逸品館メルマガ293「未来を開くデジタルプレーヤー、SSS-2013」

今号は先週から引き続きAIRBOW SSS-2013にまつわる新しいデジタル音源の話題です。

PC/ネットワークオーディオ関係の情報は、時代を先取りしたLINNの製品が「ネットワーク」をベースに作られていたためか、あるいはUSBという端子が「PC」にしか付いていなかったためか、従来のオーディオ機器からかけ離れた、「得体の知れない難しいもの」と感じられることが多いように思います。私自身もCD/SACDで音楽を聞くことにほとんど不満と不便を感じていなかったので、こういう「新しいもの」には、なかなか取っ付こうとしていませんでした。

CD/SACDプレーヤーは、いずれ消えゆく運命です。もちろん、完全になくなるわけではありませんがCDプレーヤーの登場で変わっていった「アナログプレーヤー」のように、将来は「高級機と普及機」に二分され、モデル数はガクンと減ることでしょう。すでにAccuphaseやLuxmanでは、発売されるCD/SACDプレーヤーはモデルが少なくなりモデルチェンジの期間も長くなっていますが、それがさらに加速するイメージです。

CD/SACDの減少にオーバラップして、PC/ネットワーク・プレーヤーが増えてきます。しかし、CD/SACDプレーヤーからPC/ネットワーク・プレーヤーへどのように移行すればよいのか?双方の音質や使い勝手はどのように違っているのか?お客様が一番気がかりでお悩みの情報が少なすぎると思います。そこで現在、PC/ネットワーク・プレーヤーと今お使いのCD/SACDプレーヤーの関係についてのHPをまとめています。今号では前半の核心部分を掲載いたします。

————————————————————————

・PCプレーヤーとネットワークプレーヤーの違い(デジタル出力)
PCベースのデジタルトランスポーター「AIRBOW SSS-2013」は、USB/HDMI/LANの3種類のデジタル音声出力が可能ですが、まずそれぞれの違いについて説明します。

・USB/HDMI出力
SSS-2013と再生機(クライアントと呼びます)を1対1もしくは1対多で接続できます。CDトランスポーターとDACの接続と同じ感覚です。SSS-2013でUSB/HDMI接続をお使いの場合、同時に複数の機器にデジタル出力できませんが、複数の機器に音声をデジタル出力する場合、同じ音が同時に出力されます。また、PCからUSB/HDMIでデジタル出力する場合には、音楽ファイル再生用の「プレーヤーソフト」が必要です。プレーヤーソフトは、記憶装置に収録された音楽ファイルをオーディオ機器に対応する「デジタルデーター形式」に変換する作業のために必要です。出力される方式は、PCのハードウェアに依存し(多くはUSB出力)、出力可能な音楽ファイル形式はプレーヤーソフトに依存します。プレーヤーソフトはシャッフルやリピート、プレイリストの作成など様々な機能を持っていますから、記憶装置に収録した音楽ファイルを自由自在に再生できます。

・LAN(ネットワーク)出力
SSS-2013をLANに繋げば、LANに接続される複数の再生機(クライアント)で保存している音楽ファイルを共有・再生できます。この場合、音楽データーは「ストリーミング」と言う形で配信され、同時に接続される複数の再生機(クライアント)に「違う音声を出力」できます。これは、すでにYouTubeやUstreamで音声/映像データーを共有するのと同じ方式です。
LAN接続されたSSS-2013のLAN接続は、再生機(クライアント)側からの要求に応じ必要なデーターを配信しますが、ストリーミングを行うには、PC側に「プレーヤーソフト」は必要ではありません。必要なのは再生機(クライアント)からのデーター送信要求に応じて記憶装置に収録した音楽ファイルをLAN形式で出力するためのプログラムです。ストリーミングではPCは単純にデーターを配信するだけなので、音楽(静止画・動画)ファイルの形式にかかわらず、すべてを出力可能です(DSDもネイティブで出力できます)。配信されたデータ-(ファイル)再生の可否は、再生機(クライアント)側の対応・非対応になります。また、再生機側にPCにインストールされるプレーヤーソフトと同様の機能が搭載されていれば、フォルダーの境界を超えた音楽ファイルのランダム再生やプレイリストによる再生が可能です。

ネットワークという名称が入るためか、最初にお話ししたようにLINN DSがLAN接続を基本にしていたためか、PC/ネットワークプレーヤーの世界ではネットワーク接続がメインのように考えられがちです。しかし、PCをUSB/HDMIでDACと接続すれば、PCは限りなく「デジタル・トランスポーター」に近い動作をしますPCと機器を「一対一」で接続する使い方が、従来のでパレートデジタル機器に最も近く受け入れやすいと思います。

・PCプレーヤーとネットワークプレーヤーの違い(デジタル規格)
・USB/HDMI出力
USBやHDMIで出力されるのは「フォーマット化されたデジタルデーター」です。CDという規格で作られたディスクがCDプレーヤーというハードウェアなら再生できるように、USB/HDMIで出力されるデーターは再生機が対応していれば再生が可能です。デジタル出力をモールス信号を例に上げて説明するなら、単音と長音を組み合わせるというデーター伝送の形が「フォーマット」に相当します。パソコン通信では単音と長音ではなく、電圧がゼロかそうでないかをデーター伝送に使いますが、決められた形に従ってデジタルデーターを「ゼロ(単音)」と「ゼロでない電圧(長音)」に置き換えて通信するのはモールス信号と同じです。この通信で守らなければならないのは「データー伝送の形だけ」なので、送り側と受け側の機器がハードウェアー的(ドライバーソフトを含む)に対応していればデーターの送受信は可能です。

・LAN(ネットワーク)出力
これに対しLANという接続方法は少し違っています。LANが定めるのは、フォーマットではなくプロトコルです。モールス信号では、単音と長音を組み合わせることで「アルファベット」を伝えられます。このアルファベットに相当するのが「プロトコル」です。つまり、ネットワーク通信はハードウェアー的規格を超え、「言語」に近くなります。「信号」を「言語」に置き換えるためには、翻訳ソフトが必要です。その「言語と翻訳のルール」を家電機器の接続で決めたのが「DLNA(Digital Living Network Alliance)という規格です。DLNAに対応する機器であれば、基本的に接続は可能ですが、プロトコルには「固有の命令(方言)」が存在するため、DLNAに対応する機器同士を繋いでも動作しないことがあります。つまり、「基本的な言語による通信(最低限の接続と動作)」は、DLNA規格に準拠しているかぎり保証されますが、「メーカーが独自に拡張した言語」まで含んだ完全な動作は保証されないのが現状です。時々「他メーカーの製品とDLNA接続したが完全に動作しない」というクレームが生じますが、これは故障ではなく仕様なので無償では解決できません。SSS-2013の場合、AIRBOW機器同士と対応を保証している機器(メーカーホームページに記載)なら完全な動作が保証されています。

————————————————————————

私達が使っているCD/SACDプレーヤーはディスク読み取りメカニズムとDACから構成されています。将来的にディスク読み取りメカニズムはなくなるか、あるいは必要性が大きく低下します。なぜならば、音楽はディスクではなく「データー」として提供されるようになるからです。そうすると必要になるのがディスク読み取りメカニズムにかわる「デジタルデーター読み取り装置」です。現在は、この部分に「PC」を使うか、あるいは「NASやサーバー」を使うかに分かれています。

「NASやサーバー」よりも「PC」は接続がより簡単で使い方にも優れています。しかし、これまではいくら頑張っても「PC」の音質が高級CDプレーヤーに届くことはありませんでした。そこで音楽再生専用OSを搭載したAIRBOW SSS-2013の登場です。i-CATが開発に成功したこの画期的なOSは、PC/ネットワーク・プレーヤーの音質を一気に高級オーディオ同等に押し上げました。また、Linuxを弄った方ならおわかりになると思いますが、情報が豊富で比較的確実に得られるWindowsと違って、Linuxの情報は非常に少なく、また環境に依存する情報がほとんどでLinuxで音を出してプレーヤーをスムースに動かすことさえ困難です。

しかし、AIRBOW SSS-2013は音質に特化し安定して動作するLinuxを搭載した上で、さらに音楽再生に必要なソフトまで標準搭載しています。購入後は、SSS-2013にネットワーク経由で音源データーを転送するだけです。使い込めば使い込むほど、この製品が未来を先取りした製品であることが伝わると思います。

掲示板でのご質問にもお答えしましたが、AIRBOW SA11S3/UltimateにセットしたCDを聞く時の音質と、SSS-2013とSA11S3/UltimateをUSB接続して取り込んだCDデーターを再生して得られる音質はほぼ同等です。つまり、CDを使わなくてもCDと同じ音質がSSS-2013なら実現するのです。
http://www4.rocketbbs.com/741/bbs.cgi?id=ippinkan&mode=res&no=12435

外部クロック入力を持つデジタル機器が、適切なクロック・ジェネレーターとの接続でその音質が飛躍的に高まるように、SSS-2013は接続するDACの音質を飛躍的に高めます。

私はSSS-2013をインターネットに接続し、USB出力でインターネットラジオを聞いていますが、下手なCDプレーヤーなど足下にも寄せ付けないその高音質に十分満足しています。デジタルオーディオは、今年SSS-2013の発売で確実に一歩進歩を遂げたと思います。
http://www.ippinkan.co.jp/airbow/product/others/sss_2013.html

カテゴリー: メルマガ, 社長のうんちく パーマリンク