今回は中古品【展示機】のソナスファベール エリプサの限定モデル エリプサ レッドをご紹介します。
SONUS-FABER Elipsa/Elipsa Red /レッドバイオリン【展示機】
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1993年、リュート楽器の形にヒントを得て、Guarneri Homageが誕生、 1998年に発売されたAmati Homageもまた、リュート型に由来するものでした。そして2003年に故・フランコ・セルブリン氏はこのリュート型を平面バッフル方法論に発展させた独創的なスピーカー、STRADIVARI Homageが誕生、2007年小型化し、さらに扱いやすくした傑作モデル「ELIPSA(エリプサ)」が発売されました。
ソナス・ファベールのクレモナ・シリーズに新たに加わったelipsa(エリプサ)は、このストラディヴァリ・オマージュの美音をより多くの音楽ファンにお届けするため、設計開発された幅広の仮想無限大バッフル楕円キャビネットを、より現実的なサイズで実現。ウッドファイバー・コーンを使用した新開発のミッドレンジ・ドライバーの採用によりStradivari Homageの拡がりのある深々としたサウンドステージにCremonaの豊かな心地よい響きが加わるなど今までに培われた数々のテクノロジーを継承しています。
2012年にマイナーチェンジが行われ、「STRADIVARI Homage」と同一のリング・ラジエーター・トゥーターに換装され、仕上げも全く同様の「レッド・ヴァイオリン」となりました。名称も「ELIPSA Red(エリプサ・レッド)」と変更し、多くのオーディオファンからその性能と美しいデザインが認められ、大きな支持を獲得しました。
旧モデルELIPSAの逸品館代表テストレポート 2007年9月
箱から出しての第一印象は「美しい!」このスピーカーを展示するだけで、3号館の印象が「うさんくさいオーディオショップ」から「高級ブティック」に変貌する!それくらい、存在感と高級感がある。たとえ音が出なくても、その外観だけでも販売価格の半分くらいは出してもかまわないとすら思えるほど、その姿形は素晴らしい。
早速、タイタニックをELIPSAで聞いてみる。PMC EB1(販売終了)と比べて解像度がたりないし、音はボケているし、低音も濁っているし、まったく駄目な音。・・・。言葉を失う。しかし、届いたELIPSAは、全くの新品。エージングで音が変わるのは間違いがないし、またそれにどれくらい時間がかかるのか興味が引かれる。
この時点で時計は、午後2時を回ったところ。そこで、CDをプレイヤーにセットし、リピート演奏でエージングを開始する。アンプは、EB1を鳴らしていたのと同じAmpzilla2000+AMBROSIAをそのまま使うことにする。
普通よりやや大きめくらいの音量でリピートを続ける。
仕事が結構忙しくてELIPSAの音を聞いてはいられなかったが、仕事がほぼ一段落した午後8時頃、ヒラリーハーンの音が変わっていることに気付く。立ち上がりが早くなり、濁りが取れてスッキリしている。そして、バイオリンらしい木質的な響きがとても心地よくなっている。
さらにちょっとした書き物やホームページの更新作業を行いながら、ELIPSAを聞き続けると楽曲がシェーラザードに変わった。すごい!オーケストラの響きが木質的でとても心地よく、心に響く。何百回と聞いたシェーラザードなのに、思わず手が止まる。
シェーラザードに引き込まれている間に曲が終わりタイタニックに変わる。当初あった低音の濁りが取れている事に気付く。レンジも大幅に拡大して、過大だと感じられた音の濁りも、もやもや感もほとんど消えている。それでもPMCと比べると音のエッジは少し甘いが、気になるほどではない。
すでに時間は午後10を過ぎている。こんなにいい音を残して・・・。後ろ髪を引かれる思いで、CDをリピートにしたまま、明日このスピーカーをもう一度聞けることを楽しみにしながら会社を後にした。
2日目。
ドアを開ける前からELIPSAのいい音は漏れてくる。その音がまた実に素晴らしい。時として「良い音」は、スピーカーの前で聞くのではなく、外に漏れてくる音を聞く方が判別しやすいことがある。なぜなら、本当にバランスの良い音でスピーカーが鳴っているとドアの外では「生演奏」が室内で行われているとしか感じられないほどになるからだ。
2日目だというのにELIPSAは、すでに「そういう音」を鳴らしている。試聴を行うまでもなく、合格の音!
でも、レポートを書くのは、仕事だし、そうしなければELIPSAの良さは誰にも伝わらない。そこでEB1と同じ順序でソフトを演奏し、感想を書くことにする。
“elipsa”でノラジョーンズを聞く
低音はダンピングが甘く、バスレフの悪癖を感じさせるややふくらんだ音だ。低域~高域への繋がりの精緻さも昨日聞いたEB1には、敵わない。ピアノの打鍵音もエッジが甘く、響きも濁っている。24時間のエージングを経ても、その印象は大きく変わらない。EB1が透明なクリスタルを連想させる音なら、ELIPSAは生暖かくちょっと濁った水のようだ。
オーディオ的にEB1とELIPSAを評価するなら、こんな感じになるがそれは、ELIPSAの一面でしかない。ELIPSAの素晴らしいところは、音が明るい!音が楽しい!ということだ。
EB1で聞くノラジョーンズは、スタジオで張りつめたテンションの中での演奏に聞こえた。極端に言うと、触ると壊れそうなくらいの繊細な演奏をスピーカーの真ん前に陣取って、声を押し殺し腕を組んでじっくり聞く!聞かせていただこう!という感じの演奏になる。
ELIPSAでは、それとはまるで違う。明るい陽光を浴びながら聞くお洒落なカフェのライブのように、演奏が開放的で明るく楽しくなる。日の光を浴びながらノラジョーンズが微笑みながら音楽と戯れているようなイメージが自然と湧き上がってくる。会話を楽しみながら聞いても良いし、本を読みながらでも食事をしながらでも、どんなスタイルで聞いても「叱られない」リラックスした雰囲気で気楽につきあえる音になる。家庭用としては、この雰囲気は何よりもありがたい。
音楽と対峙させるEB1、音楽をさりげなく身近に感じさせるELIPSA、性格は正反対だが、どちらも一聴に値する高いレベルにあることは間違いがない。
“elipsa”でヒラリー ハーンを聞く
ノラジョーンズを聞いた時と同様、ヒラリーハンのソフトでもEB1は演奏が収録された「現場の様子」が克明に伝わって来るが、ELIPSAで聞くとまったく違った印象になる。演奏からまるでヒラリーハーンの「人柄が見える」かのように、心が自然に伝わってくる感じがする。しかし、情熱的に聞こえるからと言って、決して演奏が浪花節のように厚ぼったくなるのとは違う。
EB1は、音がまず耳に入ってくるのだが(それくらい音質が良い!)ELIPSAは、雰囲気から伝わってくる(音質はEB1よりも良くないが)と言う違いなのだ。そう言う意味では、ELIPSAは、TANNOYに近いイメージを持っているのかも知れない。しかし、それはあくまでもEB1との比較だ。もちろんELIPSAは260万円という価格にふさわしい「音質」も十分に兼ね備えている。バイオリンは、木質的な響きを伴って朗々と響き渡る。ヒラリーハーンがバイオリンと「戯れて」いるかのように、演奏はリズミカルに躍動する。
現代的なスピーカーの名に恥じないだけの音の細やかさ、レンジの広さを持ちながら、ELIPSAは独特の「響き」という隠し味も合わせ持っている。このELIPSAの「明るい響き」が、演奏をより楽しく躍動的に聞かせるためプラスに働くのだ。響きを付け足して演奏をより楽しく聴かせる。だからこそELIPSAは、「TANNOYに近い」と思うのだ。
“elipsa”でタイタニックを聞く
エージングを開始して27時間が経過してタイタニックを聞く。中高域の滑らかさ、低域の力感が鳴らし始めとはまったく違っている。
当初感じていた「低域の膨らみ」は、見事に解決し、リジットで固まり感のあるしっかりした低域が出ている。中高域も繋がりが滑らかになり、濁りはほとんど消えている。透明感も相当高いが、EB1のように“キン!”と冷やしたミネラルウォーターの澄み切った透明感とは違い、ELIPSAのそれは“常温の柔らかいミネラルウォーター”の雰囲気。冷たさは欠片もない。適度な暖かさの程よい温度感でタイタニックが再現される。EB1の評価では、主に「音質」に耳が奪われたが、ELIPSAの評価では「音楽性」に心が奪われる。
すでに述べたように、音質はEB1が確実にELIPSAを凌ぎ、「精緻な音」という表現がピッタリと当てはまる、EB1のそれに比べるとELIPSAの音は輪郭がやや甘く、音のエッジが不明瞭だ。そのために楽器や音の分離感ではEB1ほど優れているという印象はない。
低域の伸びや量感は?やはりEB1の方が上だと思う。高域の切れ味や透明感(濁りの無さ)もEB1が勝るだろう。そう言いきってしまえば、EB1に比べてELIPSAにはよい所がないように聞こえるだろう。ELIPSAも非常に音質の優れたスピーカーなのだが、あまりにもEB1の能力が底知れないため、音質だけを比較すると分が悪い。しかし、ELIPSAの持ち味は、絶対的性能ではない。巧みな音のチューニングによって、ソフトの粗やオーディオセットの性能の限界点を感じさず、ただひたすらに音楽のファンダメンタルなエネルギーをとことん引き出すところにこそ、その良さが集約されている。ここから上が無くなる、ここから下が無くなる、という周波数の境界線が感じられないから、自然体で音楽に触れることが出来る。驚くべき自然体の音。
EB1で聞いたタイタニックは、スタジオで演奏されているように緻密で知的だった。正にロジックで音楽が展開されてゆく感じである。対してELIPSAで聞くタイタニックは、劇場で生演奏を聴いているようにダイナミックでドラマチックだ。スペクタクルを見ているように、音楽が壮大に展開されてゆく。
私なら、仕事で音楽を聴くにはEB1をプライベートで音楽を聴くならELIPSAを選ぶだろう。
“elipsa”のまとめ
ソナスファベル。それは、伊太利亜の粋!美しいモニュメントのような姿でインテリアを引き立てる。暖かく愛情溢れる音色で疲れた心を癒すだろう。それはシリーズの全商品に共通する大きな美点だ。ELIPSAは、決して安くはないけれどリスニングルームをリゾートホテルのスィートルームに変えることができる、数少ないスピーカーだと思う。このスピーカーを手に入れたとき、贅沢という言葉の本当の価値を知ることができるはずだ。
オーディオはつくづく「絵画」に良く似ていると思う。何を聞かせて、何を隠すか?そのバランスこそオーディオの命である。決して音を全部出せばいいと言うのとは、明らかに違う。文章で言うなら「行間を読ませる工夫」こそ重要なのだ。何でもかんでも「ありのまま」に表現することが最高なら「俳句」は要らない。百科事典があればそれで良い。芸術とは、すなわち「意図された省略により“深み”」を出すことなのだ。
今回のスピーカーとアンプの聞き比べは正に、その「省略による深み」を体験することとなったが、その「省略による芸術性」を驚くべきレベルで成し遂げるAMPZILLA+AMBROSIA。そしてELIPSA(それにユニゾン リサーチも)の生まれ故郷がイタリアでそれぞれが同郷だと言うことは、非常に興味深い。多分、ローマ時代から、いやそれ以前から歴史が育んできた豊かな文化と芸術の国イタリア。その土から生まれるオーディオは、やはりどこかその香りを漂わせるのだ。
そして「俳句」を生んだ日本人の感性も、決してそれには負けていないと私は思う。
以上
Elipsa Redの主な特徴は下記の通りです。(代理店カタログ抜粋)
■仮想無限大バッフルを実現する楕円形積層キャビネット
曲線を描く幅広のキャビネットの前後パネルは20枚の異なるウッド・シートから成る積層構造とし、上面と底面には無垢のソリッド・メープル材を使用して可能な限り剛性を高めています。表面の隣接するメープル・ウッドピース間には黒色ダンピング材を挟み込んで縦方向の振動モードを分散しています。また、幅広のバッフル面は仮想無限大として機能するとともに、その楕円形状により360°方向に水面に波が拡がるように音波を放射します。キャビネット内部には特製の補強リブや補強構造を要所要所に設けて、万全の振動対策を施すとともに定在波の発生も防いでいます。さらに、前後スパイクの高さを変えてキャビネットを後方に6°の傾斜をもたせて全ドライバー・ユニットの音源位置を揃えることで、放射波の位相の最適化が図られています。
■リング・ラジエーターによる優れた高域特性
シルク・リング・ラジエーターは、この種のラジエーターではもっとも表現力に優れたものです。過去のメタル振動板を採用したリング・ラジエーターと比較して、シルク・リング・ラジエーターは帯域幅、指向特性ともに優れており、ドーム状ダイヤフラムの利点をも備えています。デュアル・ウェーブ・ダイヤフラムから前面に放射される音波は、ソナス・ファベール独自のトロイダル・ウェーブ・ガイド(デフューザー)によって巧妙にコントロールされます。さらに、幅広のバッフル面は波長の短い高域の音波にとって仮想無限大バッフルとして機能するとともに、キャビネットの楕円形状により回折効果の影響から解放された音波が 360°方向に水面に波が拡がるように放射されます。
■新開発のミッドレンジドライバーによる充実した中域特性
ミッド・レンジには、ブラック・ウッドファイバー・コーンおよびシンメトリック磁気回路を備えた150mm径の新開発ドライバー・ユニットが採用されています。ランダムに配列された繊維構造をもつダイヤフラムによりコーンの分割振動を抑えるとともに、ダイナミック・リニア・サスペンションの採用により自然で分解能に優れた特性を実現し、システムの要となる中音域を生々しく再生します。ドライバー・ユニットの背面はキャビネット内部のバック・チェンバーで被われ、コーンの背圧を磁気回路センターの通気口を通じてこのチェンバーに導くことで小音量時のリニアリティを大幅に改善しました。また、このチェンバーの壁はキャビネットの前後壁の支えともなり、不要振動を効果的にコントロールします。さらに、このバック・チェンバーにはミッド・レンジ用のバスレフ・ポートを装備して低域の拡大をはかり、ウーファーとの滑らかな帯域のつながりを実現しています。
■メタル・ウーファー採用の豊かな低域特性
低域ドライバー・ユニットには高剛性・低質量のアルミ・マグネシウム合金ダイヤフラムを採用した260mm径ウーファーを使用し、優れたレスポンス特性と量感豊かな低域再生を実現しました。ダイヤフラムの表面には特殊コーティングを施し、メタル振動板にありがちな固有音を排除しています。特別に設計されたウーファー中心部のコアキシャル・アンチ・コンプレサー機構は、ウーファーの背圧を緩和してダイヤフラムのより忠実な動きを保証し、ボイス・コイルの放熱効果も向上させます。キャビネットの内部容積の大部分を占めるウーファー部のバック・キャビティには2本のロング・バスレフ・ポートを装備し、拡がり感のある伸びやかな中低域を実現しました。また、耐久性に優れた天然ゴム製エッジは、ダイヤフラムの動きを理想的に制御するとともに大振幅動作時にも余裕をもって対応します。
■音質最優先のクロスオーバー・ネットワーク
ネットワークは、全再生帯域にわたって振幅と位相の両特性が最適となるように設計されました。位相特性を優先させた2次フィルターのクロスオーバー・ポイントを250Hzと2.3kHzに設定し、ミッド・レンジ・ドライバーを中心としてツィーターとウーファーのつながりがもっとも滑らかとなる周波数特性を実現しました。ネットワーク回路には、音質を考慮した特注コンポーネント、素材と構造を吟味した内部配線材など、考えうる最高のものを投入しました。さらに、ネットワーク部はレジンで封入され、部品の振動によるマイクロフォニック歪みも皆無です。
■主な仕様
・形式:3ウェイ3スピーカー、バスレフ・フロアスタンディング型
・高域:25mm口径リング・ラジエーター(ディフューザー採用)
・中域:150mm口径ブラック・ウッドファイバー・コーン・ダイアフラム
・低域:260mm口径軽量アルミニウム/マグネシウム合金コーン・ダイアフラム
・クロスオーバー周波数: 250Hz/2.3kHz
・出力音圧レベル:91dB(2.83V/1m)
・インピーダンス:4Ω
・推奨アンプ出力:30~250W
・周波数特性:35Hz~30KHz
・外形寸法:(W)550x(H)1250x(D)455mm
・重量:48.0Kg
・仕上げ:レッド・ヴァイオリン(グロス)仕上げ
ではElipsa Redの状態をご案内致します。
正規品・限定モデル(Red Violin)
全体的に目立つ傷はありません。
天板の小キズですが、ピアノ塗装特有の擦り傷で普段は見えません。
写真左 画像を加工し傷を可視化しました。
台座プレートの擦り傷です。装着すると底面にくるため見えません。
付属品(accessory)
グリル・スパイク・スパイク受け・台座・台座取り付けネジ
保証(warranty)
逸品館6か月保証
以上、滅多にお目にかかることが出来ない大変状態のよい商品になります。
お問い合わせありがとうございます。完売しました。