逸品館メルマガ237「パワハラと優秀録音盤 」

今年の冬は長くそして寒いですが、意外なことに原因は地球温暖化にあるそうです。温暖化なのに寒いのは、ちょっと納得しづらいかも知れません。しかし、温暖化の影響で極地が暖かくなったため、極地にあるべき寒気が従来よりも南下した(赤道よりに)結果、ヨーロッパやアメリカ、日本など人間が居住している地域の下がっているそうなのです。

人間が地球の環境を変えているのは、温暖化だけではありません。最近は、脱フロンという「名目(金儲け)」が消えてしまったため、オゾン層の破壊について言及されなくなりましたが、確実にオゾン層の破壊は進んでいます。その証拠に大好きな魚釣りに行けば、真冬のこの時期にも関わらず、すごく日焼けします。オゾン層の破壊が原因で、紫外線が強くなっているからです。

このように行き過ぎた人間の経済活動によって地球は傷つき、環境は大きく変わりつつあります。地球の一大事なのに、なぜかこの大事なニュースはほとんど流されません。それはメディアもボランティアではありませんから、広告主(お金持ちや広告をしてくれる企業、ニュースソースを提供してくれる国家や団体)にとって不都合なニュースは、掲載したがらないからです。

新聞社やTV局のような大きなメディアですら信用できないことが多いのですから、AV雑誌のような小さく、しかも業界との癒着が強いメディアのニュースは一層信頼できません。何度かこのメルマガでも取り上げましたが、逸品館がお金を払って買っている「広告欄に掲載するコラム」ですら雑誌編集部によって検閲が行われ、誌面の内容に沿わない文章が見つかれば書き換えを強要されています。

今回はシアター関連の雑誌広告の記事が検閲に引っかかり、書き換えを強要されました。もちろん私も筆が走りすぎると余計なことまで書きすぎることがあるので、こちらにも責任はあります。幸いにもたいていの場合文章の一部(彼らのクライアントや評論家などに対する明確な批判の非掲載は絶対です)を変えるだけで検閲は通過しますし、書き直すことで文意をさらに明確できるので書き換えには全く問題はありません(というよりも不要に敵を作らないために書き換えの強要はありがたい)。しかし、そんなことを平気で要求するメディアには、プライドと責任感は全く感じられません。

話を少し戻します。経済活動が環境を破壊していると書きましたが、それはマクロ的な視点です。ミクロの視点から見れば、は経済活動が私達の社会を破壊していることに気付きます。少し前にAKBのメンバーが男女交際禁止を理由に解雇されました。最近では、黒木メイサが妊娠を理由に契約違反の賠償金を請求されるかも知れないとか。確かに事前にそのような契約が交わされているから、文句は言えないのでしょう。しかし、男女交際や結婚、出産のような人間の基本的な権利まで契約で縛って良いのでしょうか?企業では辞令書1枚で転勤が決められ、逆らうと出世できないとか。なんだか、パワハラのようで釈然としません。

しかし、私達はそれを批判できません。なぜならば、湯水のようにエネルギーを使うことを止めないからです。また、無理のある契約を押しつけたり、それを受け入れています。力やお金の前に、私達民衆は無力です。だから、正しいリーダーの力が必要なのです。しかし、多くの人間は力を持つとより悪い方向に暴走するようです。いつになれば人間はもう少し成長するのでしょうか。

2月16日の朝日新聞朝刊の15ページ「オピニオン」欄に、破綻したアメリカの75新聞社を手中に収め、従来の新聞社のあり方を変えて黒字化に成功した「ジョン・ペイトン」氏の記事が掲載されていました。内容を要約すると「古い価値観の破壊」から「新しい価値観が生まれる」という(要約しすぎかも)ことです。このオピニオンの予言に従うなら、朝日新聞は滅びる新聞社に入ります。自社を否定するような記事を掲載したのは、なかなか勇気がいることだったと思います。掲載に尽力した人たちの努力と勇気をたたえたいと思いました。

社会の成長が行き詰まる時には常に、変化を恐れる古い勢力とそれを打ち倒す新しい勢力のせめぎ合いが巻き起こります。それは、歴史が証明しています。今の日本はまさしくそう言う時期を迎えています。日本を明るい未来に導けるリーダーは登場するでしょうか?大阪から日本は変わるのでしょうか?間違いないのは、着実に変化の足音が近づきつつあることです。そして、その変化から逃れるすべはありません。

きな臭い話題はこれくらいにして、話を音楽に変えます。先週、3号館でのご試聴にお客様が持ち込まれたソフトがとても気に入って、すかさず購入してみました。おそらく最小限の機材とマイク構成と収録されたであろう、シンプルさが特徴のライブアルバムです。機材のノイズがかすかに入っています(サーという小さな音)が、そういったものを排除するためのノイズカットや、楽器の音圧を上げるための「圧縮(コンプレッサーの使用)」がほとんど行われていない、非常にピュアな録音のソフトです。

「編集による悪影響」を排除すると、音楽がこれほどまでに生き生きとする見本のようなソフトです。また、音を聞けばレコーディングが「DSD方式」で行われたことが専門家ならすぐにわかるほど、音色が柔らかくダイナミックレンジが広く、アナログに近い(ある意味ではアナログを超える)音質に仕上げられています。メディアはCD/SACD/SACD-MULTIのハイブリッドディスクで、サラウンド・レイヤーはまだ聞いていませんが、もし疑似ではなく本当にサラウンドで収録されていたら、その臨場感は生演奏を超える可能性すら考えられるほど気に入っています。

楽曲は女性ジャズボーカルで、シチュエーションは新宿の老舗ジャズライブハウス「DUG」の閉店に伴う「最後のライブコンサート」です。ソフトからは、この歴史あるライブハウスを愛するミュージシャンと、お客様の愛情がひしひしと伝わってきます。録音だけではなく、演奏にも深みが感じられるアルバムに仕上がっています。

こんなピュアな演奏、こんなピュアなレコーディングが現在行われ、それが発売されていることを知ってとても嬉しくなりました。本物はいつの時代にも本物です。演奏家と聴衆の魂の共鳴がストレートに心に響く、4曲目のウッドベース、5曲目のギターは最高でした。「ラスト・ライブ・アット・ダグ、グレース・マーヤ」というこのアルバムは、逸品館のアマゾンストアからお求め頂けます。加工(嘘)のない「音」で生きたJAZZを聞いてみませんか?普通のソフトとは躍動感が「まったく!」違います。

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