5月9~11日の日程で開催された「HI-END SHOW TOKYO 2008 Spring」に、逸品館はAIRBOW ブランドのメーカーとして出展しました。期間中30分のプレゼンテーションを合計7回行い、来場いただいた皆様にサブウーファーの有る無しによる音質改善効果をご評価いただきました。評価に使ったシステムは、CDプレーヤーにAIRBOW CC4001/Special、メインスピーカーにAIRBOW IMAGE11/KAI2、プリメインアンプがAIRBOW PM6001/LIVE、プリアウトにaudio-pro B2.27Mark2を接続したセット合計約35万円のシステムです。
デモンストレーションは、まずサブウーファーを“OFF“の状態でJAZZボーカルを鳴らして、次に“ON“にして音質を比較するという方法で行いました。サブウーファーが“OFF”の状態でもIMAGE11/KAI2からは、しっかりしたボーカルが出ます。それでも本格的な大型スピーカーと比べると「フォルテが歪みっぽい」「高域がやや堅い」「音の広がりが不足する」など、ちょっと小さいスピーカーが無理をしているようなイメージがあります。
サブウーファーを“ON”にすると低域の量感が増えることによって「音の広がり」「中低域のボリューム感」が向上することは、容易に想像できると思います。多くの場合、サブウーファーを使うことで「中低音のだぶつきや濁り」というマイナスが発生すると考えられていますが、B2.27Mark2は16cmの小型ユニットが二つ水平対向エンジンのように取り付けられているという構造上の利点により、そういう問題は全く発生しません。しかし、それよりも重要なのは適切なサブウーファーを使うことで「音楽表現のダイナミックレンジが大幅に拡大する」ことなのです。B2.27Mark2を使うと中低域ばかりではなく、中高域の明瞭度、伸びやかさが全くグレードの違うスピーカーに変えたのでは?と思えるほど飛躍的に改善します。声の抑揚は大きくなり、楽器のパワー感、音場の立体感などの音楽表現に関わるすべての項目が大きく改善し、結果として同じソフトを聞いているとは思えないほど「躍動感、パワー感」が大きくなり、音楽を聴く楽しみが驚くほど増大します。B2.27Mark2の追加によるこのドラスティックな変化は、それを実際に体験しないと決して信じられないほど素晴らしいものです。
さらにB2.27Mark2の驚くべき実力をご確認いただくため、低音が収録されていないバイオリンのソロによるサブウーファーの有る無しの音質変化の実験にお付き合いいただきました。JAZZボーカルの時と同じようにサブウーファーなしでバイオリンのソロを演奏した後、サブウーファーを入れて変化を聞くという方法ですが、最初の時と同様にバイオリンのメリハリとエネルギー感が驚くほど大きく改善します。しかしこのソフトでは、収録されていない低音の変化は聞き取れません。そこでこのソフトでサブウーファーからどれくらいの音が出でいるか?確認のためメインスピーカーの音を消し、サブウーファーの音だけを再生しました。思った通りサブウーファーの音は、会場の誰一人として聞き取れません。なぜならサブウーファーは、前後にたった数ミリゆらゆらと揺れているだけなのです。
バイオリンの音質の飛躍的な改善を聞き取れた100人を超えるお客様の誰一人、サブウーファーの音を聞き取れない、サブウーファーのユニットは、前後に数ミリゆらゆらと揺れているに過ぎない、というこの衝撃的な事実を「従来のオーディオ理論」で説明できるでしょうか?この結果から「タブー」とされていたピュアオーディオへのサブウーファーの導入は、あきらかな間違いだとわかります。また、今回のような素晴らしい理想的なサブウーファーに出会った人がほとんどいないから「サブウーファーの導入は、百害あって一利なし」という間違った風評が正当化されてしまうのです。音を良くできるのは「科学」ではなく「ノウハウ」です。例外の存在する理論にすがっても、計れる数字を信じても、オーディオの本質には到達しません。私たちは測定できない音、「聞こえない音」を感じ取ることができるからです。その「聞こえない音」、音の背後にある音がきちんと再現されたとき、あなたの装置の音質は飛躍的に向上します。
今年の秋International Audio Showと同時期に開催される「HI-END SHOW」では、今回のような共同ブースではなく一部屋を借り切って「逸品館のノウハウ」を存分に味わっていただく予定です。必ず、お役に立てる自信がありますが、秋まで待てない!と感じられたなら、どうぞ今すぐ「逸品館」をお尋ね下さいませ。
AUDIO BASIC (オーディオベーシック) 2008年 07月号 [雑誌]