みなさま、こんにちは。最近、暗いニュースばかりが多くて運転中にテレビやラジオをほとんど聞かなくなりました。幸い、カーステレオの音が良いのでイージリスニングやライトなクラシックなどを聞いて気分を紛らわしています。
前号のメルマガでオーディオの真髄は「響きとの共存」にあると書きました。その中で「audioquest」社のケーブルについて触れましたが、奇しくも今週、audioquestから「日本で一番audioquestを販売したショップ」の記念盾が届きました。
全国展開するカメラ店や家電量販店を退けての「日本一」は、専門店としてとても嬉しいことです。お客様に信頼されての結果だけに、これからも客様に安心してご利用いただける専門店であるように心が引き締まる思いです。
audioquest特集ページにて記念盾をご覧いただけます。▼https://ippinkan.jp/sp20210206-audioquest-48gbps-hdmi-cable.html
今回のメルマガでは、前号で予告した「振動の利用・共存」について書いて見ます。振動と音質の関係が最も深いのは「スピーカー」です。アンプやプレーヤーの歪み率は、小数点以下の数値ですが、スピーカーの歪み率はそれよりも数十倍以上大きく、無響室での測定でも1%近くに達することがあります。さらに通常のオーディオルームでは、部屋の残響(ルームアコースティック)の影響を受けますから、数値はさらに悪化します。
オーディオには、左右の音がどれくらい混じるか?を数値で表す「チャンネルセパレーション」という指標がありますが、左右の音が完全に分かれて聞こえるイヤホンやヘッドホンではまだしも、スピーカーの左右の音は完全に混じり合って聞こえます。
それらを総合して考えると、スピーカーから発せられる音は最良でも数%、最悪の場合は数割程度歪むと考えられます。
つまり、私たちは常に「数%~数十%」の響きを聞いているわけです。
この響きを味方に付けるか、敵に回すかでスピーカーの音は雲泥の差と言っても差し支えないほど大きく変わります。
スピーカーのセッティングで総じて言えるのは「響きを味方に付ける」ということです。スピーカーから出る音を「ブランコの動き」に例えた場合、響きは「ブランコを押す手」に相当します。響きを味方に付けると、ブランコはどんどん大きく揺れるようになりますが、響きが逆相でぶつかると、ブランコは止まってしまいます。
スピーカーから良い音を出すポイントは、スピーカーから出る音と響きを良い関係で交わらせることです。最も重要なのは、右と左のスピーカーの関係です。右と左のスピーカーから出る音が空間で交わるときに「プラスの関係(相互に強め合える)」であるか、「マイナスの関係(邪魔をする)」かによって、スピーカーの音は価格に置き換えるなら、優に数倍以上変わります。
次に忘れてはならないのが、スピーカーと部屋の反射音の関係です。部屋の仲の良いポイント(位置)にスピーカが設置されていると、音は大きく広がり、音量の大小や、高低の濁りが消え、音が細かくはっきりと聞こえるようになります。空間の透明度が増すという言い方が正しいでしょう。
スピーカーの位置関係と方向を最適化できれば、何もしないときに比べてスピーカーの価格は、最低でも数倍から最大では10倍くらいまで高くなったように感じられるでしょう。
スピーカーの音質改善を実践的に細かく解説したYouTubeはこちらからご覧いただけます。▼スピーカー音質アップ(初級編)https://www.youtube.com/watch?v=Q9vWbp7NPgU
大型のスピーカー... 続きを読む