ブログ逸品館をご愛読の皆様、いつもありがとうございます。
最近では随分と夏らしくなり、朝は蝉の鳴き声を雨の音と勘違いし起きることもあります。
蝉時雨。当然のように使っている言葉ですが、先人のセンスに共感を覚えます。
私は田舎の者なので、流行りやデジタル的な感覚よりも、古風な感覚の方が心に根付いているようです。(まあ、デジタルが心に根付くということは本来の言葉の意味から考えてもありえないことなのですが・・・)
ただ、もちろん仕事や日常生活ではデジタルに私も常々頼りきっています。便利・簡単・早いという点においてです。
分からないことがあれば、インターネットで検索し誰でも同等の知識を即座に得ます。それを暗記すれば誰でも同じウンチクを語ることができます。最新の情報が欲しければ、いとも簡単にスマートフォンで手に入れることができます。
そして、その情報を話題に私たちは会話をし日常を過ごします。しかし、多くの場合はその情報は使い捨てになります。なぜならば、デジタルから得た情報を簡単に読み上げることで、アナログという感情や思考部分を経由せずに一方的な人間味の無い会話になるからかな?と私は思います。
やはり、「人間の中から出た言葉」のほうが心に響くものです。
そう考えると、少しだけ歩みを止めて、デジタル化による恩恵とリスクは天秤にかけてみる価値はありそうです。
そして、このことはオーディオにも当てはまることだと思います。
春の2012ハイエンドショウ逸品館ブースで代表は、
「PC/ネットワークオーディオの台頭で『デジタル』にばかり目が行くようですが、デジタルはオーディオ全体のわずかな部分でしかありません。システムの総合的な音質を100とすれば、デジタルで変わるのはわずか10程度でしかありません。それよりもスピーカーの配置、吸音材の配置、電源ケーブルやインターコネクトケーブル、アンプやスピーカーなどを見直すことで、音質は遙かに大きく改善します。手間暇がかかりローテクなのかも知れませんが、そういう手間を惜しんではよい音は出せません。ハイエンドショウの逸品館ブースの音が他と違って聞こえたなら、それはオーディオにかけてきた、今までの『手間』や『情熱』の違いの現れだと思います。」
また、
「真空管アンプは、デジタルによって失われた音を復元してくれる素晴らしい装置。」
とも、言っています。
冒頭の蝉時雨のCDソフトを再生すると、やはりアナログ的な要素を介した方がより、生々しく夏の熱気を感じられます。失われた音はアナログを介して、記憶と共に蘇る。デジタルとアナログのバランスをとることが現代社会にもオーディオにもとても重要で自然なことのように感じています。
この夏は、逸品館おすすめの音響パネルや真空管アンプでアナログを体感してみるのも一興ではないでしょうか?!