これからの季節は、「イエナカ」の時間が多くなります。天候は変えられませんが、せめて「イエナカ充実」のお手伝いをさせて頂ければと思います。
AIRBOWのCDプレーヤーのラインナップに、CD2300 Specialというモデルがあります。
http://www.ippinkan.co.jp/airbow/product/cd/cd2300.html
CECのかなり以前のCDプレーヤーを母体としたモデルなのでその外観を最新製品と比べると、かなり時代遅れに見えるでしょう。スマホと比べると、ひと時代前の製品に感じられるかも知れません。AIRBOWでは他社に先駆け、ディスクを使わないオーディオ製品としてOSにLinuxを取り入れた製品も発売していますが、
http://www.ippinkan.co.jp/airbow/product/cd_transporter/cd_transporter.html
それと比べて明らかに時代遅れの技術に見えます。では、なぜこんなモデルをAIRBOWはラインナップするのでしょう?それは、このモデルでなければ出せない音があるからです。
AIRBOW製品にはお客様からの声を書き込んで頂ける「ユーザー登録システム」があります。今日、CD2300 Specialを御購入いただいたお客様から次のようなお声を頂戴いたしました。
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▼Q.この製品(CD2300 Special)についてご意見をお寄せ下さい。
本当にびっくりしました。出てきた音はアナログそのものです。エージングなしでも、それが何かすぐにわかりました。
アナログプレーヤーが故障して、20年近くも、遠ざかっていた音です。オーディオに夢中になっていた青春時代を思い出し、不覚にも涙が出てしまいました。MMカートリッジに近い音だと感じました。
今でも思い出します。CDが登場した時のこと。言葉では表現しにくい不思議な音。すぐにそれは、絶望に変わりました。何かが足りない。そして、まったく音に、音楽に感動しなくなってしまいました。その後、音楽にあまり興味がなくなるにつれ、オーディオからも遠ざかっていました。
40歳を過ぎて、クラシックを聞くようになり、古くなったシステムを前に、再びその虫が騒ぎ始め、20年以上使用したCDプレーヤーの故障を機に、CD2300Specialを購入しました。この感動を、どうお伝えしようか考えているうちに、ユーザー登録が遅くなり申し訳ありませんでした。大変満足のいく、すばらしい買い物ができました。本当にありがとうございました。願わくば、これと、ペアになるローコストのアンプの発売を、期待しております。
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大変嬉しく感じると共に、身が引き締まる思いです。
CD2300 Specialは、逸品館が販売するCDプレーヤーの価格としては、決して高い製品ではありません。でもCD2300 Specialは、音楽ファンの皆さまに向けて全力で真心を込めて作りました。それが伝わって、本当に嬉しく思います。
「音質」や「満足感」は価格とは、また異なる尺度を持っていると私は考えています。もし、一時間あたりの収入(時給)が1万円以上あれば、車であれ、オーディオであれその収入に応じた数百万、あるいは数千万円の買い物をしなければ納得できないかも知れません。では、時給が安ければ「チープな製品」で満足しなければならないのでしょうか?それは絶対に違いますし、それを認めれば人は「お金の奴隷」になってしまうでしょう。
お金が人生の幸せの尺度となるような、お金があれば幸せが買えるような、そういう考えを私は好みません。もっと高いもの、もっと良いものを買えば、もっと幸せになれる。もっと満足できる。本当にそれだけが価値観の、そんな人生で良いですか?
販売店としてはより高く、より利益の大きな製品を薦めたい。会社として利益を追求すること。それは、資本主義経済の「自然な」流れです。もちろん、逸品館もその流れに沿って経営していますから高額商品の良さを否定はしません。けれど同時に感動はプライスに比例しないことを忘れてはいけないと思うのです。お客様一人一人の商品の選択には、お客様一人一人の人生の重さを感じます。そういう真剣な選択に真心を込めて全力でお答えすること。それが、逸品館の考える「販売」です。高いものは沢山買っていただきたいと思います。より利益を上げたいと思います。でもコストと時間の許す限り、お金よりも大切な真心を忘れることなく、これからも全力でお客様のご期待に添えるように頑張りたいと思います。