逸品館メルマガ342「2015年1月16日号」

古くからのお客様ならご存じでいらっしゃると思いますが、今でこそ「オーディオ専門店」として知られている逸品館ですが、開業当初は、中古・新品にかかわらず「安く仕入れられる商品」は何でも置いていました。時計貴金属・革ジャンパーなどの販売も手がけました。

当時は店員も私しかいなかったので、複数のお客様が来店されたとき説明不足にならないよう「Pop」を詳しく書きました。その当時のアイデアをそのまま発展させると、「ドンキホーテ」のような形になったはずです。

次に学生時代の中古カメラ屋」でのアルバイト経験を生かし、全国でいち早く「ビデオカメラの下取り交換」を開始しました。当時の電気店では「下取り」という形式がなく、下取りができるカメラ店では「ビデオ」を扱っていなかったからです。

この「下取り交換」というシステムを雑誌で一番最初に「下取り表」として日本で一番早く雑誌広告に取り入れたことで、「逸品館」はビデオの下取り交換ができるお店として業績を伸ばしました。

けれどその黎明期には「こだわり」が生かせた「ビデオカメラ」も進歩するに従って個性が薄れ「専門店」として扱うにはありきたりの商品になりつつありました。特殊性が薄れた商品を売るには「数」が勝負です。けれど「数」を売るには「販売の質」を落とさねばなりません。この時に、逸品館は「カメラ店」のような「大量販売店」になるか、規模を拡大せずに「専門店を継続するか」の選択に迫られます。

けれど販売を拡大するため「何でも売る」というのは、「自分が良くない」と感じる商品も売らなければならなくなります。それは設立時の「セレクトショップ(お客様に納得を売る)」という目標を捨てなければなりません。悩んだ結果、「ビデオを捨ててより専門的な商品」を探すことにしました。

候補として残ったのは「宝石類」、「衣類」、「食品」などの嗜好性の高い商品ですが、どれもこれも「家電品」ではありません。そこに浮かび上がったのが「オーディオ」。「家電品」でありながら、オーディオは嗜好性が飛び抜けて高い商品です。この時に「オーディオ専門店逸品館」が生まれました。

設立当初から変わらない逸品館のポリシーは、「正しい情報を提供すること」です。お客様が購入なさった商品が求めていたものであるかどうか?それはとても大切なことだからです。平成元年の設立から、早くも25年以上の月日が流れ、逸品館は良きお客様に恵まれ続けています。

けれど社歴を重ねるごとにお客様も同じように年齢を重ねられます。これからの逸品館の課題は「世代を超えるて大切にしている志を伝える」こと。世代を超えて「大阪商人の心(がめつさではなく、親切さ)」を伝えられればと感じています。

ビジネスとして利益を追求することは、継続のために絶対です。けれど「本当に大切なもの」はお金だけではないはずです。時代と共に「変わるもの」。時代が変わっても「変わらないもの。世代が変わっても「変わってはならないもの」。オーディオ販売を通じる繋がりの中で生まれる「何か」を今までも、そしてこれからはより一層大切にしたいと考えています。

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