AudioAccessory(オーディオアクセサリー) 112号「ピュア・オーディオとは?」

ピュア・オーディオが斜陽になっている。オーディオマニアのイメージがジメジメして、しかも理屈っぽい「根暗系オタク」の代表になりつつある。ピュア・オーディオをより深く音楽を聴く手段とする「正統派オーディオファン」のお客様の心情を察すれば、この状況は断腸の思いに絶えない。
オーディオを堕落させた一番の原因は「軽薄なオーディオの論評」であり「メーカーの販売戦略と深く結びついた業界の薄っぺらな見識にあるのは間違いなく、インターネットに巣食う「えせ評論家気取りのマニア」がそのばかげた風潮を増長させ「音楽ファン」を更に遠ざけているのは想像に難くない。
機器を買い換えたり、オーディオアクセサリーを利用すれば、確かに「音は変わる」。しかし、オーディオの目的は「音を買える」ことではなく、「音楽をより良く(深く)再現する」ことだ。だからこそ「論理」ではなく「感覚」で音を聴かねばならない。音楽を楽しめるか否か?音楽が感動的に聴こえるか否か?それが第一の判断基準であり、高域がどうとか、低域がどうとか、あるいはテクノロジーがどうとか・・・音楽を聴くために必要のない言葉を使ってオーディオを論評すべきではないし、そんな言葉で言い尽くせないのがオーディオの本質であるはずだ。
人間の思念を深く時間が昇華させた「音の芸術」は、いうまでもなく「オーディオ技術など」よりも深く高度で「音楽」は、決して「薄っぺらな機械マニア」のおもちゃではない。「音の中に音楽」の片鱗すら聴き出せない者に「オーディオ(音)」を語る資格はなく「好きな音楽の話ができない」・「音楽の好みが著しく偏っている」・「機械以外には興味が持てない」そんな人達の言う「オーディオの話」に耳を傾ける必要は断じてない。それは「ただの抜け殻になった音の話」であって「音楽の本質」とはまるで無関係なのだから。
もちろん「すべてのオーディオファン」に疑問を投げかけているのではない。一部の「偏った人達」が発信する「歪んだ情報」が「ピュアオーディオのすべてではない」とお気づき頂きたいと強く願う。ピュア・オーディオという趣味は、そんなに浅くないし、長く付き合えば「一生の友」とできるほど高尚なものなのだから。

カテゴリー: Audio Accessory, 社長のうんちく タグ: , , パーマリンク