逸品館メルマガ235「魚の味わいと科学技術の進歩 」

今週水曜日、性懲りもなくまたまた出漁いたしました。極寒期にも関わらず朝からお昼前まではかなり暖かかったのですが、11時頃から雲が出て風が強くなり一気に寒くなりました。この時期、アウトドアスポーツではきちんとした防寒対策は書かせません。結果報告は、ブログの方で米本が書いてくれると思います。
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海上釣り堀で釣り上げた魚は、釣り人が責任を持って最後まで調理することをルールにしています。釣り上げて食べないというのでは、お魚が成仏できません。社員もインターネットなどを参考にして、魚の捌き方を習得したようです。こんな時のインターネットは本当に便利です。魚は夏よりも冬の方が美味しく頂けるのですが、それは夏場は気温が高く解体から調理までの間にどうしても、魚肉が暖まってしまうからです。しかし、この時期は海水温が13度前後、水道の水も冷たく、気温も低いので、解体を少しくらい手間取っても調理の間魚肉はずっと冷たいままに保たれ、捌くのがへたくそでも魚肉に熱が入らないのです。

以前にも書いたことがありますが、鮮魚は鮮度が命というのは少し違っています。鰺や鯖、鰯、太刀魚などのような足が速い魚や、イカやエビなどとは違って白身魚は、しばらく寝かす(熟成する)ことで魚肉に含まれているタンパク質が分解され、旨味成分のアミノ酸に変化します。鯛の場合、釣りたては硬く味が薄いのですが、一晩おくと身が柔らかくなり味が濃くなります。好みもあるとは思いますが、この時期の鯛は(釣り堀の魚はすべて養殖です)脂が多く、熟成時に温度が低温に保たれるため脂肪の分解(低温熟成)が理想的に進み、旨味が非常に強くなります。結果として、ある意味で養殖魚では天然より濃厚な味わいが楽しめます。もちろん旨味の「質」では、天然には及びませんが、養殖技術の進歩によって、養殖魚の味も昔とは比べものにならないくらい良くなったように思います。

こんなふうに科学技術の進歩はデジタルだけではなく、私たちが日常口にするものも大きく変えています。無理な経済発達意欲が邪魔をして、今はまだ科学技術の発達が日常生活、特に心を豊かにすることに結びついていないこともありますが、近未来には優れた科学技術が、人の生活と心を豊かにしてくれるように願っています。逸品館スタッフも、微力ですがオーディオやシアターの発達を通じて、そのお手伝いができればと願っています。

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