ホームシアターの進化を振り返る。スクリーン編

ホームシアターが一般的に知られるようになった、1989年に発売されたシャープのXV-100Zは前回紹介させていただきました。
そのとき、同時に発売されていたスクリーン生地は、ビーズマットホワイトマットの2タイプでした。ビーズマットは高級モデル、ホワイトマットは普及品の位置づけでした。ビーズマットは言葉の示す通り、細かなガラス玉を敷き詰めたマット面で、ホワイトマットの2.5倍程度の明るさがあり、特にプロジェクターの明るさを稼ぐのに有効なスクリーンでした。

私は、最初にXV-100Zと80インチの掛図タイプのホワイトマットを買い、その後スクリーンを80インチのビーズマットに買い換えました。

ビーズマットの明るい画面は見やすく、力強い迫力を感じましたが、自然な発色の再現性はホワイトマットの方が素直だと感じていました。しかしその頃の液晶プロジェクターは今の明るさを示すルーメン表記に換算すると100ルーメン程度しかなく、質感よりも明るさがまず優先された時代でした。高画質スクリーン=ビーズマットが10年間続きます。

その後、プロジェクターはどんどん進化して行き、明るさを抑え映画の質感を優先するシアターモードが充実して、スクリーンもホワイトマット生地から進化した、OS(ホームシアター)ピュアマットが発売されたのもその頃です。

プロジェクターの高画素化に伴い、スクリーンの生地目とプロジェクターの画素が干渉してモワレ(干渉縞)や粒状感を抑える構造として、不均一な生地目にすることで干渉を抑え、より自然で深みのある画像を再現してくれるのがピュアマットです。現在はピュアマット2・ピュアマット2プラスに進化して販売しています。

左が一般的なホワイトマット、右がピュアマットの拡大画面です。ホワイトマットは生地の目が揃っているのが分かります。
ビーズマットは、比較的明るい部屋で、スポーツ観戦やTV放送を少しでも明るく見るのには有効ですが、ある程度暗くして映画を見るのにはホワイトマット系のピュアマット2をお薦めします。

ビーズマットの老舗とも言えるキクチ科学研究所も、様々なシアター向けビーズマットを開発していましたが、数年前からシアター向けのホワイトマット(ホワイトマットアドバンス)を発売し、現在はホワイトマット系が全盛となっています。

スプリングローラー(手動)や電動スクリーン、どこにでも設置出来る立ち上げタイプ等各種取りそろえております。

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