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女子部はみんなFF派!ファイナルファンタジーXIII
「Audio Accessory」カテゴリーアーカイブ
AudioAccessory(オーディオアクセサリー) 140号「新しい時代の幕開け」
2011年を迎え、オーディオは「新たな時代」を迎えようとしている。レコードから始まったオーディオ文化は、アナログで「再生芸術」の頂点を極め生演奏と同等の地位を得るに至った。アナログはやがて主役の座をデジタルに譲り渡すが、デジタルがもたらした「簡便性」はオーディオ人口を飛躍的に増大させた。少なくとも日本では、音楽を一日に一度も耳にしない人はいないだろう。さらに音源がメディアCD(ディスク)からネットワーク(データ-)へと変われば、従来とは比べものにならないほど多くの「音源(演奏記録)」がたやすく入手できるようになる。オーディオ不況と言われ続けているが、それは「全体を見ない」からだ。 懐に金が転がり込まないからといって、オーディオが衰退しているわけではない。不景気、不況と言われ続けて久しいが、それは「コストダウン」によって、人手が減らされた結果に過ぎない。仕事が減ったわけではなく、多くの仕事が人の手を離れただけなのだ。オーディオも同じで、録音~再生のプロセスの「省人間化」は、デジタル技術の導入によって一気に加速した。結果として音楽は「安く」、「早く」手に入るようになった。消費者から見れば、それは「恩恵」に違いない。利益を出せるかどうかは、我々の努力の問題だ。 デジタルの波に乗り、ここ数年台頭した「PC/ネットワークオーディオ」は、正にその主流だ。PCをトランスポーターとして活用すれば、低コストで音作りが楽しめる。オーディオの目的が「いろいろな音を聞くこと」であれば、これほど理にかなう低コストな方法はこれまでにはない。しかし、オーディオの目的が「よりよい音を聞くこと」であれば、この分野はまだまだ探求の余地がある。まず、PCの音が悪い。電気楽器ならまだしも、精密で複雑なアコースティックな音源を再生しようとすれば、PCはCDプレーヤーに遠く及ばないことをご存じだろうか?PCは汎用機であって専用機ではないから、いろいろな仕事をさせるのには向いている(いろいろな音を出すのには最適)が、専用の仕事をさせるには向いていない(最高音質を求めるのには不向き)。音の良いPCを作ろうとすれば、高級CDプレーヤー以上のお金がかかる。しかし「謎が多い」ということも、オーディオを活性化させる重要なポイントだ。 やがてネットワークオーディオ関係機器も、CDがそうであったように「アナログ回路(アナログ部分)」の重要性を認識するだろう。一方で変化は常に何らかの痛みを伴う。しかし、それを乗り越えたとき未来は大きく広がる。メディアの変革は25年ごとと言われているが、CDが登場してからおおよそ30年の2011年から、オーディオは新たな時代に入る。いずれにしてもオーディオに新しい風が吹き込まれることを歓迎したい。 懸念もある。デジタルの台頭と反比例して衰退する音楽文化の中から、今後よりよい音楽が生まれるかどうか?それは大きな問題だ。しかし、落胆する必要はまったくない。CDを超える音質のハイビット、ハイサンプリングの音源がダウンロードでより簡単に手に入るようになれば「高音質音源」に困る必要はなくなるし、著作権の問題さえ解決すれば、数が売れないという理由で絶版になったCD(音楽コンテンツ)もダウンロードで再配信されるに違いない。今以上の音質の音源、絶版であきらめていた録音がダウンロードで鮮やかに蘇る。オーディオファンと音楽ファンにとって、これほど喜ばしいことは他にない。交響曲の多くが時に磨かれてその輝きを増したように、遺された録音も時代に磨かれて、その輝きを増すのだろうか?ダウンロードで演奏に永遠の命が与えられた今、その可能性は非常に高い。時代を経て語られる名画のように、録音された演奏が語られる時代がやってくるだろう。 逸品館では時代に合わせ、最新CDプレーヤーのTAD D600 Esoteric K-01を展示導入すると共に、高音質クロック・ジェネレーターAntelope... 続きを読む
AudioAccessory(オーディオアクセサリー) 139号「CDプレーヤーのビンテッジ到来」
アナログプレーヤーが最盛期を迎えたのは、CDの台頭とクロスオーバーする。デジタルの黎明期にアナログは頂点を極めた。そして時を待たずして、アナログは主役の座をCDに譲り渡す。ここしばらく続いているディスクメディアの衰退とダウンロードビジネスの活性化は、CDからネットワークプレーヤーへの時代の変遷を示している。ネットワークプレーヤーが台頭し始めた今こそ「CDプレーヤーのビンテッジ時代の到来」ではないだろうか?それを裏付けるかのように、TADそしてEsotericから超弩級一体型CD/SACDプレーヤーが発売された。 ... 続きを読む
AudioAccessory(オーディオアクセサリー) 138号「PCオーディオって何?」
今年開催されたハイエンドショウ2010春では、各社がこぞって「PCオーディオ」のデモンストレーションを行っていました。逸品館もいち早く「PCオーディオ」を取り込んだ内容のデモンストレーションを行い、その仲間入りを果たしています。確かにPCをプレーヤーに使うとソフトや接続方法で大きく音が変わるので、「オーディオネタ」としては面白いと思います。 では、注目を集める「PCオーディオ」とは一体何なのでしょう?その言葉からは、「PCがオーディオをがらりと変えてしまう特別な存在」だと感じ取れますが、冷静に考えればPCは単なるデジタルトランスポーターに過ぎず、PCを導入してもアンプやスピーカーはまったく変わることがありません。しかし、ハイエンドショウではPCを導入することで「魔法のように音が良くなる」という現実をねじ曲げた解説を多く耳にしました。これは、現場での「結果」を「技術的な方法論」にすり替えた「販売促進行為」でしかありません。すこしでも売り上げに繋げたい苦しい事情を察しても、一般の方も訪れるオーディオイベントで従来と変わらない「えせ技術論」や「えせ解説」を行うのは絶対に止めて欲しいと思います。オーディオは音楽を聴くための「方法」であって、「オタクネタ」ではないと私は考えるからです。特にPCオーディオに興味を持たれるエンジニアの方は、しっかりとした専門知識を持つ方が多く、彼らに「付け焼き刃」は通用しません。 さて苦言はともかく、PC/ネットワークプレーヤー(オーディオではおかしいので、とりあえずそれらをまとめてPCプレーヤーと呼び変えます)に私が感じる最大のメリットは「スペースファクター」です。部屋中に散乱し置き場所のなくなった「パッケージソフト」を小さなデーターストレージ(HDDなど)に収納すれば、部屋がかなり広く使えます。電子辞書のように簡便で、素早く音楽を楽しめるのがPCプレーヤー最大の長所です。また、ソフトウェーアーを入れ替えて、低コストで簡単に「音質の変化」を楽しむこともできます。 音質はどうでしょう?デモンストレーションでは、PCプレーヤーが従来型のCD/SACDプレーヤー(ディスクプレーヤーと呼びましょう)より優れると説明されていましたが、新技術が常に持ち上げられるのはこの世界の常なのでそれを鵜呑みにしてはいけません。PC関連商品は量産効果で安く、ある程度の音質までなら「安く」出せます。しかし高級オーディオと同じレベルを求めると結局カスタムメイドの高級機が必要となり、従来のオーディオと同等のコストが必要となります。 それにしても近年のデジタル技術の進歩は驚くほどで、デジタルオーディオの黎明期に技術者が考えていた夢が完璧な形で実現しつつあります。例えば、部屋の悪影響を完全に消してスピーカー本来の能力を100%発揮させることのできる「音響パワーイコライザー... 続きを読む
AudioAccessory(オーディオアクセサリー) 137号「逸品館が東京・銀座に試聴室をオープンします!」
オーディオ・アクセサリー5月号が発売される頃、開催されている「ハイエンドショウ東京2010春」に逸品館は今年も出展を予定しています。今回も盛りだくさんの出し物をご用意していますが、中でも安くて!?音の良いマスタークロックジェネレーター「Antelope... 続きを読む
AudioAccessory(オーディオアクセサリー) 135号「“今冬” 注目の新製品」
毎年、この時期から年末にかけて「ランキングラッシュ!」が始まります。そもそも「ランキング」とは何のためにあるのでしょう?答えは単純明快「売るため(宣伝広告のため)」です。お考え下さい。もし「本当に良いもの」がたった一つだとしたら?特定の製品に注文が殺到したら、他の業者は「廃業」しなければなりません。業界の安定を考えた場合「一人勝ち」は危険です。逆に考えるなら「一人勝ち」を許さない、広く浅い「適度に混乱した情報を振りまくことで消費者を煙に巻く」ことが、経済効率が一番高いのです。 話を次に進めます。私たちが製品を購入するときは「まず予算」を決めます。決めた予算に近い商品から検討を開始し、判断材料が揃ったら購入を決めます。この時の大前提は、「価格と性能/品質は比例する」ことです。高級品、すなわち価格が高いものは、安いものに「負けてはならない」という宿命があります。当然、宣伝広告でもっとも守らなければならないのは、この「価格と性能のヒエラルキー(上下関係)」を壊さないことです。 ここで話を少し変えましょう。健康食品がブームになって久しいですが、それらの広告を考えてみましょう。健康食品のコマーシャルには「この食品を使っていたから健康を保てた」という、年齢の割には若く見え、健康そうな人が必ず登場します。健康という結果を見せて、その過程を肯定するやり方です。タレントの「生い立ち紹介」も同じようなものです。麻薬がらみの犯罪に手を染めた、タレントがいたとします。マスコミは、そのタレントの見かけと結果を結びつけ、特定の写真(可愛く映っている、もしくは犯罪者のように写っている)を何度も繰り返し報道することで、民衆(大衆)に「特定のイメージ」をすり込んで行きます。マスコミが断片を継ぎ合わせて作った「架空のイメージ」で私たちの考えは汚染され、誘導されます。これがマスコミュニケーションにおける「報道の真実」です。そして、私たちはそれにまんまと騙されます。繰り返し報道されることで、私たちは多かれ少なかれ、「ありもしないことを真実(事実)」と思い込まされるのです。 話を元に戻しましょう。論点は二点です。一つは、報道や広告は少なからず誇張、改変されたものであり「100%信用できない」ということです。これはわかりやすいと思います。もう一つは、「人間は結果から方法の可否を判断する」ということですが、これについてはもう少し説明しましょう。例えば「育て方」が全く同一の人間が二人いたとします。一人はヒーロー(英雄)になり、もう一人はヒール(悪者)になったとします。私たちは、ヒーロー/ヒールという「結果」から、「育て方」が成功であったか失敗であったかを「決めつけ」ます。そして、次第に「育て方」が同じであれば、「結果」も同じになると考えるようになります。しかし、それは非常に短絡的で危険な考え方です。「育て方」にすべての責任を押しつければ、自分には責任がなかったかのように錯覚するからです。自分の中に原因を求めなければ、成長はありません。成長がなければ、成功もあり得ません。たまたま上手く行ったことにこだわっても、次の成功はないのです。 この問題をオーディオに当てはめて考えましょう。特定の製品や技術・材料などを使ったとき「たまたま良い音」が出せたとします。良い音は、それと同じ「製品・技術・材料」があれば出せると思い込むようになります。しかし、その時出た良い音は「ある種の組合せ(部屋やソフト、体調も含めたあらゆる環境)」が生み出したものであって、けっして「選んだ製品やアクセサリー」の効果ではありません。 再び最初の話に戻りましょう。広告は「結果」から、商品がよいと導き出します。ランキングが高い商品は良いと導かれます。でも、そこには「ひとかけらの真実」すら、存在しないかも知れないのです。過去の名器へのこだわりも同様です。特定の機器や技術・材料などに執着し始めた瞬間から、良い音が出せなくなってしまいます。大切なのは、自分の耳を疑わないことです。 「雑誌にあまり掲載されることがない、逸品館のお薦め商品」の一部には、「30~60日のお試し期間(返品可能期間)」を設けています。前評判や噂よりも「お客様ご自身の耳で判断頂くこと」が、何よりも大切だと考えているからです。ご購入後の「良い音探し」のお手伝いも、可能な限りお付き合いさせて頂きます。 ... 続きを読む