ホームシアターファイル 45号「HDMI Ver1.3には、こだわらなくて良い!」

今AV市場は、「HDMI Ver1.3が付いていなければ時代遅れ!」コールが飛び交っていますが、それは明らかな「勇み足」です。
まず、接続の問題ですがパソコンのUSBやイーサネットと同じように、以前のバージョンの機種と接続した場合は、下位互換が保たれてVer1.3以前のフォーマットに自動的に切り替わって接続されます。Ver1.3に対応していないAVアンプや、切り替え機、分配機を介してVer1.3対応のディスプレイなどに繋いで動作の確認をしましたが、画質音声の出力、リモコンによる一元コントロールなど、ほぼ問題なく作動しました(この動作は保証されていないので、相性によって動かないことがあるので注意が必要です)。
また、画質の問題では、Ver1.3以前でも解像度は1080pに保たれますが、色信号のBitは、12Bitから8Bitに減少します。しかし、ディスプレイ(TV)やプロジェクターの表示能力、また環境(画面に少しでも光が当たると色再現性は大幅に低下)の問題もあって、Ver1.3から直接ディスプレイに繋いだときとの差はほとんどわかりませんでした。それよりも「接続するHDMIケーブルの品質による画質差」の方が、ずっと大きかったことに驚きました。画質でVer1.3が有利になるのは、1080/24P出力で、フィルム素材の映画が2-3プルダウンされず24コマ/秒で出力される場合に限られると断言しても差し支えはなさそうです(24P出力は、ソフトとプレーヤー側の対応が必要)。
最後に音質の問題。ドルビーTRUE-HDでは、DVDオーディオの最高フォーマットと同じ192KHz/24Bitがサポートされていますが、現在映画は48KHz/24Bitで収録されており、特別に収録された音楽ソースでもない限りこのフォーマットは完全に宝の持ち腐れです。また、192KHz/24Bitの高音質を実現したDVDオーディオやそれと同等のSACDがほとんど廃れたことからも、こんな高音質は「誰も求めていない」ことがわかります。さらに、ブルーレイを再生し音質をHDMIVer1.3以前の規格に対応しているAVアンプと接続した場合には、5.1ch信号がロスレスで48KHz/24BitのPCMに変換され接続されますから、映画の収録された48KHz/24BitがロスレスでAVアンプに入力されることになり、理論的にも音質差が生じないことになります。
決定的なのがソフト!画質では、Ver1.3で色信号が12Bitに伸長されていますが、従来の機器でもアップコンバート時には10Bit以上の色演算能力を持つ映像プロセッサーが使われているため、CGソースでは全くと言っていいほど8Bit伝送との差が出ないことになります。差が出るとすれば、実写(フィルム素材)、それも映像の美しさにこだわって撮影された作品に限られます。
結論!HDMI Ver1.3は、今のところ「絵に描いた餅」で明らかに時期尚早。それにこだわって高額な機器を選んだり、まして導入のために既存の機器を買い換える必要は「絶対に!」ありませんのでご安心下さい。そして、逸品館が広告でここまで断言できるのは、フォーマットを細部まで調べた上で問題点を店頭に最新の機器を取り揃え実際にテストを行って確認しているからです。無駄な買い物、納得の行く選択にこだわられるなら、逸品館へのご来店お待ち申し上げております。(ホームーシアターの設計施工は、ミサワホームと提携し、逸品館が監修、ミサワホームが責任を持って設計施工を行いますので、完成後のアフターサービス、メンテナンスを含めその品質には、必ずご満足いただけるものと確信しております)


ホームシアターファイル 2008年 02月号 [雑誌]


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