好評だった「Acer H9500BD」が突然生産完了になり、「安くてうまい」を地でゆくプロジェクターがなくなると、がっかりしていたのもつかの間、Acerより新モデル「H6510BD」のデモ機が送られてきました。
果たして「H9500BD」を超える「安くてうまい」プロジェクターになれるのか?
テスト結果を御覧ください。
《H6510BD仕様》
投射方式 |
DLP方式(単板ホイール色分離タイプ) |
外寸 |
W264×H78×D220(mm) |
本体重量 |
2.2kg |
パネル |
0.65型DarkChip3 DMD |
画素数 |
1920×1080 |
明るさ(輝度) |
標準モード:3,000lm/エコモード:2,400lm |
ズーム |
1.3倍/手動 |
レンズシフト |
なし |
レンズカバー |
なし |
ワイド100型投射距離 |
2.6m~3.3m |
3Dエミッター |
内蔵 |
3Dメガネ |
別売り 対応メガネ「Acer E2b」 弊社販売価格8,200円 |
映像入力 |
コンポジット×1 S-Video端子×1 コンポーネント×1 アナログRGB(D-sub15ピン)×1 |
音声入力 |
ステレオミニジャック×1 |
HDMI(映像/音声)入力 |
2系統 |
消費電力 |
290W(使用時)/0.5W(スタンバイ時) |
ファンノイズ |
標準モード:32dB/エコモード:26dB |
ランプ寿命(目安) |
標準モード:4,000時間/エコモード:5,000時間 |
リモコン |
一部自照式リモコン |
見た目は「データプロジェクター」ですが、「フルHD」「3D対応」とシアターモデルを意識したスペックは、果たしてホームシアター用として通用するのか画質をテストしてみます。
テストは標準モード(3,000lm)とエコモード(2,400lm)の比較を共に「ダークシネマモード」で行いました。
画質テスト 1 グレースケール
標準モード(3,000lm) |
エコモード(2,400lm) |
|
|
一番上の黒がグレーになるような事はないですが、下段の白へ向かってゆくグラデーションは階調がはっきりせず白が飛んでいる状態です。 |
エコモードにすることで白飛びが無くなりグラデーションが自然になります。 |
画質テスト 2 カラーバー
標準モード(3,000lm) |
エコモード(2,400lm) |
|
|
発色は鮮やかですが、色と色の境界がやや滲んでいるように感じます。 ここでも白色が飛んでしまっていることがわかります。 |
標準モードに比べると褪せたように感じますが、色と色の境界がはっきりしています。グラデーションもなめらかに見えますので、これなら落ち着いた映像が期待できそうです。 |
画質テスト 3 デモディスクより その1
標準モード(3,000lm) |
エコモード(2,400lm) |
明るすぎて犬の顔が平面的に見えます。 |
標準モードに比べると犬の表情に立体感が出てきます。 |
画質テスト 4 デモディスクより その2
標準モード(3,000lm) |
エコモード(2,400lm) |
色合いはエコモードに比べて鮮やかですが、やや平面的に見えます。 |
標準モードに比べると発色が悪いように見ますが、立体感はエコモードのほうが上です。 |
ファンノイズテスト
標準モード(3,000lm) |
エコモード(2,400lm) |
音を出さずに投射した際の録音です。 ファンの間際でi-Podのボイスメモで録音しています。 エコモードより確かにうるさいですが、実際にスピーカーから音が出ればそれほど気にならないでしょう。 |
標準モードからエコモードに切り替えますとファンの音が静かになります。 シアター入門機としては充分な静かさです。 |
光漏れ
筐体がデータプロジェクターの物なので、盛大に光が漏れています。こだわるなら20~30万円クラスの製品が必要でしょう。ここは安いがゆえの割り切りが必要です。 |
設置の提案
H6510BDはカメラ用の三脚ののせて設置ができます。置き場所がなくてお困りの方にもお手軽に「使う時だけ設置」が可能です。ワイド100インチの投射距離も最短2.6mと比較的短いので8畳ぐらいの部屋で無理をすれば100インチの映像が楽しめるかもしれません。プロジェクターを諦めていた方、一度ご検討下さいませ。 |
まとめ
10万円を切るフルハイビジョンプロジェクターは過去にもございました。
しかしながらそれは古いモデルが値下がりした結果であって、発売当初より10万円を切るモデルが出てきたことと、それが充分に使用に耐える製品に仕上がってきたことを喜ばしく思います。
今回テストした「Acer H6510BD」は、テレビでは味わえない暗闇の中での大画面、映画館でしか味わえなかった大迫力が、手軽にしかも高画質でお楽しみ頂けるコストパフォーマンスの良い製品です。
テストの結果では標準モードよりエコモードのほうが概ね自然で見やすい画調でしたが、少し明るいリビングなどでは標準モードの方がハッキリと見えやすいかと思います。お部屋の明るさでモードをお使い分け下さいませ。