社長のうんちく」カテゴリーアーカイブ

逸品館メルマガ059「AIRBOW 新型CDプレーヤー製作報告」

今日の話題は、AIRBOW最新モデルの製作報告です。 メーカー標準価格で10万円を超える国内メーカーの高級CDプレーヤーのほとんどはCD/SACDコンパチになっています。その例に漏れず、AIRBOWの現在のCDプレーヤートップモデルSA8400シリーズもCD/SACDコンパチです。でもお客様からは「CD専用の高音質プレーヤーを作って欲しい」という声が多く寄せられます。そこでMarantzから新発売されたCD専用プレーヤーCD6002をベースとし発売とほぼ同時期に、それ以上は要らない!と納得していただけるような、高音質CDプレーヤーを目差し、新製品の開発を開始しました。 改良で最も苦労したのは、この製品のDACで変換されたアナログ信号の増幅を行う部分に搭載されているマランツ独自の[HDAM]回路のチューニングです。通常、多くのCDプレーヤーでは、この増幅はオペアンプと呼ばれるICで行われているのですが、マランツの製品のほとんどには、彼らが[HDAM/Hyper... 続きを読む

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逸品館メルマガ058「正しい情報源としての音と映像」

私は、車が好きで「カーグラフィック/CG」という雑誌を、30年近く前から愛読しています。この雑誌には、カーグラフィックの初代編集長、小林彰太郎さんのコラムが連載されていますが、彼が書く文章には、主題だけではなく数々のエピソードがちりばめられ、読んでいてとても楽しく、意味深く、いつも感心させられます。それに引き替え、今この雑誌の論評を書いているCG社員の文章は、観点が限られ、内容も浅く、日本語も乱れていて、この30年間でカーグラフィックの質もずいぶんと落ちたと感じざるを得ません。日本を代表する、カー雑誌の草分けでさえこの有様ですから、オーディオ雑誌の質の低下も仕方がないのかも知れません。私がステレオサウンドを読むようになったのは、カーグラフィックよりもずいぶんと後なので「芥川賞」を受賞した「五味康祐」さんがステレオサウンドのコラムを執筆していた時代を知りません。残念なことです。多分その時代を知るオーディオマニアの方なら、当時と今では「オーディオ」という趣味自体が大きく変化したことを嘆いていらっしゃるかも知れません。 そんな中、今発売されているカーグラフィック2007年11月号に「素晴らしい記事」を見つけることができました。180ページ「舘内端(たてうちただし)」さんの「FEED... 続きを読む

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逸品館メルマガ057「中納良恵さんのコンサートに行ってきた」

10月もいよいよ終わりに近づき、11月~12月、あっといういう間にお正月。お盆を過ぎると時間が年々加速されて、あっという間に年末まで突っ走る気がします。 18日に心斎橋クワトロで行われた「エゴ・ラッピン」のボーカル「中納良恵(最近、爽健美茶のコマーシャルソングを歌っています)」さん「ライブ」に行きました。エゴ・ラッピンは、オーディオ製品のテスト(https://www.ippinkan.com/test_menu.htm)でよく使っている私のお気に入りのアーチストです。今回のライブは、エゴ・ラッピンではなく、彼女の初ソロアルバム「ソレイユ(http://www.nakanoyoshie.com/news/index.htm)」に反った内容でした。 過去にも何度かJ-POPのライブには行きましたが、ほとんどは大阪ドームなどの超巨大な会場ばかり。規模が大きく、音楽を聞くと言うよりはステージを見るといった感じが強く、その音質をいつも聞いている「音」と比較するのは、あきらかに無理がありました。しかし、今回のライブは、規模も小さく(立ち見700~800人程度で満員)ステージまでの距離も近いので自分がいつも聞いている「音」と生ライブはどんな風に違うのだろう?という興味を満たせると考えて事前にソレイユを購入し、耳にたこができるほど何回も聞き準備をしていました。 ライブが始まった瞬間!「音がデカい」!ベースギターの音が風圧となって体に伝わります。恐ろしいパワーです。家庭では、絶対にこんなに大きな音は出すことはできません。ハイパワーのPAを使ったコンサートならではの大音量です。 演奏は、彼女が歌い、それを彼女自身がフットスイッチを使いながらその場でサンプリング(録音)し、すぐに「それ」を再生しながら彼女が歌うことを数回繰り返し、一人多重コーラスを構成することから始まりました。この演出は、久しぶりにライブを見た私の目には、なかなか新鮮に映りました。4~5重に声が重なって、エネルギーがピークに達した瞬間、音を止め、一瞬の静寂の後に一斉に楽器が鳴り始めて約1時間半のライブが始まりました。 音の大きさに慣れてくると、徐々に「音の粗さ」と「色彩感の薄さ」が気になり出しました。3号館で聞くオーディオの音は、ライブに比べると繊細でもっとデリケートです。しかし、ライブの熱気と彼女のパワーの凄さに押され、クワトロには椅子席がなく仕事が終わってから約2時間の立ちっぱなしは、いささか堪えましたが、その疲れを補って余りある「エネルギー」を彼女のボーカルから受け取ることができました。 彼女の歌声を「生」で聞きたいとお考えになられたら!11月15日(木曜)に行われるエゴ・ラッピンのライブ(大阪「なんばHatch」で19時から)に参加してください!チケットは、すでに発売されています。お早めにお問い合わせ下さい。 久しぶりに出かけたライブで感じたのは、生ライブとCDは、全く違うものである!という当たり前の事実です。家庭で聞くCDと、圧倒的に違うのが「音量」です。音楽のエネルギー感は、音量に比例します。耳が聞き取れる限界の大音量を使うことで、表現力も大きくできるからです。 音量を数字に置き換えてお話しすると次のような感じです。0(最小)~100(最大)の音量で取り出せるパワーを100だとします。音が大きくなって行く最小のステップを「1」とすれば、この音量で100段階の表現のステップがあると言うことになります。この音楽を家庭で聞いた場合、音量は生ライブの1/10程度も出せれば最高です。そうすると音量は0~10と言うことになり、表現のステップが1のままだと表現の段階も10になってしまいます。しかし、表現の段階を0.1刻みと考えればどうでしょう?0~10の音量の間でも100段階の表現のステップを持つことができます。つまり、生ライブでは「表現力」 は「表現のきめ細やかさ(1段階の細かさ)」ではなく、音量に依存し、家庭での「表現力」は、音量ではなく「表現のきめ細やかさ=音の質の緻密さ」に依ると言うことになるのです。 このように、ライブでは「音量」。家庭では「質」。この取り出したい音の違いにより、生ライブとCD(スタジオ録音)では、同じミュージシャンでも音楽の作り方が大きく異なって当然です。さらに生ライブでの音は「一瞬の感動の共有が目的」で、音は二度と戻らないのに対して、CDは「時間を超えた感動の共有が目的」で音は何度でも聞き直せます。このように生ライブとCDでは、音量や表現だけではなく、繰り返し聞けるという部分も絶対的に違うので、両者を並べて比べることは無意味だと言うことがわかるはずです。 以前、生演奏とオーディオの違いについて菅野沖彦氏の著書/新・レコード演奏家論から「舞台と映画を比べる人はいない」という言葉を引用したことがありましたが、今回のライブでそれを実感として感じました。原寸大の舞台で生きた人間が演じる「舞台」とスクリーンやTVという閉ざされた空間に映し出される「映画」。それをイコールと捉え比べることがナンセンスであるように、生ライブとCDを比べることにも全く意味は無いと断言します。それぞれは、全く異なるメディアであり、全く異なる楽しみ方があると言うことです。 ライブハウスのサイズが違うと使われる音(音量やスピーカーの数)が全く変わってくるように、家庭でも許される音量や部屋の大きさが変わると、使うべきオーディオ装置を積極的に変えることが大切です。あなたの音は、あなただけの物で誰にもマネはできないのです。だからこそ、あなただけの音を作るためにオーディオ製品やオーディオ・アクセサリーは、あんなにも数が多く用意されているのです。 その中からお客様にとって最適な製品をお選びすること。それが、専門店としての役割です。今年の冬にこれから、オーディオセットの買い換え、買い増し、アクセサリーの検討をなさろうとお考えなら、お気軽に逸品館にアドバイスをお求め下さい。そして、その時には、現在お使いの機器、よくお聞きになるソフトの種類、リスニングルームの環境などをできるだけ詳しくお教え下さい。お客様のご期待に添える製品をお選びできるよう、最新製品の情報も含め主要な製品については、常に独自の研究を怠らないようにしておきます。 ... 続きを読む

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ホームシアターファイル 44号「あなたは、本当の“いい音”をまだ知らない!」

ブルーレイ、HD-DVDソフトでは、サラウンドの音質が飛躍的に良くなるとメーカーは説明しています。でも、それは「嘘」だと思います。 確かに、新フォーマットになれば、音声は非圧縮になって情報量は4倍以上に増加します。しかし … 続きを読む

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逸品館メルマガ056「浪速の商人の話」

今回のメルマガは、オーディオから離れて「浪速の商売人」のお話です。 私は、大阪市内の商家に生まれ育って、小さな頃から両親が商売をしているのを見て育った生粋の「浪速の商売人」です。大学を卒業してからも、家業が呉服関係だったこともあり明治後期や大正時代の「年配の商売人」と良く一緒に仕事をしていました。その頃にたたき込まれたのが「浪速の商売人の心得」です。 一般には「大阪の商売人は、がめつい」と思われているようですが、それは全く違います。大阪の商売人は「船場の旦那衆」に代表されるように、商売人であると同時に文化人であることが求められていたからです。私が、たたき込まれた大阪商人の哲学はいくつかありますが、全国的にも有名なのが「損して得取れ」という言葉だと思います。 この言葉の意味は「目先の利益にこだわらず、もっと大きな目線で商売を見よ」と言うことなのです。そんな大阪商人の私から見ると、最近の大手量販店の傍若無人ぶりは、ほんとうに「未熟だな~」としか思えません。本当に彼らは、目先のことしか見えていないからです。その代表的な行為が果てしのない安売り競争です。その結果がメーカーへの仕入れ価格の圧迫(過剰な値引き要求)-企業利益の圧迫によるリストラや賃金の下落。そして、ますます安いものしか売れなくなる。さらなる値下げ。という悪循環です。商売の土壌が庶民の生活なら、彼らがやっていることは、庶民の生活の破壊でしかありません。 その逆の例もあります。それは、空前の利益を上げ続けている「トヨタ」を代表とする「自動車産業」です。 確かに自動車業界でも、大幅なリストラやコストダウンは行われましたが「自動車の販売価格を維持」したことによって、平静が取り戻せつつあります。自動車業界が「消耗戦のような値引き競争」を行わないのは、各社の「自動車の販売価格」を見ればよくわかります。ほとんどのメーカーの代表的な車種の価格は「横並び」になっているはずです。もちろん、時々は在庫調整のために、大幅な値引きが行われることがありますが、そんな時でもそれを決して表面に出しません。それが表面に出た瞬間に、自社商品の信用が失墜し(買ってから値下がりが大きいメーカーの車種を再び新車で買う人はいない)、次の商品が売れなくなることを彼らは、身にしみて知っているからです。 そしてモデルチェンジの期間も国産車では、4~5年というサイクルが暗黙の内に守られています。この考えられ、調整された「生産サイクル」が彼らの利益を守っているのです。そして、なぜだか世界中?でこのルールは、あまり大きく変わることがありません。もし、家電メーカーがこのような「生産サイクルのルール」を守れたなら、これほどまでに家電業界は、ひどい状態にならなかったのではないでしょうか? 話を戻しますが「損して得取れ」という言葉の中には、この問題に対する戒めも含まれています。目先の利益ばかりを追っていると、消費者(お客様)は、必ずその店を見限ります。信用できないお店とはつきあえないからです。私は「金を追うな=目先の利益を追うな。まず人に喜ばれる仕事をしなさい。人が集まれば、自然にお金も集まってくる」と教えられました。それには、目先の損を恐れないで未来に向けて「種を撒く」という心構えが必要です。目に見えない未来を恐れずに投資するのです。それを貫くには、先を見る力と確固たる信念、そして情熱と辛抱が必要です。商売をただの金儲けと考えずに、哲学的にも考え、それを「文化」にまで昇華させたのが「浪速の商人」だと私は思っています。 また、逸品館の社長が偉そうなことを言ってる!と思わないでください。「商売」に対して、こんなに強いこだわりを持つ私でさえ頭が下がるような「商売人」が大阪には、まだまだ生き残っているのです。 約半年ほど前「運動不足」を解消するために、自転車を買いました。私は電車があまり好きじゃなくって、車の免許を取るまでは、20Km程度の距離なら自転車で出かけたほど、自転車好きだったこともあり、「こだわりの自転車」を買おうと考えました。インターネットで「こだわりの自転車屋」を探したところ、自宅から何と500mほどの所に「それらしい店」を発見することができたのです。(http://www.acquoso.com/)。... 続きを読む

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