東日本大震災の発生からすでに3ヶ月が経過していますが、復興は遅れているようです。完全な復興に向けて「地場産業の復活」が何より重要だと思います。なぜならば、一
時的に義援金を給付しても、それがなくなれば生活の糧が途切れてしまうからです。そのためには仮設住宅を建てるなら、大手のゼネコンではなく地域の工務店を優先して仕事を回すとか、中央集権的なお金の使い方は絶対止にめて、お金の使い方を地方行政にゆだねるべきです。阪神大震災では道路工事や建築現場を中心にかなり地元の業者にお金が落ちて、それが地域の再活性化に寄与したように感じています。今回の震災でも同じように、地元にお金が回ればと思います。大阪は遠く離れていますのでできることは多くないのですが、今後も微力ながら何かお役に立てればと考えています。
今週は、相次いでVIPが来店されました。
まず、18日の土曜日にPCオーディオ関連評論家の御田先生が来社され、リナックスベースの超小型低価格パソコン「Voyage MPD」の音を聞かせていただくことができました。Voyage MPDはWebでしか販売していない製品ですが、小さなボディーにハードとソフトを組み込みlAN経由で外部記憶装置(HDDやメモリ-など)に納められた音楽データーにアクセスし、それをUSBで出力する機能を持っている、ミニマムのPC音楽インターフェイスです。今回はVoyage MPDでUSB出力されたデーターをRatok RAL-24192HT1でアナログに変換し、音を聞いてみましたが、中級クラスのCDプレーヤーくらいの音質は実現していました。この様子は動画でご覧いただけます。また同時に現在から今後のPC・ネットワーク関連オーディオに関する対談も収録しています。
20日の月曜日には、作曲家でありシンセサイザー演奏家として国内はもちろん世界的にも名高い「富田勲さん」を3号館にお迎えして、サラウンドで発売された「惑星/Planet」にまつわるお話をお伺いしました。対談の最初に「なぜシンセサイザーで音楽をお作りになったのか?」とお伺いしました。私はてっきり「シンセサイザーでなければできない表現がある・・・云々」のお答えが返ってくると予想していたのですが、お答えはもっと単純で「20代の私が自分の書いた楽譜を演奏するために交響楽団を雇って指揮することは不可能だから、それが可能なシンセサイザーを使った」という非常に現実的なものでした。
富田氏が「惑星/Planet」を演奏したシンセサイザーは、「モーグシンセサイザー」という世界で始めて作られた本格的な電子楽器です。当時のシンセサイザーは波形のプログラム(かなりたくさんのボリュームを回して音を作る)が完全にマニュアルで、しかも単音しか出せません。しかもデジタル編集機のない時代ですから、1音ずづ音を作ってはテープに録音し、それを再生しながら次の音を重ねて新しいトラックに録音し、という作業を何度も繰り返してあの厚みのある「ハーモニー」が作られています。一番苦労したのは、テープのノイズ対策(多重録音時のテープヒスノイズ対策)だったそうです。
また、この対談では「惑星/Planet」を富田氏自らが16分程度に編集した演奏も
聴かせていただくことができました。
またこのイベントでは富田氏から、3号館の音を掛け値なしに素晴らしいと高く評価いただきました。
今月コロンビアから発売された「惑星/Planet Ultimate Edition」には1976年に発売された惑星に収録されている「モーグシンセサイザーで作った音」が使われていますが、シンセサイザーとは思えない暖かく、厚みのある音に驚かされます。演奏者(富田氏)に明確な目標とする音があれば、たとえ楽器が電子式でも人間味溢れる音が音が出せるのだと感動します。そしてそれはオーディオにも通じると思います。今月発売された富田勲氏の「惑星/Planet」と「源氏物語/完全版」は、アマゾンの逸品館ストアからご注文いただけます。
御田さん、富田さん、貴重なお話と楽しい時間をありがとうございました。
HPには、Musikelectronicから新発売になるコンシューマ市場向けトップモデルME160の音質テストを掲載しています。ME160のテストでは同時にAIRBOWの新製品PM11S2/UltimateとPM15S2/Masterの比較も行っています。さらには新発売(新規輸入)となるオーディオケーブルNVSのテストや、Nordostから発売された電源ノイズフィルターの簡単なテストも行っています。今回テストした製品はいずれも個性溢れる音質でしたが、特にケーブルはソフトとの相性でかなり評価が変わり、オーディオを好みの音に組み上げる難しさを今更ながらに実感しています。
https://www.ippinkan.com/musikelectronic_me160.htm