオーケストラを指揮していたあの人です。
- マイク・ガースン(key)…「ジギー」から参加して現在に至るボウイバンドの大黒柱。
- アール・スリック(g)…マイケル・ケイメンの推薦でボウイバンドに初参加。
- デヴィッド・サンボーン(sax)…当時はまだ駆け出し。
- ウォーレン・ピース(ba-vo)…71年からボウイ先生にくっついている高校の同級生。
- ハービー・フラワーズ(bass)…この人も初期ボウイバンドのメンバー。
他にベース、パーカッション、サックス、バック・ヴォーカルの4人。
● 8月「Young Americans」録音
この年5月、ボウイ先生は自身の「Diamond Dogs」制作のほかにRCAのアーティスト、ルルのプロデュースもやっていましたが、その為のギタリストとしてRCAから紹介されたのがジェイムス・ブラウンのバンドで仕事をしていたカルロス・アロマー。こいつは使えるとピンと来たボウイ先生、6月から始まる自身のツアー(つまり上記のツアー)・メンバーに誘いましたが、あちこちでセッションをやっている方がギャラが良かったらしく、その時は断られたそうです。
で、最初のツアーを中断してからこの「Young Americans」レコーディング・メンバーとして彼を起用。
ということで次回は「Young Americans」リリース後に再開した ”Pre Soul Tour” & “Soul Tour” のお話です。