この季節、紫陽花ほど水滴の似合う花はありません。今でこそ、世界各地で夏の訪れを告げるのですが、実は日本が原産地だそうです。
時は変わり時代は幕末。
当時長崎に住んでいたドイツの医師・博物学者シーボルトがを愛したのは有名な話で、妻のお滝さんの名をとってオタクサと命名し欧州に紹介したそうです。妻への思いを仕事に持込んだのが気恥ずかしかったのか、”オタクサ”の名の由来は地名だと小さな嘘をついていました。
この時期、全国各地のお寺でも見ることが出来る紫陽花ですが、実は、毎年我々が眺めている紫陽花は同じ花ではないのです。毎年咲き終わった株は刈り込み、挿し木で鉢に植え替えて2年、さらに山の斜面に移し替えて3年と、表舞台に登場するのに5年はかかるといいます。
この粘り強い努力があって初めてあの美しい紫陽花を見ることができるのです。