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キューブリック作品では「フルメタルジャケット」が好きです。

先日、映画ソフトでスタンリー・キューブリック監督作品の「シャイニング」を紹介していましたが、私の好きなキューブリック作品はフルメタル・ジャケットです。80年代のベトナム戦争映画では「地獄の黙示録」「ランボー」「プラトーン」など狂気、孤独な悲しみ、非情さを描いた映画がありますが、「フルメタルジャケット」はその中でも群をぬいて非情さ、狂気の描き方がとても現実味のある戦争映画です。もし自分が兵役に徴収され、もしくは志願して訓練所に入り戦地に向かうとしたら、こういう経験をするのだろうなという擬似体験(経験?)をした感覚になります。海兵隊訓練所では人間を戦闘マシンに鍛えるために中傷や罵倒により人格を否定しリセットして命令に服従させる軍隊のやり方がホントに生々しく、人権なんて言葉が存在しない世界です。(人を人と思わず殺すためなので当然といえば当然ですが)自我が崩壊するか戦闘マシンになれるか、二者択一の軍事教練です。過酷なシゴキを乗り越えて戦場に送り出されたらこちらは本物の狂気の世界。非情でなければ生き残れない現実の戦場が待っています。狙撃手による攻撃、戦闘シーンは真に迫った緊迫感で戦闘の恐怖を思い知らされます。狙撃手を倒しても後味の悪い安堵と達成感は「戦争ってこんなもんだよ、戦争をしたいかい?」と問いかけられてる気になります。皮肉たっぷりに戦争を批判、反戦をうたった映画ですが、その後の他の映画にも影響を与えていると思います。スティーブン・スピルバーグの「プライベートライアン」でもオマージュかと思える狙撃手のシーンがありますし、リドリー・スコットの「ブラックホークダウン」では戦場のシーンがメインで、戦闘現場はこんなところだよと、戦闘の実情を描いています。CGを駆使した効果的でど派手なシーンは最近の映画の方がとても上手ですが、身にしみて感じる恐怖、非情、狂気というのは「フルメタル・ジャケット」の方が上手ではないでしょうか。 アマゾンでフルメタル・ジャケットを買う フルメタル・ジャケット... 続きを読む

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