PlayStation3などのHDMI出力にあるPCMマルチって何?

PlayStation3プレイステーション3)は、
ブルーレイディスクの再生が出来、HDMI規格の最新バージョンであるver1.3に対応しております。

しかし、TRUE-HDなどのビットストリーム再生、つまりソフトに収録されたサラウンド信号をそのままの信号でAVアンプに送ることができません。

PCMのマルチ信号に変換して送ります。
それってどういうことでしょうか?
クオリティがダウンすると言うこと???

DVD-3800BD

そういうことではありません。ブルーレイプレーヤーの場合、デジタル音声出力は通常ビットストリーム(TRUE-HDやDTS-MASTER AUDIOなどに使われるデジタル信号のまま)で出力する様に設定されています(PlayStation3と同じように、PCMマルチ信号に変換して出力することも可能です)。しかし、それでは、ビットストリーム規格に対応していないAVアンプからだけしか音を出すことが出来ません。PlayStation3が作られた頃には、ブルーレイのビットストリームをそのまま受け入れられるAVアンプがなかった(低コストでHDMI Ver1.3にフル対応する入出力ICが存在しなかった)ため、PlayStation3はプレーヤー側でビットストリーム信号をより互換性の高いPCMマルチ規格に変換して出力する方法を選んだのです。

理論的にビットストリームからPCMに変換されずに音声が出力される“ビットストリーム出力”の方が、音質は良さそうに思えます。現実は、どうでしょう?下記組み合わせで実際にビットストリームで信号を送った場合とPCMマルチで信号を送った場合の音質差を聴き比べてみました。

DENON DVD-3800BDとAIRBOW SR7002/special-SR
DENON DVD-3800BDとPIONEER VSA-AX4AH

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■実験 (1)
DENON DVD-3800BDAIRBOW SR7002/special-SRの組み合わせ

→ビットストリーム音声の場合
・音の密度感があり、しっかりとした音像が再現できます。

→PCMマルチ出力の場合
・同じ傾向ですがややおとなしくなります。音像も少し淡く感じます。

この組み合わせでは、ビットストリームで送った方が優秀です。
AIRBOW SR7002/special-SRのプロセッサー部が改良の恩恵を受け、音質が良くなっているのが分かります

■実験 (2)
DENON DVD-3800BDPIONEER VSA-AX4AHの組み合わせ
→ビットストリーム音声の場合
→PCMマルチ出力の場合

・両者で違いを聞き分けるのは結構難しい。違いはあるのですが決定的なクオリティの違いは、感じられませんでした。ひいき目に聴くと、PCMマルチ出力で接続した方が音質が良く感じられました。

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この実験から、ビットストリームがPCMマルチ信号に変換されても、実用上のデメリットは発生しないと結論付けられます。

PlayStation3が発売された当時のAVアンプは、ビットストリームに対応しておらずプレーヤー側でPCMマルチ信号に変換しないとTRUE-HDなどの新世代高音質サラウンドで音が出せませんでした。例えば、YAMAHA DSP-AX2700・DENON AVC-3920・marantz SR7001などの機種がそうです。しかし、新しいサラウンドはPCMマルチ接続できちんと体感できますから、それらの機種をお使いでもそうそう早く買い換える必要はありません。また、今AVアンプのご購入を検討されている方も、これらの一つ前型のAVアンプを狙えば安くて良い音質を実現可能です。

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