皆さん、こんにちわ。テンです。
通勤途上で遭遇する人々の行動を通して、
現代の日本人像を鋭くリポートする「通勤電車小咄」(笑)。
感動あり、笑いありの珠玉のお題をお楽しみ下さいませ。
[其の一]
朝から酔っ払っているのか、具合が悪いのか、
駅のホームをふらふらと歩いていた、若干ホームレス気味のオジサン。
どうにも危なっかしく、段々と体がホームの端に寄っていくじゃありませんか。
そこに次の電車が入って来て・・・・
乗り降りの安全確認に立っていた若い駅員さんが
足早にオジサンに近づきなから、
「危ないですよ」
「危ないですよ !」
「危ないっ!!!」と言うが早いか、
まるで自衛隊の救出劇のごとく、
背後からオジサンを抱きかかえ、
自分の体をマット代わりにしてコンクリートのホームに転がりました。
あっちゃー、あれは駅員さんは結構、打ち身してますね。
オジサンは間一髪、袖が電車に触れたくらいで無事。
あの若い駅員さん、
とっさに他人がケガしないよう、自分を捨てたところが実に
かっこええ~ !! 男前~ !!
嫁が見ていたら惚れ直してますよ !!
[其のニ]
発車間際の電車に乗って来られた老夫婦。
すかさず席を譲った、真面目そうな青年に礼を言って、
奥様を座らせ、ご主人は立っておられました。
・・と、ここまでは、まあよく見かける光景ですよね。
しかし話はこれからです。
爽やか青年の隣に座っていた、
ごっつい厚化粧プラス、露出バリバリの服を着て、
サンドイッチを齧っていたアホそうな小娘が、
ぱっと席を立ち、老紳士に向かって優しく、
「どうぞ」
その瞬間、車内に漂った形容しがたい空気を何と言えばいいのでしょうか(笑)
おそらく、
[ナリはアホやけど、心根はマトモやったんやー] だの
[気持ちいいもモン✖2 見たなー] だの
[日本もまだまだ大丈夫や] だの、
乗り合わせた乗客に
「明日を信じる気持ち」を
与えたお嬢様でした。
[其の三]
休日、3歳くらいの女の子を連れてお出かけのパパとママ。
次の駅で乗ってきた見知らぬオバサマが、
ママの隣に座り、女の子にかまい始めました。
「いくちゅ?」 「どこ行くの?」
引き気味だったママも饒舌なオバサマに付き合わされて、
2駅も過ぎる頃にはまるで若夫婦に姑?みたいな雰囲気に。
最初、はにかんでいた女の子も慣れたのか、
オバサマにあれこれ話しかけていたのですが、
終点近くになって爆弾発言が ・・。
「あのねー、昨日ママ、パパと喧嘩してん。すごい怒ってた」
絶句するママ、パパ、赤の他人のオバサマ。
半径2mに居た乗客は全員、心の中で
大爆笑していたと思います。
いやー、真実は小説より奇なり。
電車って楽しいですよね。