逸品館メルマガ348「2015年4月11日号」

桜の花が咲いたと思ったら、いきなり真冬に戻ったように雪が舞いました。この冷え込みは「花冷え」。最近雨が良く降りますが、その雨は「花の雨」。このような、季節にまつわる言葉が日本には沢山あります。その言葉の端々に、カラリと晴れた心地よい日も、冷たい雨が降る日にも「風情」を感じながら、楽しんできた先人の知恵を感じます。また、世界でも例を見ないと言われる、日本人の勤勉さや繊細さは、この明確な季節の変化と結びついているのではないでしょうか。

春霞、抜けるような秋の青空。それぞれの季節は私達に時を鮮やかに印象づけます。季節が明確であればあるほど、人は時の流れを強く実感するでしょう。その「季節の区切り」が人を変化させ、また成長させるのでしょうか?

時間の費やし方は人それぞれです。ゆっくりと噛みしめるように時を過ごすも良し、何も考えずただ流れに任せるも良し、あるいは一秒たりとも無駄にしないように頑張るのも良し。けれどそういう季節との触れあいや、朝晩の区切りさえ不明瞭な都会の不夜城で人は、健康で前向きにいられるのでしょうか?

生まれるところは選べないけれど、死ぬところは自分で選べる。それが究極の自由でしょう。自分の生き方、時間の使い方は、誰のものでもなく自分だけのものなのですから。

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