先日、作家の「つかこうへい」さんが亡くなり、残された遺書が公開されました。その文中の「思えば恥の多い人生でした」との一行に深みのある人柄を感じ感激しました。
日本の文化は「恥の文化」と言われます。外人には理解し辛い「恥」を感じる気持ちとは、他人への思慮を怠らないことと、自分がまだまだ至らないと内面を省みる気持ちの表れではないでしょうか?「恥」を知る謙虚さがあるからこそ、日本文化は「国際社会の中で評価が高い」のだと思います。互いに他者への配慮を怠らず、謙虚な姿勢で成長を続けること。それを目標に掲げる日本の文化は素晴らしいと思います。
しかし「恥を知る」ことは、ただひたすらに謙虚で主張しないことだとは思いません。国際社会、特に欧米では「明快な自己主張」を求められます。恥をかきたくないから、恥をかくのが怖いからと言って「自己主張」を怠れば、国際社会では認められません。もし、つかこうへいさんが「恥を恐れ主張をしない人」だったならば、彼の人生は「恥の多い人生」にはならなかったはずです。つかこうへいさんが恥を恐れず、しっかりと自己主張を続けたからこそ、彼の人生は恥が多くなった。
そう考えればつかこうへいさんの「恥」の数は、チャレンジの数と同じだったとも考えられます。人生の最後を締めくくる「遺言」として、つかこうへいさんが記した一行の言葉から彼の人としての生き様と誇りさえ伝わってきたように感じました。振り返り、自分の人生にどんな「恥」が残されているのか?これから残されるのか?自分の人生をどのように恥じるべきか?深く考えることを怠るべきではないと思いました。
さて、先週土曜日曜日に開催した銀座試聴会は、おかげさまで満員の盛況でした。ありがとうございます。試聴会に先駆けて、私自身で銀座試聴室の「音」を再チューニングしました。試聴室をマンションの一室に設けた関係で「大きな音」を出せない。部屋の大きさが限られているため部屋を狭くする吸音材の使用を最小限に留めたい。そう考え、銀座試聴室には反射を生かしたセッティングを行いました。反射が多いと音が生き生きと聞こえ心地よいのですが、良いコンサートホールだと楽器の音が良く聞こえるのと同じ原理で、すべての音が「美音」に聞こえる傾向が強くなります。そのため銀座試聴室では、私が試聴リポートを書くときに音を聞く3号館に比べ「機器を切り替えたときの音の差」が小さく感じられました。しかし、それでもご来店頂いたほとんどお客様に、試聴室の音の良さと機器の比較をご満足頂けたので胸をなで下ろしています。
もちろん悪いことばかりではありません。一般のオーディオ店の試聴室よりも、より現実に近いサイズで反射も多い銀座試聴室で聞くAIRBOW IMAGE11/KAI2+B2.27MK2の音の良さには驚かされました。逸品館の推奨する「フロントサラウンド」の実演のため、TV台の上に5本のIMAGE11/KAI2を乗せサブウーファーは部屋の後方に設置していますが、リアスピーカーの必要性を感じられないほど豊かな空間の広がりと、聞かなければ信じられないほど細やかでクリアな音を聞かせてくれます。
銀座という場所、マンションの一室という条件から、高級品を中心とした試聴室を想像されるかも知れませんが、私としては、この素晴らしい「Image11/kai2のフロントサラウンドシステム」を一人でも多くの方にご体験頂きたいと考えています。少ないスペース、少ない予算、ミニマムな設置環境から、無限に楽しい音が出る「IMAGE11/KAI2+B2.27MK2、フロントサラウンドシステム」こそ、間違いなく逸品館が最も自慢できる「逸品」だと思います。
その他の機器は、逸品館オリジナルのAIRBOW製品を中心に展示しています。AIRBOWを鳴らすスピーカーは、HPでおなじみの「お薦め品」を入れ替えてご用意しています。今週は、Focal Electra 1028Be、Vienna Acoustics BEETHOVEN-CONCERT-GRAND、Stirling Broadcast LS-3/5A、Sonus Faber Minima Vintageを聞き比べて頂けます。
この銀座試聴室ですが、平日はできれば事前にご予約をお願いし、日曜日はお休みとさせて頂きますが、毎週土曜日の12:00~18:00は営業いたします。毎週土曜日の午後は、連絡なしにご来店頂いてOKです。この夏銀座近辺にお越しの際は、お友達やご家族とお誘い合わせの上、逸品館銀座試聴室に是非遊びに来てください。心からご来店をお待ち申し上げております。
もちろん、銀座試聴室よりも遥かに設備が整い、音も良い「大阪逸品館本店」も毎日のようにパワーアップ(グレードアップ)を続けています!数ヶ月間が空くだけで、音が全然違ってしまう!そんなことは日常茶飯事?です。オーディオとシアターサウンドの未来を探しにいらっしゃいませんか?