AudioAccessory(オーディオアクセサリー) 116号「「音」ではなく「音楽」を聴かせてくれる、それが「LITTLE Cosmos」」

もし、あなたがオーディオから「楽器と同じ音」・「録音されたそのままの音」を出そうとしていらっしゃるなら、余り深入りしない方がいいと思う。「シンバル」、「バイオリン」、「ピアノ」ETC...あらゆる楽器の発音部の材質は、スピーカーユニットの振動板とはまるで違って遙かに強固で剛性が高く、それらが振動して発生する音も当然違う。つまり、あなたが考えるよりも「オーディオの音」は「生の音」に近くないのだ。
「まったく違っている」と考える方が自然だとすら思うほどの大きな差がある。そして、どれほど技術が進んだとしても「その差」が埋まるとは思えない。もちろんそれ以外にも理由はあるが「結局、音の追求に満足はない」というのが「音質を突き詰めて得た私なり結論」なのだ。
では、「音が似ていない」から「オーディオでは音楽を楽しめないのか?」と言うとそれは全然違う。逆に「生音とは明確に違う音」を出しながら「生よりも生々しく音楽を楽しませる」ことができるのがオーディオという技術(芸術)の素晴らしさなのだと私は思う。
それは、例えるなら「風景画を描く」のと同じだ。似顔絵や風景画は「描き方次第で実物よりも実物らしく見える」ことすらあるが、それは「何を描き」、「何を描かないか」、つまり「人間が雰囲気を感じ取るために必要な情報の取捨選択」が高いレベルで行われているからだ。
オーディオもまったく同じで「不必要な音」を切り捨て、「必要な音」だけを正しく再現すれば「再生音楽」は「生演奏」を越える。つまり、どの音を出し、どの音を出さないか「必要な音の取捨選択」こそがオーディオの神髄であり「オーディオで生よりも生々しく音楽を聴く最大の秘訣」なのだ。
もしこの理屈が正しいなら、絵画の巨匠が「鉛筆と画用紙」だけでも素晴らしい絵が描けるように、「安価なオーディオ機器」からも素晴らしい音楽が鳴らせるはずだ。「オーディオ的満足感(音に対する満足感)」と「音楽的な満足感(演奏に対する満足感)」は、まったく別問題(違うベクトル)だと言い切っても良い。
AIRBOWの「LITTLE COSMOS」は、それを具現化した製品だ。音の純度ばかり追求する「デジタル」は「味気ない」。「音の追求」では音楽は見えてこない。「オーディオの迷路」から抜け出して「音楽」を楽しんで頂くために「LITTLE COSMOSの無料貸出機」を用意している。高級なケーブル、アクセサリーを購入する前に、是非一度「LITTLE COSMOS」を聞いて欲しい。あなたの「オーディオに対する考え方」を一変させてしまうかも知れないほどの「凄い音」が聴けるかも知れないのだから。

2005年3月 清原 裕介
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