AUDIO BASIC(オーディオベーシック) 53号「アップサンプリングによる音質改善」

2009年秋のハイエンドショウトウキョウでは、春に引き続き“アップサンプリングによる音質改善”をデモしました。アップサンプリングとは、CD(だけではありませんが)の音声デジタル領域でより細かなデーターに変換してからアナログ化する技術です。東芝が「普通のDVDがハイビジョン画質になるテレビ(HDDレコーダー)」を宣伝していましたが、考え方としては同じです。
アップサンプリングを行わないと高域がざらついたり、音が濁るなどの問題が起きることがありますから、CDに搭載されているDAコンバーターチップでもアップサンプリングを行います。CDをPCに取り込んでから、PC内部でアップサンプリングを行うと、CDをそのままCDで再生するよりも音が良くなるのです。
理由はいくつか考えられます。リアルタイムを要求されないPCでは、CDの読み込みで何度もやり直しできるので“データーエラー 0”でCDを取り込めます。また、再生とは別にアップサンプリングを行うのでより“完全なアップサンプリングが実現する”のかも知れません。あるいはデータ的にはそれほど代わりがなく、ビット数が多くサンプリング周波数が高められたデーターをDA変換することで“プレーヤー(DAC内部)での演算が軽くなりノイズが減る”のかも知れません。
アップサンプリングに留まらず、プレーヤーソフトによって音質が変わるなど、PCオーディオには従来のオーディオにはない“新しい楽しみ”が見いだせます。しかし、PCから高音質を再生しようとすると、必要な高音質外付けDACがまだまだ少ないのが現実です。そこで逸品館では、いち早くUSB入力を持つピュアオーディオ製品を取り揃えるとともに、それらをベースに改良を加えた高音質オーディオ機器をAIRBOWとしてご用意しております。EsotericからもUSBでPCと接続可能な多機能高音質DAC“D-07”が発売されるなど、PCとオーディオの距離は一気に近づきつつあるようです。

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