鏡面仕上げの製品のメンテナンス方法
オーディオ機器には、「鏡面仕上げ(ぴかぴかに磨き上げられた鏡のような表面仕上げ)」が施された製品があります。「鏡面仕上げ」は、塗装後表面を 「丹念に磨き上げたもの」や「光沢のある塩化ビニールシート/パネルを貼り付けたもの」などがありますが、何れも他の仕上げに比べて「表面の傷」が非常に 目立ちやすく「使用中」に、あるいは「購入したときから」すでに「表面に細かい擦り傷が見える」ことがあります。
この「傷」や「指紋による汚れ」は、通常の「クリーナー」で拭っても取れません。取り除くためには「コンパウンド」と呼ばれる「研磨剤」が入った「傷取り併用クリーナー」を使用します。
しかし、「鏡面仕上げ」を通常のコンパウンドで研磨すると「かえって傷を付け」てしまいます。下記のような製品は使用しないで下さい。
「表面の美しさ」を損なわないためには、「鏡面仕上げに対応する超極細研磨剤」が採用された「特殊なクリーナー」が必要です。中でも優れているのが、模型用のクリアパーツを磨くための「研磨剤」と「クリーナー」のセットです。
他にも良い物はあるかも知れませんが、(株)ハセガワ製セラミックコンパウンド TT-25 1,200円 ・ コーティングポリマー TT-25 1,200円 ・ スーパーポリッシングクロス TT-23 1,000円(各税別定価)がお薦めです。※当店での販売は行っておりません amazonなどで入手できます。
AUDIO-PRO-IMAGEシリーズを使った実例
AUDIO-PROのIMAGEシリーズは「音の良さ」で逸品館がお薦めしているスピーカーです。IMAGEシリーズの仕上げは「ピアノブラックの鏡面仕上げ」ですが、傷に弱く「新品でも輸送中に梱包材と干渉して擦過傷が付いてしまっている」場合があります。
弊社の「掲示板」でもこの「傷についてお客様からの指摘」を頂戴致しましたが、海外では「この程度の傷は、製造中や使用中に普通に付く程度の傷」との認識 され、「クレーム」の対象とはされないのが普通なので、IMAGEシリーズのような低価格品のみならず主力メーカーの輸入オーディオ品でさえ、同様の状態 にある場合があります。
しかし、日本人はこういった「傷」に対する「要求」が海外に比べて非常に強いため、最近では海外製品も「日本向けの商品」に対しては、傷などの品質管理を一段と厳しくして対処しているようです。
では、IMAGE40を実例として作業に取りかかりましょう。
前面のサランネットを外した状態。「新品」ですが梱包の緩衝材でスピーカーの上部が若干白くなっています。(画面中央は、スピーカーをさわったときに付い た指紋ですが、指紋ですらこれくらい目立つ光線の位置で撮影しています。もちろん実際には、こんなに酷くありませんのでご安心下さいませ。)
- 作業を始める前に、硬いホコリが本体とクロスに付いていないことを確認します。シルコットで事前に軽く拭っておくとなおよいでしょう。
- ホコリなどの付着を取り除いた後、セラミックコンパウンドで磨き込みます。傷の部分だけを磨くと光沢にムラが出来てしまうためやや広めに磨く様にします。事前に目立たない底面等でお試しになり、ポイントを掴まれてからの作業をお奨めします。
- じっくり時間を掛けて磨き込むのが、綺麗に仕上げるコツです。
- 研磨が終わったら、コーティングポリマーで仕上げます。ポリマーは、薄く塗りのばしていきます。ポリマーで仕上げると表面に皮膜をつくるだけでなく、塗装内部まで浸透して表面そのものの耐久性もアップし、帯電防止効果があり美しさも持続します。
- 作業後は、光沢が増し傷もほとんど目立たなくなります。(注意:打ちキズや、深い引っかけ傷は上記の行程ではとれません。)
- 加工後、表面が非常に滑らかになっており、滑りやすいのでご注意下さい。