StereoSound(ステレオサウンド) 154号「スピーカーの重要性」

ソフトの収録方式はアナログからデジタルに変わったが、それを再生するためのスピーカーの基本原理は発明当初とまったく変わらない。今も昔も、振動板をマグネットとコイルで電気的に駆動して音を出している。同じオーディオ機器でもアンプは、真空管からトランジスターと素子が変わり、アナログからデジタルへ変革を遂げその性能は著しく向上した。 例えば今のアンプの歪み率は、安い製品ですらデーター上「0.1%」を軽く切るが、それは真空管アンプ時代には想像すら出来なかった高性能だ。それに比べ、スピーカーの歪み率は今昔も変わらず数十%に達する。無論「データー上の歪み率」が、そのまま音の善し悪しに関連しているわけではないが、実際にスピーカーはシステム全体に最も大きな影響を与えるし、安い製品と高い製品の差も他の機器より大きいように思える。歪みが大きいスピーカーには「まだまだ改善すべき点が多く」今後さらに進歩するはずだ。 サイズは小さい方がいい 時折、「大きなスピーカーを買ったのだが思ったように音が広がらない」と... 続きを読む

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AudioAccessory(オーディオアクセサリー) 115号「僕がまだ学生だった頃」

僅かな時給でバイトして沢山のレコードを目の前に一時間以上悩んで買った一枚。精一杯背伸びして手に入れたダイヤトーンのスピーカーを安物のアンプで鳴らすのが精一杯のシステムで、JBLやマークレビンソンはただの憧れで自分のものになるなんて、ましてやオーディオ屋になるなんて夢にも思わなかった。
今ではもう弾くことはないけれど、20万円のYAMAHAギターよりずっと音が良かった10万円もしないYAIRIがお気に入りで旅行にも一緒に連れて行った。高いもの、ブランド品が必ずしも一番じゃないことをYAIRIは教えてくれた。
大学時代ディスコが流行りで、卒業前の学祭でやったDJ。最終日、ラストナンバーでプレーヤーのベルトが切れ、マイクを持って歌ったサザンオールスターズの勝手にシンドバット。「プレーヤー」と「リスナー」が音で繋がる一瞬の快感。壊れやすいものほど美しいと、ステージに立つミュージシャンの気分が少しわかった。
時と共にお気に入りの歌手は替わっても歌謡曲が一番好きなのは変わらない。ステレオを聴いて気分が乗ると、一緒に歌う癖も変わらない。お金はなかったけど、 続きを読む →

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StereoSound(ステレオサウンド)「153号 原点への回帰」

前号に「HI-ENDオーディオの終焉」というタイトルで始まるコラムを掲載したが、タイトルの過激さ故か思いの外大きな反響があった。読み返してみると、いささか舌足らずに思えたので続きを書くことにした。コラムを掲載するには2頁で50万円の広告代が必要だから、2連載には100万円を投じなくてはならない。決して少ない出費ではないが、それだけの自費を投入しても「伝えたいこと」が、私にはある。
オーディオは、決して「大きな音」や「細やかな音」を競ったり「人に自慢してみせる」ためのものではない。HI-ENDオーディオ製品には外観のデザインやマテリアルも重要だが(無意味な先進技術はまったく不要)、なによりも音楽を聴くための手段(道具)」でなければならないというのが、終始一貫して変わらない私の持論である。音楽的感動の大きさと販売価格は比例関係になければならないから、高額であればあるほど音楽をより深く、感動的に再現しリスナーに伝えなければならない。
実を言うと、ここ2年間は「2ChのHI-ENDオーディオ」を一休みして「サラウンド」・「マルチチャンネル」の追求ばかり続けていた。それは、2Chのオーディオを真剣に突き詰めれば突き詰めるほど 続きを読む →

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AudioAccessory(オーディオアクセサリー) 114号「性能と能力」

「車」・「カメラ」・「オーディオ」この3ジャンルは、「男が好む製品」としてよく知られています。女性にとっての「宝石」・「化粧品」・「洋服」に相当するのでしょうか?生まれながら」に男性は、そういう複雑で仰々しい装置に心を引かれます。それは、それらの装置の購入が「自分自身の能力を増大させ」男性のDNAに組み込まれた「強いものへの憧憬を満たす」からに違いありません。
確かにパワーのある車を買えば直線で「誰よりも早く走る」ことができるようになります。ズームレンズ付きのカメラは「目に見えない遠くをクッキリ」写し、高価なオーディオ機器からは「すごくいい音」が取り出せます。(取り出せるはずです)さらに、装置の購入グレードをどんどん高めればそれに比例して「取り出せる能力」が増大し「満足感」は一層高まり麻薬のように男心を虜にするはずです。しかし、その心地よさに溺れてはいけません。お金で購入できるのは「装置の性能」であって「それを使う人の能力」ではないからです。
高価なスポーツカーを購入してもドライバーの「技術」が伴わなければ、「速く走り、早く曲がり、早く止まる」ことはできません。カメラも「何を撮るか」が明確でなければ「感動的なシーン」を捉えることはできません。では、 続きを読む →

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StereoSound(ステレオサウンド) 152号「Hi-ENDオーディオの終焉」

オーディオが下火と言われて久しいが、去年末あたりから更に急速にHI-ENDオーディオの売り上げが落ちているという話を耳にする。その理由を私なりに考えてみたが原因は「デジタルシステムの功罪」と「CDの音の悪さ」にあることを疑う余地はない。
「デジタルシステムの功罪」とは、「安いもの」と「高いもの」の「性能差」を小さくしてしまったことである。今、100万円を超える「高級時計」と100円均一で購入できる「安物時計」の「時間精度」はさほど変わらない。その秘密は「可動部品の総数」にある。「可動部品」は「量産によるコストダウン」に限度があるし、「組み立て」コストも高いため「精密な部品」の総数が「多く」なればなるほど「コスト」は嵩む。それに対し「電子部品」は、量産によるコストダウンが著しく「作れば作るほど安くなり性能が良くなる」という大きな利点がある。つまり、ミクロな部品レベルで見れば「デジタル時計の方が部品点数が圧倒的に多い」にも関わらず、マクロなレベルで見れば「逆に部品点数は少ない」ため「製造コスト」が大幅に安く「信じられないような低価格で高性能が実現」するのが「デジタルの最大の利点」なのだ。
身近なオーディオ製品を例に挙げれば、カセットテープを使っていた「初期のウォークマン」と 続きを読む →

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