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女子部はみんなFF派!ファイナルファンタジーXIII
「メルマガ」カテゴリーアーカイブ
逸品館メルマガ078「ヨーロッパとアジアの違い」
月曜日の夜遅く、9日間のヨーロッパ研修から戻ってきました。現地からリアルタイムで4月1日少し前より開始した「逸品館のブログ」へログをアップロードする予定でしたが、ドイツとイタリアのホテルにインターネットの接続環境がなく、初日と2日目に滞在したスエーデンを除いて日本に帰ってからのアップロードとなってしまいました。 ヨーロッパ旅行記は、本日までに約2/3の日程をアップロードしています。その他、スタッフからのお役立ち情報や四方山話などを交えながら日々更新しております。よろしければご笑覧下さいませ。 ○ブログを全部読む http://www.soundweb-asia.com/b2evolution/ ○ヨーロッパ研修記のみ読む http://www.soundweb-asia.com/b2evolution/?cat=9 ○また、このブログには投稿記事の採点機能が備わっています。今後のブログ製作 の参考にしたいと思いますのでご投票いただければ幸甚です。 http://www.soundweb-asia.com/b2evolution/?page_id=74 各国2日という短い滞在期間の中でも日本とヨーロッパの文化の違いは、ハッキリと感じ取れたように思います。今回のメルマガでは私が感じたそれぞれの国(それぞれの国の滞在した地域)の印象を書いてみます。ただこの印象は非常に狭いエリアの中で私が感じた印象なので、必ずしもその国の文化を正しく伝えているわけではありません。その国を理解しようと思えばその国の住民にならなければ、本当のことはわからないでしょう。 スエーデン(ゴーテンブルグ/イエテボリ)は、日本で言うと北海道と軽井沢?が融合したようなイメージです。北国のしめった感じや針葉樹を中心とした植物体系は、気温が低い地域特有のものです。スエーデンを含め今回訪れたヨーロッパの地域は、ほとんどが清潔で整理された印象が強かったのですが、それがよりスエーデンの整理されたさっぱりとした美しさを際だたせているように感じました。逸品館のホームページに代表されるような(申し訳ありません)ゴチャゴチャしたアジアの街とは好対照でした。 スエーデンは、福祉が行き届いているためか、人々は優雅で物腰が柔らかくみな親切です。アジア人種のようにざわついたところは微塵も感じません。スエーデンでは、母国語以外に英語を必ず学ぶので誰にでも英語が通じるのも安心感に繋がったのだと思いますが、治安も良くとても居心地が良かったです。空気と魚がとても美味しかったです。 続いて訪れたドイツ(ベルリン)は、観光のメッカらしく各国から多くの人が観光に訪れ大型観光バスが沢山止まっていました。ブランデンブルグ門やベルリーナ大聖堂など建物はすべて大きく、それが何でも世界一になりたがる?ドイツ人気質を象徴しているように感じました。訪れたブルメスター社の営業マンは驚くほどアグレッシブで、そのごつい身体と食事と酒の量の多さに!本当に「この人たちなら24時間戦えるな!」という印象を強く持ちました。 一般に規則を守るというのがドイツ人気質と言われます。確かにそれはそのようなのですが、彼らは本音と建て前を見事に使い分けられるように感じました。EMTを代表とするドイツのオーディオ製品を聞いて「ドイツの音は、意外にとても色っぽい」と感じていたのですが、実際に彼らの会ってみて「明け透けのスケベ~」がイタリア人なら、ドイツ人は間違いなく「むっつりスケベ~」だと思いました。表も裏も?何事に対しても積極的でプライドの高いな彼らの製品が、世界を席巻する理由がわかったような気がしました。 最後に訪れたイタリア(ヴィチェンツァ... 続きを読む
逸品館メルマガ077「太陽の塔」
皆様こんにちは。逸品館の近くには、お寺が沢山あって3月21日のお彼岸は、多くの人手で賑わいます。誰でも知っている「お彼岸」ですが、その語彙はご存じでいらっしゃいますか?私たちが住んでいる煩悩に満ちた世界「此岸(しがん)」に対して、煩悩を脱し悟りを開いた境地が「彼岸(ひがん)」だそうです。この「彼岸」の季節に行われる仏事が「彼岸会(ひがんえ)」で春分・秋分を中日とし、前後各3日を合わせた7日間行われます。暑さ寒さも彼岸まで。春と言うには暖かく初夏の風すら感じるこの季節。AVライフを明るく楽しみましょう! 今日の話題は、「オーディオの未来」です。メディアは、盛んにオーディオ復活と騒いでいますが、それはいつもの「彼らなりの煽り」で実際のオーディオ市場は年々縮小傾向にあります。特に高額品(10万円以上~)のクラスでその傾向が強く、AKAI、AIWA、NAKAMICHI、SANSUIを始めとして、泡沫のように現れては消える海外メーカーなど一世を風靡しながらすでに市場からは消えてしまったメーカーを挙げれば枚挙に暇がないほどです。この傾向はこれからも続いて、ついにはオーディオという文化が時代の中に消えてしまうのでしょうか?(逸品館のオーディオの売り上げは、毎年少しずつ伸びているのでご安心下さい。)では、その未来を私なりに予想したいと思います。 近未来のオーディオ像として高級オーディオ・メーカー”LINN”が他社に先駆けて発売したのが、超高級ネットワーク対応デジタルプレーヤー「DSシリーズ」です。この製品は、ディスクプレーヤー部を持たずネットワークを介して取り込んだ「ミュージックデーター」をHDD(ハードディスク)に取り込みそれを再生するという今までになくパソコンに近い構成になっているオーディオ製品です。i-podの大型/高級品と言えばわかりやすいかも知れません。この製品の発売に伴い、今後LINNはCDプレーヤー(ディスクプレーヤー)の開発を打ち切ると発表しています。LINNの描く未来のオーディオ像にCDは存在せず、彼らは音楽ソフトは、すべて、ネットワークに吸収されてしまうと考えているようです。果たしてそうなるでしょうか?確かにその考えは一理あると思います。しかし私の考えは、違っています。 最近、逸品館の掲示板で同じタイトルのソフトなら「CDを買うか?レコードを買うか?」どちらにすればいいだろうか?というご質問を受け、即座に「私なら両方買う」と答えました。今私の手元には、サザン・オールスターズ”KillerStreet”のCD、DVD、レコード!の3種類のソフトがあります。最近のJ-POPでレコードが発売されているのも意外でしたが、2枚組で¥5,800(税込)という価格もまた驚きでした。 Amazonから見たこともないような大きな箱が届き、封を切ると中から美しいジャケットのレコードが現れました。実は、そのレコードは聞いていません。立派な姿を見てしまったら!封を切るのが惜しくなったからです。そのジャケットの印刷を見ているだけで、その中にサザンの曲がレコードで入っていると想像するだけで、なんだか楽しい気持ちになれます。購入したときの「嬉しい気持ち」、「ワクワク感」は、残念ながらネットで音楽データーをダウンロードしても味わえません。音楽を楽しむ方法は、音を出すことだけではないのです。 旧来のレコードマニアは、聞くためのものと保存するためのものと2枚のレコードを買ったと聞きます。レコードから、今は亡き五味康助(ごみやすすけ)氏を思い出して、氏の著書である「五味オーディオ教室」を久しぶりに本棚から出して目を通してみました。 するとどうでしょう?そこには、最近のメルマガで私が盛んに「話題」にしている脳による補完の問題や中低音の重要性について、五味氏なりの切り口で明快に記述されていたではありませんか!この本を私は過去に読んだはずなのに、一体何を覚えていて、何を忘れていたのでしょう?自分自身の不勉強さに思わず一人赤面してしまいました。今も昔も、音楽の楽しみ方、オーディオとの付き合い方は何一つ変わっていないことを思い知らされました。家に持って帰って、この本をもう一度ゆっくり読んでみようと思います。 さて、話は変わりますが世界を代表する日本人の芸術家、岡本太郎氏を皆様もご存じだと思います。大阪の万博公園には、氏の代表的な作品である「太陽の塔」があります。私は、小学生の頃大阪万博でこの「太陽の塔」を見ましたが、何の感慨もなく「けったいなものをつくるひとがいるんだ~」と子供ながらに感じたことだけをハッキリと覚えています。それとなぜか金色の「太陽の塔の顔」が、やたらとキラキラ輝いていたことも印象的に残っています。 最近、この岡本太郎さんが亡くなられたことを切っ掛けとしてインターネットなどのメディアが彼の作品を取りあげ始めました。カラー映像や解説を交えながら紹介された彼の作品は、当時の私には見えなかったすごい輝きを放っていました。この年になって始めて彼の作品の素晴らしさに気付いたのです。あの圧倒的なエネルギー!圧倒的な生命力!時を超越する情熱。なんて素晴らしい作品なのでしょう。なんて熱い深い愛情に溢れた作品なのでしょう。 そのニュースに触れたことで、私の中で深い眠りについていた「太陽の塔」が目覚めました。突然目の前に小学生の私が見た「太陽の塔」の輝きがひときわ鮮やかに蘇り、内側から私を照らし始めたのです。その時私は、ああこれが芸術の力!人間の情熱の力なのだ!と確信しました。どんなに深く記憶の奥底に眠っていても、本物は決して色あせることはないのです。オーディオを通じ、音楽に深く触れ、人生経験を積んだことで、今やっとそれを輝かせることができるようになれたのです。 今、私はZINGALIやELIPSA、そしてSINFINIA、AMPZILLAという「イタリア製オーディオ」に太陽の塔と同じ溢れるほどの生命エネルギーを感じています。しかしそれは、それらの製品が優れているだけでなく、私の中の「何か」が変わったことも影響しているのかも知れません。「此岸」=「彼岸」ではありませんが、オーディオ的な某脳から少し脱して、より深く音楽を感じることができるようになってきたのかも知れません。 再び五味康助氏の話に戻りますが、彼は著書の中の小見出しにこう記しています。「音色を作り出すのは器械ではなく、聴く人の音楽的教養に裏付けられた”生活”である」と。その通りです。「五味オーディオ教室」は、そのほかにも「オーディオの問題点」そして「オーディオの未来」が実に正確に予言されています。 LINNのDSシリーズの存在は、インターネットと同じだと私は思います。データーストリームに載せて広く速く発信された音楽を聞いて感動できるという意味では大きな価値があるでしょう、しかし、音楽をもっと深く知りたい、それらを所有したい、という計り知れない人間の欲望を満たしてくれません。翻ってレコードはどうでしょう?CDは?DVDは?確かにCD/DVDには、レコードほどの圧倒的な存在感はありません。しかし、それでもインターネット上の架空のデーターとは違って、ジャケットを見て同封された冊子を読めば、それは人間の五感にもっと深く触れてきます。単なるデーターでは、なし得ないことがあるのです。 私は、インターネットを否定したいわけではありません。岡本太郎氏の偉大さを私に気付かせてくれたのは、他でもないインターネットだからです。しかし、インターネットで得られる「感動」は、太陽の塔から得られるほどの深さはありません。インターネットの情報は、量は多いけれど質はまだまだです。人間は、五感で世界を感じながら生きている動物です。それは、たった数十年で変わることではありません。私が今、もしもう一度「太陽の塔」とあのピカピカの顔を「直接見たら!」インターネットから得られる何倍も、何十倍、いや何百倍もの「感動」を味わえるでしょう。あるいは、色あせたそれを見た「失望」かも知れませんが、心は間違いなく大きく動くでしょう。それがインターネットにはない「現 実」の力なのです。 ステレオ。ただの工業製品でありながら「太陽の塔」と同じ高い芸術性を持つ不思議なもの。レコード。聞かなくても楽しくなる不思議な音楽の缶詰。オーディオがそういう「感動」を失わない限り、オーディオの未来は不滅です。でもオーディオがそういう「現実の感動」の力を失ったら?別なものに取って代わられるでしょう。オーディオだけではありません。私たちの周りから、そういう「現実の感動」・「本物の感動」を与えてくれるものや機会がどんどん失われています。何でも「お金」に換算しないと気がすまないメディアが情けない。人間の本質、人生の本質は、そんなところにはないからです。 オーディオ・メーカーや専門店もまた然り。利益を追うのは、当然としても「本物の感動」を伝えることができない、語ることができなければ、未来はありません。逸品館は、「本物の感動」をオーディやホームシアターを通じて一人でも多くのお客様に伝えたいと考えています。私と私の仲間達は、自分が心の底から惚れ込むことができる仕事に巡り会えた喜びに感謝しながら、この仕事に命をかけています。 私たちの人生は、自然や宇宙の存在と比べれば取るに足らない一瞬のものです。どんなにお金を貯めても、どんなに大きな土地を持っても、どんな高価なものを買っても、宇宙の大きさから比べれば「塵」ですらありません。私たちが生まれ、そして死んで行くとき、何が残るのか?何を残せばよいのか?どう生きればよいのか?それを「太陽の塔」は、強く静かに伝えているように思うのです。 ... 続きを読む
逸品館メルマガ076「“安くて美味い”それが大阪」
皆様こんにちは。大阪は、暖かく春の兆しが感じられるようになってきました。桜もちらほら咲いているところがあります。桜と言えば、いつも「ここの桜が一番先に咲く!」という木はありませんか?私の自宅の近くには、気の早い奴が一本あって毎年他の桜よりも決まって一週間早く花が咲きます。日当たりのせいなのか?土のせいなのか?それとも突然変異種なのか?定かなことは、わかりませんが、その桜が花を付けると「春が来たんだ~」と実感する、個人的な「春」のバロメーターです。皆様の春のバロメーターは、如何でしょうか? さて、ここしばらくちょっと難しい話ばかり続いていたので今回のメルマガは趣向を変えて「商売人らしい」内容にしてみました。題して”安くて美味い!”それが大阪! 次世代ビデオディスク戦争は、ブルーレイの勝利で幕がおりました。ブルーレイをご覧になられたことはありますか?記録できる情報量の飛躍的な向上でDVDよりもかなり綺麗です。しかし、ソフトによってはブルーレイよりも従来のDVDを綺麗に感じることがあります。ブルーレイの音質を聞かれたことはありますか?残念ながら、従来のDVDを良い音で楽しめる術を知っている我々の耳には「?」でした。スペックでは、従来のDVDソフトを圧倒的に凌駕しているブルーレイですが、現時点ではまだまだ「赤ちゃん」のようです。その高画質、高音質が生きる「ソフト」の大量発売までには、まだまだ時間がかかるでしょう。 最近、DVDの音楽ソフトが増えているのをご存じですか?映画ソフトは、「リージョンコード」の規制が厳しく、海外のソフトを国内向けに発売されたDVDで見ることは”普通”出来ません。しかし、廉価音楽ソフトのほとんどは、「リージョンなし」のものが多く、海外製ディスクでも国内向けのプレーヤーで再生できます。しかも、それらのディスクの多くは「CDソフトよりも安い」ことが少なくないのです(Amazonで買えます)。収録時間も長く、2時間近くのライブでも一枚のディスクに収録される。サラウンドで聞いてもステレオで聞いても楽しめる。などなどこれらの音楽DVDソフトには、CDソフトを越える魅力が山盛りなのです。 でも、DVDソフトはCDよりも音が悪いのでは?確かにそれは”一般的”には、事実です。しかし、逸品館オリジナルのAIRBOW製品には、その既成概念は通用しません。dtsならCDを遙かに超える高音質で、DD(ドルビー・デジタル)ですらCDに匹敵、あるいはそれを越えるほどの高音質で再生できます。最新のブルーレイよりも音が良い!と言ったら誰も信じないかも知れませんが、それも事実です。音質・画質は、単純に”スペック”で決まるわけではないのです。 例えば、CDプレーヤーにしても1万円のものもあれば、1000万円を越えるほどの超高価格プレーヤーもあります。双方のスペックは大差ありませんが、音質は?同じではありません。そんなことは、ちょっとマニアなオーディオファンなら誰でも知っていることです。ブルーレイとDVDソフトの音質・画質も同じです。それを再生するシステムによって、それを生かせるか?生かせないか?が決まるのです。では、プレーヤーやディスプレイは、高額なほど性能がよいのか?おかしな事にそれも違っています。同価格製品の音質・画質は、メーカーやモデルによって千差万別なのです。 どうせ買うなら「良いものを!」それは、誰も同じ考え”だと思い”ます。逸品館は、そんな「良い製品」をお捜しのお客様を応援します。また、ご購入になられた「製品」の性能をより良く引き出すための「お手伝い」は、私たちの最も得意な分野です。大阪には、全国一安くて美味い食べ物が多いと言われますが、専門店も同じです。”サービス精神旺盛をモットーとする大阪”の安くて良いものが手に入るお店、「逸品館」はそんなお店を目差しています。どうぞ、お気軽にお尋ね下さいませ。 ... 続きを読む
逸品館メルマガ075「リップシンクについて」
今年、5月9,10,11日の3日間東京で行われます「ハイエンドショウトウキョウ2008スプリング」に出展します。 http://www.hi-endshow.jp/ 今日のお話は、映像のリップシンクについてです。よろしければお付き合い下さいませ。 最近、映像の最先端の現場で仕事をしている知人と話す機会がありました。単刀直入に「ブルーレイについてどう思うか?」と尋ねたところ、新しいフォーマット(規格)には、新たな価値と魅力があるとストレートな答えが返ってきました。その通りです。 DVDとブルーレイの一番大きな違いは「細かい部分の描写」であると彼は言います。彼の主な仕事は、音楽の現場(コンサート)をビデオで収録することですが、ブルーレイによって細部の描写が緻密になることで「引いた絵(広角側の映像)」が使えるのがDVDとの一番の違いだというのです。例えば交響曲のコンサート(オーケストラ)を撮影するとき、従来のDVDの解像度だと全体を写したときに、一人ずつが一体何をしているのか?見えないけれど、ブルーレイ(ハイビジョン)で撮影すると、それが見えるので「アップを多用しなくても良い」というのです。... 続きを読む
逸品館メルマガ074「脳による補完の重要性(3)」
先号メルマガの終わりに、良い音と映像に触れると五感が自然にリセットされ、心と体が自然なバランスを取り戻す。と書きましたが、私はこれをとても重要だと考えています。私たちは、五感に頼って現実を認識しているからです。 私たちが感じている、認識している「現実」とは、五感から得た情報を元に脳の中に作り出したイメージにしか過ぎません。睡眠中に夢を見ますが、これは脳が記憶から得た情報を元に作り出したイメージです。情報源が違うだけで、脳が作り出すイメージということに差はありませんから、私たちには夢と現実の区別が付きません。私たちが感じている「現実」は、五感が得た情報そのものではないのです。同一人物が同じ状態に置かれたとしても、その時の気分や体調、直前に経験した出来事によって「現実の認識」に違いが生じるのはそのためです。 例えば同じ音でも繰り返して聞き続けると、段々と違った音に聞こえますが、それは「脳がその音を記憶」して、今聞いている音を補完し修正してしまうからです。繰り返し同じ音楽を聞き続けると、感覚が麻痺してしまい比較ができなくなります。同じ音源で聞き比べができるのは、せいぜい数回程度ですが、意外とこの事実は忘れられています。しかし、どこからどこまでが「真実」でどれだけが「脳が作り出した創造」であるか?音で区別が付かないように、私たちが認識している「現実」でさえもその「区別」は付かないのです。 話を視覚に移しましょう。視覚が錯覚(脳の勘違い)によって歪むことはよく知られています。「だまし絵」がその代表ですが、それを見ても私たちは「脳が現実を歪ませている事実」を全く認識できません。結果としてだまし絵に騙されます。もし、脳が五感の情報を歪ませていたらどうなるでしょう?全く気付かずに脳が作った「歪な世界」を現実だと誤認識してしまうことでしょう。 だから、この無意識下に行われている脳の情報処理を「自然な状態」に保つことが、正しい現実認識を行う上で非常に重要だと主張するのです。成長期の子供がゲームなどを続けることで、正しい現実認識ができなくなるという問題が指摘されていますが、ゲームだけではなく普段見聞きする音や映像からも私たちは大きな影響を受けています。 特に集中して見聞きする「オーディオ、ビジュアル」の「質」が自然か?不自然か?は、非常に重要です。不自然に強調された音や映像を見続けていると「疲れる」のは、脳が強調された歪みを元に戻そうとオーバーワークになるからです。 もし、「不自然な音や映像」を見続けても違和感や疲れを感じなくなっているとすれば、それはかなり危険な状態です。私たちに生まれながらに備わっている「自然な感覚」が鈍くなってしまっているからです。そんな時には、五感をリセットして欲しいと思います。アウトドアで体中に自然を感じれば、私たちの五感は自然にリセットされます。感覚がリセットされれば、気分や体調も替わるはずです。 前号では、また「いい音」や「良い映像」を受け止めるためには「正しい経験」が重要だと書きました。それは確かにそうなのですが、この話も誤解を避けるためには、補足が必要だと思うので書き加えます。 人種の判別を例にします。ヨーロッパ人やアメリカ人から見れば、私たちアジア系の人間はすべて同じに見えると聞いています。アメリカのドラマを見れば、明らかに韓国系や中国系と思われる人種が日本人として登場することから、この話が間違いでないことがわかります。では、彼らには「人種を見分ける力」が備わっていないのでしょうか?そんなことはありません。逆に彼らが容易に判別できるアメリカ人とヨーロッパ人の国籍の判別が、我々アジア系の人種には難しいはずです。つまりそれぞれの「判別能力」が問題なのではなく、「普段触れている情報=経験」が細かい部分の判別(判断)にとって、非常に重要だということがこの例えからわかるはずです。 音や映像、芸術の鑑定もそれとほとんど同じです。普段どれだけ「判別するために必要な情報に触れているか?=豊富な経験があるか?」が細かい部分の判別を正しく行うために、非常に重要になるのです。個人の能力差が問題とされるようになるのは、それよりもずっとずっと先の話です。 しかし、それはそれとして「良い音楽を聞き、映画を観たときの感動」は、何物にも代え難い喜びです。そしてこの仕事を通じて、それがお客様に伝わったときの喜びはそれよりもさらに大きなものです。うるさいことも言います。偏ったことも、間違ったことも言います。私はただの人間だからです。でも、人間だからこそ、言葉に心を込めなかったことは一度もないつもりです。わからないことは、尋ねてください。それができるかどうかはわかりませんが、全力でお客様のお力になりたいと、逸品館のスタッフは常に考えています。 ... 続きを読む