逸品館メルマガ372「2015年11月7日号」

みなさま、こんにちは。
10月16-18日に行った「オーディオ・」ホームシアター展」のデモンストレーション録画を、YouTubeにアップロードし始めました。
PCでご覧になると「説明字幕」や「商品説明へのリンク」がご利用いただけます。すべてをアップロードするにはまだ時間が掛かりますが、編集・確認作業が完了次第、順次アップロードの予定です。
http://www.ippinkan.com/event_news/oto10/2015-10-16.htm

このイベントに合わせて、お買い得な謝恩セールを開催しております。

11月21日(土曜日)に、TAD Evolution Systemの試聴会を開催いたします。
すでに、同様の試聴会を一度開催していますが、使用する機器(D1000/M2500 Mark2)が前回は「量産試作機(プリプロダクトモデル)」だったのに対し、今回は「市販量機(プロダクトモデル)」使うところが違っています。
TADの説明によると、市販量産機はパーツの取り付け方法に工夫を凝らし、ねじの締め付けトルクを管理するなどの方法で、量産試作機よりも音が良くなっていると言うことです。
また、この試聴会では、CE1に新たに加わった「ピアノブラックモデル」もお披露目の予定です。この試聴会には、TADからエレクトロニクス開発責任者の沼崎氏をお招きしています。
一段と良い音に生まれ変わった、TAD D1000/M2500 Mark2をこの機会に、存分にお試しくださいませ。
http://www.ippinkan.com/event_news/pioneer_2010-09/2015-11-21.htm

オーディオ・ホームシアター展でゲスト出演した、Music Bird「大橋慎 真空管大放談 公開録音」でお話しした内容を、もう少し詳しく書いてみます。

オーディオは、長い間「原音が最高」と考えられていました。しかし、最近ではそれが変わってきています。実は、それはオーディオの進歩と深い関係があるのです。

オーディオの進歩は同時に「電気楽器」の進歩です。オーディオの力を借りて、エレキギターのように楽器そのものをアンプに繋いで、スピーカーから大音量を出せる楽器が登場しました。生楽器やボーカルは、マイクを使って増幅することで、やはり生楽器では出せない大音量を出せるようになりました。しかし、本当に原音再生のあり方を買えたのは、シンセサイザーだと私は考えています。

私達が長く親しんできたアコースティック楽器は、物理的な振動を共鳴・増幅させることで音を出します。だから「物理的にあり得ない音」は出せません。しかし、シンセサイザーから出る音は、発信回路で電気的に作られたものです。

アコースティック楽器の音を録音・再生する過程で、「物理的にあり得ない歪み(物理的に発生できない音の動き)」が生じると、私達はそれに違和感を覚えます。物理的にあり得ない音は、身体が受け付けないからです。しかし、シンセサイザーのように「人工的に作り出された音(電気回路が生み出した音)」の場合、録音・再生時に「物理的にあり得ない歪み=電気的な歪み」がその音に加わっても、私達はそれに対して、強い違和感を覚えないと思うのです。たぶん、脳の中で「自然の音とマッチングさせる」という回路のスイッチが入らないからでしょう。

最新流行音楽の多くには「シンセサイザー」が多用されています。そういう音に日頃慣れ親しんでいると、私達は「不自然な音」に対して鈍感になってゆきます。
特に若い人たちにその傾向が強く見られると思うのですが、オーディオが生み出す電気的な歪みに対して鈍感となった結果、「原音との差異」の大小に対して、それほどうるさくなくなったのだと思います。イヤホンによって音楽を聞くことも、同じでしょう。

けれど、それは危険な側面も持っています。

私達は成長する過程で、様々な自然の法則を身体で覚え(経験し)ます。その時に得られた経験(記憶)は、5感から得られる情報を保管し、頭の中でより正確な現実を生み出す糧となります。5感から得られる情報を正確に処理するための「記憶(経験)」が「ある」のと「ない」のでは、頭の中に出来上がる「現実」が変わってくるでしょう。

つまり、人は「正しい経験を豊富に積む」ことで、よりずれの少ない現実を感じ取れるように成長します。けれど、人工的な経験にばかり慣らされて(曝されて)いると、現実を正しく把握するための「経験(情報)」が育まれにくくなりかねません。現実と脳の中の世界(自分にとっての現実)のずれが大きくなると、精神に変調をきたすかもしれません。

都会で生まれ育ち、自然に触れる機会が少ない場合、何かの形でそれを補ってあげることが必要です。例えば「正しい音」で「良い音楽を聞く」のは、大きな助けになると思います。

オーディオ機器の音質は、人間の心と密接に関係しています。だからこそ、価格ではなく音質で、オーディオ機器を選んで欲しいと願うのです。

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