逸品館メルマガ013「逸品館の考えるサービスとは?」

お盆休みもそろそろ終わります。休みにリフレッシュをすませた心と体で、気分一新頑張りましょう!

逸品館には、ホームページや雑誌に掲載された弊社の広告などをご覧になられた「こだわり」をもつお客様が多く来店されます。逸品館は、当初はビデオ製品を中心に扱っていたのですが、下取りや買取りにオーディオ製品を持ち込まれるお客様が増えると共に、徐々にオーディオ製品も取り扱うようになりました。この時点では、私はオーディオに対する知識もほとんどなく、ステレオサウンドを見ながら「こんな高いオーディオ機器をどんな人が買うのだろう?」と思っていました。よもやそういう商品を自分のお店で販売するとは夢にも思いませんでした。

オーディオ製品を取り扱う内に、徐々に高級(高額)オーディオ製品も増え始めたので、勉強のために大阪と東京の主要なオーディオショップを調査に行き、そして感じたのが「めっちゃサービス悪い!」ということでした。

例えば、トヨタが始めた高級カーショップ「レクサス店」のサービスを考えてください。それと高級オーディオショップの応対を比べれば、そのサービスの悪さもわかろうかと言うものです。オーディオショップにかかわらず、ホームシアター関連ショップも「商品説明」に関しては、褒められたものではありません。

もちろん、両者のサービスにこんな差が生まれたのには理由があります。それは「商談成立」の確率の差があまりにも大きいからです。「レクサス店」に出向く方は、少なからず実際に高級車の購入を考えている方がほとんどです。これに対し高級オーディオショップには、「そのお店で高級品を買う予定もなければ買ったこともないような方」が来られることがあるのです。お店から見れば「接客サービス」のコストが「購買」に繋がらないのですから、だんだんサービス向上に対してやる気をなくすのは、あってはならないこととは言え、無理のないことかも知れません。

でも、これはお店から見た考えで実際に心を決めて高級オーディオ店に来られたお客様がそんな扱いを受けられたら、業界に失望するのは目に見えています。私は、初めて高級オーディオショップを訪れたときにそういう「ちょっと険悪な雰囲気」を感じました。だから、逸品館はそうじゃないサービスを提供できるお店として始めましたのですが、さすがにあまりにも接客時間が長すぎたり、大きな顔をして長時間ひやかされたりすると・・・、心中穏やかでいられないこともあります。でも当初の思いを忘れずに、今後もより良い音と映像をより「安く」提供すると共に一人でも多くのお客様に「笑顔」でお店を後にしていただけるようなサービスを忘れないようにしたいと思います。

ところで販売店の「サービス」とはどのようなものだとお考えでしょうか?私は、サービスにかかわらず提供したり受け取ったり出来るものは、すべて「目に見えるもの」と「目に見えないもの」の二つに分けられると考えています。

例えば「値引き」や「おまけ」。これは、ハッキリと「目に見える」サービスです。これに対し「ノウハウの提供」や「適切なアドバイス」。これらは「目に見えない」サービスです。私は「目に見えない」ものを「目に見えるもの」よりも大切に考え感じるタイプの人間ですが、インターネットを中心とした情報メディアが発達すればするほど「目に見えないものの価値」が薄く、おろそかになっているように感じます。逆説的に言うなら、目に見えるものがより見えやすく強調された結果、あるいは簡単でわかりやすいものをピックアップしすぎた結果、目に見えにくくわかりにくい(ほんとうはそんなものの方が深くて大切なことが多
い)ものが伝わらなくなったとも考えられます。

例えば「金」という一番わかりやすい価値観に「正義」という目に見えない価値観を売り渡してしまった「ライブドア」や「村上ファンド」の代表者達。「チャンピオンベルト」とそれに伴う「利権」という目に見える価値観に「スポーツマンシップ=フェアプレイ(公平)」という目に見えない価値観を売り渡してしまった若きボクサー。彼の背後に群がる金の亡者達。

本来このような行為は、恥ずべきこととして「裏」に埋もれていたはずです。それが最近は、正々堂々と「表」舞台を闊歩しています。それは、彼らを「時代の寵児」に取りあげていたマスメディアの責任です。メスメディアや政治家が先を争って「正義」よりも「金」に群がるから、こんな酷いことになるのです。

何かおかしいと思いませんか?心が失われているように思います。人ごとではありません。家電量販やインターネットショップによる「勝者なき値引き合戦」は、ユーザー(消費者)が「値引き」という目に見えるサービスしか見なくなった結果です。レクサスと高級オーディオショップの例ではありませんが、利益を生まないところには良質なサービスはあり得ないのです。天に唾すると自分に戻るように、目先の利益しか考えないと良い未来は実現しません。もっと先を見て、もっと深いところにも考えを掘り下げ、目を向けて欲しいと思います。

目に見えない物を見ようとする「想像力」も失われつつあります。音楽や映画から「感動」を感じ取るためには、どちらも欠かせないものです。クラシックが衰退し、ラップミュージックのようなインスタントな音楽が幅を利かせるようになると、すでに30年以上前から著名な指揮者や作曲者が予言し警鐘を鳴らしていました。芸術が興行に成り下がる危険性です。

幸い、逸品館をご利用になるお客様は「目に見えないもの」をしっかりと見て感じられる方が多いように思います。それは私にとって素晴らしく幸せなことであると同時に、非常に厳しいことでもあります。なぜなら、私自身の「心」や「情熱」が薄くなれば、お客様は即座に「No」というジャッジを逸品館に下されるからです。

逸品館をご利用になるお客様に「心の満足」を提供するためにも、現状に甘んじることなく、また安い妥協をするようなことなく、日々より良い製品とサービスを提供し続ける努力を欠かさず「目に見えないサービス」もより一層充実させる努力を続けたいと思います。行き届かない点も多いとは思いますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。

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