社長のうんちく」カテゴリーアーカイブ

逸品館メルマガ069「中低音の重要性(1)」

ここ2回連続でAIRBOWの新製品SA10/Ultimateの話をしました。このプレーヤーは、従来よりも中音~低音に表現力の力を求めそれを達成したと自負している製品です。本日より発売を開始します。発売に先駆けての徹底チェックでここ3週間近くこのプレーヤーばかり聞いていますが、いくつか新しい発見があったのでお伝えしようと思います。 http://www.ippinkan.co.jp/airbow/product/cd/sa10.html 私は、生の音とステレオの音で圧倒的に違うのが「高音の輝き?切れ味?」だと考えています。それは、ひょっとすると高音のノイズ(ファンの音や、TVのトランスのキーン音)に人よりも敏感だという私自身の耳の癖もあったかも知れませんし、ステレオの中低音は生とそれほど変わらないという考えがあったのかも知れません。とにかく私は、これまで「高音の美しさを求めることがステレオの音を良くする唯一の方法」と考えていたのです。 そして高音の再現性の決め手は「高音の透明感(ノイズの無さ=音の立ち下がりの早さ)」と「アタックの切れ味の鋭さ(音の立ち上がりの早さ)」の改善にあると考えていました。高音(高周波)に対する過渡特性(変化の早さ)を向上させると、ステレオの音は生楽器の音に近づき、雰囲気や空気感など「音の実在感」が大きく向上するという考え方です。 この考えに基づきAIRBOW製品は、他の製品にはない「高音の正確な再現性」が与えられています。特にその中でも他メーカーに類を見ない存在である「波動ツィーターCLTシリーズ」こそ従来のスピーカーでは再現できない高音の再現性の向上を狙って作ったものです。このツィーターの説明をするだけで、相当な量の文章を書かなければならないので、今回のメルマガではその解説を割愛させていただきますが、このツィーターの発明こそ私が高域の再現性の向上に力を入れてきたことの証明だと言えるのです。 http://www.ippinkan.co.jp/airbow/product/tweeter/clt_3_cryo.html 高音の再現性が向上し再生音が生音に近づくと、まるでその場で生音を聞いているような感じが非常に強くって「その場の状況があからさまに再現される」ようになりますが、反面困った現象が発生します。「録音現場の状況があからさまになりすぎる」のです。ミュージシャンのミス、ミキシング(マスタリングのミス)、マイク配置のミス、そういったいわゆる「ソフトの粗(録音時に解決できなかった問題点)」が明確になり過ぎて、「音は良くなったけれど、聞けないソフトが増えた」、「安心して音楽に集中できない」、「聴き疲れする」という問題が生じるのです。音は良くなっても、音楽が遠くなる。これが、オーディオマニアや高級オーディオメーカーが陥りがちな、重大な「パラドクス」ではないでしょうか?音を良くしたのにもかかわらず、音楽がなんだかつまらなく聞こえるようになったら、この問題に注目してください。 この問題に早くから気付いていたAIRBOWは、製品にその持ち味である優れた音のみを追求するのではなく、高音を基準として全帯域のエネルギーバランスをコントロールし「いい音」と「良い音楽」が両立するような音質が与えています。音質を改善しながら音楽性も同時に向上させる。その高度にバランスを追求した音作りこそAIRBOWの特徴なのです。それが評価され、お客様から「AIRBOWを買ってから聞くソフトの種類が増えた」、「今まで聞かなかったソフトが楽しく聞けるようになった」という嬉しいお声が多く寄せられています。 このように高音をうんと良くしながらも、全体の音質のコントロールを忘れない。それがAIRBOW製品の軸となる開発方法でした。しかし、SA10/Ultimateではこの方法をあえて曲げ、チューンナップに際しての音質確認で「どちらの高音がよいか?」ではなく、「どちらの中低音がよいか?」と聴き方を変えてみたのです。もちろん、従来からも音質比較時には特定の帯域だけに注目するのではなく、まず全体のバランスを重視していたのは言うまでもないことですが、その次に高音をチェックするという順序を、その前に中低音をチェックするというようにSA10/Ultimateの開発では、「聞き比べるときの意識の順番を入れ替えて」みました。 その具体的な方法は次回のメルマガで詳しくお伝えしますが、このように「今までと違うヒヤリングによって仕上げたSA10/Ultimate」を聞き続けることで「中低音だけを充実させても音楽のリアリティーは向上する」という経験が得られたのは貴重な体験でした。極端な言い方をするとプアな高音域をそのままに、中低音だけを充実させても音質が大きく改善する事を発見できたのです。誤解を避けるために付け加えますが、もちろんSA10/Ultimateの高音域がプアだと言うことではありません。従来のAIRBOW製品のように高音域の明瞭度や透明度を突き詰めなくても、中低音の充実という角度からでも「音楽性の改善・雰囲気感の向上が実現することに気付いた」ことをお伝えしたいのです。 実は、私が今さらながらに気付いたこのポイントは、オーディオマニアが陥りがちな音質改善の「パラドクス」の解決に非常に重要な内容を含んでいるのです。サラウンドアンプの接続でHDMI接続の音質が同軸デジタルやアナログより音が悪い理由も、この中低音の不足によると見て間違いありません。また圧倒的にデーター量が増え、周波数帯域・Dレンジが拡大しているDOLBY-TRUE/HDの音質が、従来のDOLBY-DIGITAL音声とあまり変わって感じられない理由も、HDMI接続による中低音不足が原因だと考えられます。 低音不足と聞くとサブウーファーや大型スピーカーを使えば解決するように感じられるかも知れませんが、不足するのは「量」ではなく「質」的な低音なので低音の量を増やして解決するような、単純な問題ではありません。このHDMI接続による低音不足を解決方法を探る中で、HDMIケーブルの品質が音声に対し映像よりも顕著に影響することがわかってきましたので、後日、HDMIケーブルの音質比較を行う予定です。 ... 続きを読む

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逸品館メルマガ068「1.17に寄せて」

すでに多くのニュースでご存じだと思いますが1月17日は、阪神大震災から13年の記念日でした。「のど元過ぎれば熱さ忘れる」のことわざではありませんが、私たちは「忘れる」という特技を持っています。「忘れる」ことができるから、自分を変化させ挫けずに生きていけるのだと思います。でも、薄れてはならない記憶もあります。震災関連のwebを検索していると、こんなページが見つかりました。 http://www.npo.co.jp/hanshin/4book/no4-2.html このページのことをすでにご存じの方がいらっしゃるかも知れませんが、このページを読んでいると当時の記憶が生々しく蘇ります。私は幸いにもこの震災では、甚大な被害を受けることはありませんでした。それでも、大切なものを失ってしまう悲しみや、喪失感は痛いほど身にしみて知っています。明日があるかどうかわからない。だからこそ、毎日を輝いて生きる努力を惜しみたくないのです。失ったものは、取り戻せませんが、これから先の時間を実りあるものに変えることはできると思うからです。 さて、先号のメルマガで触れたAIRBOWより発売予定のEsoteric... 続きを読む

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逸品館メルマガ067「AIRBOW SA10/Ultimate」

今年初めてのメルマガと言うことで、新年にふさわしい話題を探したのですが、今年は特に「これ」という出来事が無く、また異常気象?の影響か暖かく季節感もあまり感じられませんでした。なぜだが、仕事に復帰しても「お正月」がまるで遠い昔のように感じられ、こんな感覚は、生まれて初めてかも知れません。それは、都会にいるから余計にそう感じるのかも知れませんし、お正月を風邪で寝込んで外に出なかったせいかもしれません。しかし、昨年のメルマガにも何度か書かせていただいたように、本当に最近はなぜだか季節感が希薄に感じられます。季節感が感じられないと、気持ちも切り替わらず、毎日が同じ繰り返しのように思えて、生きている実感?のようなものまで薄くなってしまわないよう、日々を集中して過ごせるように頑張ろうと思います。 さて、昨年末に発売された”AET”の最高級ケーブルSIN-LINEを始めとする超高級ケーブルは、情報量の豊富さに加え、癖のない正確な音楽再現能力の高さが評価され過去に類を見ないほどの大ヒットとなりました。10万円を遙かに超えるこれらのケーブルは、一体どれくらいの価格帯の機器に使われるのでしょう?もし、アクセサリーのコストバランスが機器本体価格の1/10程度だとすると、それらは100万円を超える高額な製品と組み合わせなければなりません。しかし、多分これらの高級ケーブルを購入なさるほとんどのお客様が、本体価格の1/2に近いコストをアクセサリーに掛けていらっしゃると思うのです。 オーディオ・アクセサリーを「単なるアクセサリー」として考えるとこの傾向は、行きすぎの感があります。しかし、AETのケーブルのように最近の高額アクセサリーの中には、コンポーネントと比較できるほど大きな効果を持っている製品も生まれています。いっそのこと、それならオーディオ・アクセサリーもコンポーネントの一部と考えれば、そのコストバランスを納得できます。また、経年変化で消耗するコンポーネントと違ってケーブルやインシュレーター類などは使い痛みが少ないので一度購入すれば、長く使えるという魅力 もあります。ただし、その判断は、あくまでもお客様自身の考え方一つです。高級(高額)アクセサリーのご購入は、雑誌やマニアの噂に流されず、まずご自身の考え方や目標をしっかりと固めてからにしましょう。 「迷っている」お客様に「納得の製品選び」をしていただけますように、逸品館では次のようなオリジナルのサービスを実施中です。 ■60日以内の返品サービス 現在、逸品館では”AETの高額製品”と弊社オリジナル・コンポーネント”AIRBOW製品(アクセサリーを除く)”に関して「ご購入していただいてから30日以内なら、返品していただければご購入代金を全額ご返金(全額返金は、弊社の定める一定の条件を満たす場合に限ります)」サービスを行っております。ご購入後、万が一弊社のお薦め製品に不満を感じられたなら、責任を持って対象商品はお引き取りいたします。 https://www.ippinkan.com/airbow/airbow_campain.htm ■ご自宅へのお貸し出し また、弊社オリジナル”AIRBOW製品”は、お申し込みいただければご自宅へ「無料試聴機(往復の送料のみご負担下さい)」をお送りいたします。このサービスをご利用いただければ、ご購入前にご自宅で実際に複数のオーディオ・アクセサリーや機器をお試しになられて「最適な製品」を選んでご購入いただけます。また、動作の原理が従来のオーディオ・アクセサリー(デジタル音質改善装置)とは、根本的に異なるため、従来のオーディオ枠内の「常識」では、その効果の素晴らしさをおわかりいただけないと考えて、弊社オリジナル製品ではありませんが「INFRANOISE社のRMS-1000」も無料貸出機をご用意いたしております。 http://www.ippinkan.co.jp/airbow/service.html ■”ゼロ金利”ショッピングクレジットサービス 対象商品を「合わせて5万円以上のお買い上げで最長12回まで金利ゼロ分割支払い(オリコと提携中)」を承っております(※12回を超える分割払いも”特別な低金利”でご利用いただけます)。無理をせず、ワンクラス上の機器のご購入を検討なさるときや、セットでご購入の時にご利用くださいませ。 https://www.ippinkan.com/_zero_CAMPAIGN_1.htm ■AIRBOW新製品のお知らせ 逸品館・掲示板の方にも少し予告をさせていただきましたが、AIRBOWよりEsoteric... 続きを読む

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逸品館メルマガ066「2007年を振り返って(3)」

今年の漢字は「偽」でした。あえて言うまでもなく、今のメディアから発信される情報は、「偽情報(利己的にねじ曲げられた情報)」で溢れています。では去年は「偽」は無かったのでしょうか?100年前は?そんなことはありません。ではなぜ今頃になって「偽」が問題になるのでしょう?この100年は、人類にとって激動の時代でした。石油内燃機関と通信の発明に端を発し、コンピューターとインターネットの発展によって距離と時間の制約を受けずに「情報」を得ることができるようになった結果、人間の知覚は、肉体と言う制約から解き放たれ「現実」ではなく「情報」が「人間の現実を支配する」ようになったからではないでしょうか?... 続きを読む

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逸品館メルマガ065「2007年を振り返って(2)」

前回のメルマガでは、HDMIについて反論のメルマガを送信しました。またHDMIに端を発して、大企業の在り方を批判しました。しかし、それは「大企業=悪」という単純な論点からの話題ではありません。... 続きを読む

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