投稿者「逸品館代表 清原裕介」のアーカイブ

逸品館メルマガ341「2015年1月9日号」

皆さま、明けましておめでとうございます。今年は「羊」の年。本年もどうぞよろしくお願いいたします。 オーディオ機器と「羊」は無関係なようですが、実は「羊」はオーディオや楽器になくてはならないのです。 オーディオ機器から発生する音を消さずに、そのままにしておくと「音割れや音濁り」の原因になってしまいます。けれど必要以上に消してしまうと「躍動感」が殺がれます。重要なのは「良い音を残し悪い音を消す」ことですが、この仕事に「羊毛」が最適なのです。 吸音の原理は、音を熱に変換して消す事です。吸音材に使われる「細い繊維」は、音を受けて振動(共振)し互いに擦れ合います。この時の摩擦で音が熱に変換され、吸音されるのです。けれど、繊維が振動する時には「互いにふれあう音」が必ず生まれます。この「繊維がふれあう音(繊維が振動して発生する音)」小さな音の「質」が私達が聞く音に大きな影響を与えます。 例えば吸音材に使われる繊維が金属であれば、「金属質な響き」が音に乗ります。ビニール系の素材であれば「樹脂臭い響き」がやはり音に乗ります。吸音する(音が当たる)素材に触れたとき「聞こえる音が再生音にそのまま乗る」のです(これは吸音材だけではなく、壁の表面(壁紙など)にも同じ事が当てはまります)。 そのため吸音材や壁紙など音に触れる部分の素材が発生する響きが不愉快であれば、聞こえる音が悪くなります。段ボールなどの「低密度でがさがさする音」の素材で吸音すると音の密度が低下し、リスニングルームの響きがざわついた質の悪いものになります。綿など「高音を強く吸収する素材」は、高音のプレゼンス(メリハリや輝き)を損ないやすいので、カーテンの素材選びなどには注意が必要です。 この点「羊毛」や「絹」は、理想的な吸音を行います。それは「素材自体の強度が高い」ことと「表面がざらざらしている(表面が鱗状になっている)」からです。表面が鱗状になっていることで羊毛は、「特定の響き」を発生しにくく、素材が硬いことで「高域のメリハリや躍動感」を殺ぐことがないからです。 「羊毛」は、高級スピーカー内部の吸音材として利用されています。洋物の毛皮「ムートン」はリスニングルームの響きを整えるために最適な素材なのです。 「羊毛(フェルト)」はピアノのなど楽器にも、最適な吸音材として広く使われています。現在は耐久性に優れるナイロンが広く使われていますが、弦楽器の「ガット弦」も昔は「羊の腸」から作られました。 音楽とオーディオに深く結びついている「羊」。未年の今年は、より深く良い音で音楽を聞いてみませんか? 今日から3日間、大阪今宮戎で「えべっさん」が開催されます。この期間中、運送便の集荷が早くなるため、即日発送の締め切りを若干早めさせていただきます。景気の神様「えべっさん」にお越しの時は、逸品館お薦めの「屋台」を是非味わってください。母親の実家が、むかし「イカ焼き」を売っていましたが、お薦め屋台の「イカ焼き」は当時の味そのままです。「イカ焼き」は梅田阪神百貨店が有名ですが、この屋台で味わえる「イカ焼き」が本来の大阪の味です。阪神の10倍?美味しいです。 詳しい場所は、こちらのブログからご覧いただけます。 ... 続きを読む

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逸品館メルマガ340「2014年12月26日号」

私達の業界、また高級な贅沢品を扱う販売業は、激動の一年でした。消費前アップ前の駆け込み需要、消費税アップ後の買い控えムード。その差があまりにも極端で対応にてんやわんやです。 最近の「ムードの変化の二極化」は、マスコミの巨大化が関係しています。今回の総選挙では、自民党が大勝しましたが、現実には円安によるインフレ、少子化問題、年金問題など、解決しなければいけない将来の問題を抱えていることに変わりはなく、先行きの不安感が消えません。 そして、その「不安感」を必要以上に煽るのが、マスコミです。一秒先の予測すら立てられないのが人間です。それなのに一向に当たらない「地震予想」のような(地震予想など科学でも何でもなく、ただのデマです!)不確実極まりない情報を垂れ流して、いたずらに不安を煽って「注目」を集めるのが最近のマスコミの悪あがき。明るいニュースよりも人の驚きを煽るニュースの方が注目されるからと言って、そんなニュースばかり流すのは、報道のあり方として明らかに間違ってると私は思います。 コスト、スピードの観点から、否応なしに情報流通の主役は、紙媒体、電波媒体から「Web」に変わってゆきます。けれど悪いことに「Web」で情報はさらに「使い捨て」られています。与えられた情報を咀嚼し、正解にたどり着く前に、新たな情報に飲み込まれる。人間にとって、すごく不自然で、不愉快なことです。 そんな一年ですが、暗いニュースばかりではありません。確かに先行きの不安感はあるのですが、現実に目をやれば物質は豊かになって便利さはどんどん増しています。 しかし高級品はさらなる高級化を続け、ちょっとした贅沢のその上が「ものすごい贅沢」になっています。近年オーディオシステムも、あまりにも高額化しすぎ会社員では手が届かないほどの価格帯に上がってしまいました。 けれど技術の進歩により高性能低価格化が著しいのは一般電化製品だけではありません。オーディオ製品もその恩恵を受けています。ただ、高音質を実現するためのオーディオ用パーツが枯渇しつつあり、少しでも高音質を実現しようとすれば、高価な専用品を開発しなければならず、その結果としての高価格化が避けられないのも事実。けれど、ほんの少し「頭」を使えば、従来よりも安く高音質な製品も作れます。それは、スピーカーや真空管アンプに集中します。 逸品館は「音楽は平等」という原点に立ち戻り、疎かにしたつもりはないのですが、私自身の手がたりず疎かになっていた「安くて旨い低価格オーディオ」の情報発信を強化します。コストの下がった情報発信を利用し、これらの製品は「実際の音」を知って欲しく、高音質付き動画を利用したいと思います。 第一弾は、Audiopro... 続きを読む

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逸品館メルマガ339「2014年12月12日号」

メディアや政府関係は、少子化、若者に元気がない、男子の草食化、などと今の若者達を嘆きますが、それは1000兆円を上回る借金を抱えながら、経費削減どころか浪費を続け、次世代を担う若者達の明るい未来を省みない政治が原因です。 暮らしていても、明るい未来が見えない。そんな重苦しさの中で、刹那的な快楽(携帯ゲームもその一つ)に身を任せるしかないのが、今の若者達だとしたら、それはあまりにもかわいそうすぎます。けれど、それは私達の世代が解決しなければいけない問題。若者達が元気に笑って暮らせる国にするために!総選挙は、明後日14日です。是非、清き一票を投じましょう。 逸品館では、イヤホン離れが始まっている今の若者達に向けてお小遣いを貯めて購入できる価格帯の良質な商品や、一人の空間でめいっぱい音楽を楽しめるパーソナルな製品の情報発信と開発を強化しています。現在最も廉価で良質なオーディオシステムとしてお薦めしているのが、Tannoyのアンプ内蔵スピーカーReveal... 続きを読む

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逸品館メルマガ338「2014年11月21日号」

「政治と宗教、スポーツの話はもめごとの元だからするな」と言われています。このメルマガでも何度かそういう話題を取り上げましたが、あまり相応しくないと考え、最近は控えています。 けれどWEBで「朝日新聞社を国益に反する報道を行ったと叩くのはおかしい。そもそも国益に反する報道をするなと言うことは、報道の平等性を損ねる根本的な問題だ」と言う意見を見ました。「正しい記事を書け、公平な観点から記事を書け」と言うのが正しい主張なので、これは正当な意見だと思います。 WEBが発達してから「クレーマー」の力が強くなりすぎているのは問題だと思います。無記名で言いたいことを言い、書きたいことを書く。それを規制する必要はないと思いますが、そもそも「私憤を晴らすためのクレーム」を大きく取り上げるのが間違いだと思うのです。それらのクレームのほとんどは、「誰かをやっつけたい」ためだけの「非建設的な意見」が多いように思います。どこかの市長の最近の言動を見ていると、ただ言いたいことを言いたいだけなのか、心から大阪を良くしたいと考えているのか疑問に感じることがあります。 討論、議論、とは「より良い結論」を導き出すための話し合いであって「相手の揚げ足をとり続けること」ではないはずです。でも、国会答弁は?こんなことばかりしてるから、一向に日本が明るくならないのだと思うのです。微力ながら日本を良くするために、何かをしたいとは考えているのですが、一向に何もすることができません。それより、毎日の生活に追われる有様です。こんなことをするために、生まれてきたわけではないのに。情けないけど、頑張ることはあきらめいでおこうと思います。 とりあえず、来月14日は選挙です。マスコミには、自分たちの「人気取り=儲け」になりそうな報道だけを垂れ流すのは止めろと言いたいです。ページビューを稼ぐためだけの、中身のない報道には気をつけましょう。 ... 続きを読む

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逸品館メルマガ337「2014年11月14日号」

インターネットが普及する前、例えば15年~20年前は、大企業が新しいハードウェアを開発し、それを売り込めば市場が形成されました。ビデオを例にあげるなら、何もないところに生まれた「VHS」や「ベータマックス」から始まって、その後に登場した「8mmビデオ」、「VHS-C」、そして「DVテープ」へと、ハードウェアが小型化するたびに、新しいハードウェアは爆発的に売れ、企業に利益をもたらしました。 けれど、ビデオの記録方式が「データーカード」になったと同時に、ビデオカメラの価格と売り上げは激減します。大型テレビも同じです。ブラウン管から薄型テレビ、そして大画面、地上波デジタル放送。ここまでは順調でした。けれど、3D放送は頓挫し、4Kも立ち上がらないでしょう。すでに「ハードウェア主導」のビジネスモデルは崩壊しているのに、それに追従しない企業が「赤字を垂れ流して」います。そういう企業には、たぶん「古いビジネスモデルを固持する経営陣」がいるはずです。 高級家電業界が抱える問題はこれだけではありません。「広告」にも問題があります。カタログ「スペック」や「新技術」を誇示し、数字がより小さい(数値的に優れている方向)への誘導。これも限界です。確かに、ビデオカメラが1kgから100グラムに小さくなると大きな変化だと思います。けれど、100グラムが10グラムに変わるのはそれほど意味がありません。製品性能は、あるところまで消費と性能が比例します。けれど。ある一線を越えると性能の向上に消費が追従しなくなります。にもかかわらず、延々と「スペック」を誇示したところで、先は見えています。 東京の一極集中でそれなりに賑わう東京に比べ、大阪に以前の活気はありません。だからそこよけいに「時代の流れ」を身体で感じるのだと思います。言うまでもなく、私達の業界も変わらなければなりませんが、業界の中でもオーディオ業界は特にそれが遅れているように思うのです。今年のハイエンドショウ東京は告知不足もあり、思うような集客が得られませんでした。 それに対して「オーディオ ホームシアター展(音展)」は、2万人以上の来場者で賑わったようです。けれど、オーディオ(良い音で音楽を聞く趣味)は、こんなものじゃないと常々考えています。音楽を聞く機会は、すべての人たちの間で以前よりも増えているからです。逸品館は、オーディオと音楽ファンの関係を今よりももっとカジュアルにしたいと考えています。 ... 続きを読む

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