逸品館メルマガ343「2015年2月6日号」

逸品館は、高級オーディオ専門店です。規模の大小にかかわらず、販売店には売り上げと利益の増進が求められます。最近ではテレビに変わる商品を求めて、カメラ屋や家電量販店がオーディオに参入し「価格競争」がさらに激しくなっています。しかし、も「消耗品」ではないオーディオ機器を価格に任せて乱売するのは長期的に見ると逆効果です。

購入という行為が生み出す満足は実に儚く、短ければ数日、長くても数ヶ月は続きません。けれど新製品が矢継ぎ早に発売され、購入した直後から価格がさらに下がる。頑張って購入したはずの商品が、心ない価格でたたき売られるのを見ると悲しくなると思います。

お客様の「射幸心」を煽ることで短期的には売り上げは増進するでしょう。目先に価格をぶら下げて、不要なものを衝動買いさせる。そんな販売方法で果たしてお客様は、本当に幸せになるのでしょうか?今の消費は、過度にお客様を不幸にすることで成り立っていないでしょうか?

販売することは、お客様と関わりを持つことです。その関わりが暖かく、優しいものであればあるほど、人は互いに深い幸福感を得られます。けれど最近の消費は、「目先の欲望を満たす事ばかり」が優先され、深いところにある大切なものが忘れられているように思います。

逸品館もこれまでコストと手間暇をかけて「良い製品」を掘り出して自社のHPで宣伝を開始して、やっと認知が高まり売れ始めた途端に量販店やネットショップなどから「安売り」を仕掛けられ、「ブランドごとつぶされてしまった」ことが多々あります。今も逸品館が発信する「情報」によって他店での販売量が変わると聞いています。

価格や地の利で購入店を選ぶお客様を責めることはできませんが、頑張った結果が戻らないことに疲れ果て、お客様への積極的なオーディオの楽しみの提供を怠っていないだろうか?どうせダメと諦めていないだろうか?インフルエンザによる「強制休養」で、気持ちがすこしリセットされました。

趣味製品の購入で一番大切なのは、「求める製品との出会い」です。購入の達成感に消費(使いこなす)という継続的な喜びが加わることで、製品は代価以上の輝きを持つようになります。お客様と販売店スタッフでその喜びを分かち合うことができれば、幸せはさらに深まります。

あまりにも短期的な消費を優先するあまり、様々な高級品が異常に値上がりしています。こんな時代に「価格」という価値観のみで満足を得ようとすれば、予算は際限なく膨張します。音楽をより良い音で楽しむための方法は、より高価な製品を購入することだけではありません。オーディオ機器は「組み合わせのバランス」をきちんとご提案することで、価格の10倍の音質を発揮する不思議な機械です。そして、使いこなせれば、使いこなせるほど、音質はどんどん良くなります。逸品館はこれからも「価格を超えた感動」を感じていただける、オーディオ製品をしっかりとお薦めして行ける、そういう専門店でありたいと考えています。

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