社長のうんちく」カテゴリーアーカイブ

ホームシアターファイル 41号「「量」よりも「質」を求めますか?」

前号で画質の良いホームシアターを実現するには、スクリーンへの光の映り込みを軽減するため天井と壁に光を反射しない材質を選ばなければならないと説明しましたが、内装を暗くすると映画を観ないときには照明が照り返さず、非常に鬱々と … 続きを読む

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逸品館メルマガ039「音の聞き分けは、楽器もオーディオも「アタック」が重要」

オーディオ機器の入れ替えやチューニングを行っていると、その前後で「音楽のスピードが違って聞こえる」ことに気づかれたことはありませんか?私が初めて「それ」に気づいたのは、20年近く前に「EMTのカートリッジ」をテストしたときでした。オーディオテクニカのカートリッジをEMTに変えると、明らかに音楽がゆっくりと聞こえたのです。私はすぐにストロボスコープでレコードの回転数をチェックしましたが、回転数は同じでした。確実に「それ」は聞き違いではなく、EMTでは同じ曲を数割ほどゆっくり演奏しているように聞こえたのです。再びカートリッジをオーディオテクニカに変えると何事もなかったかのように速度は元に戻りました。カートリッジを変えると演奏の速度が変わる?「不思議なことがあるものだ」と驚いた記憶は、今も鮮明です。 速度が変わって聞こえる経験は、この時が最初でその後何度も同じ経験をしました。そして、数年前にAIRBOWのCDプレーヤーの製作をしているときに、もっと不思議なことが起きたのです。ある改造を行ったところ、いきなり「今まで聞いたことがないほどの色気!」でノラ・ジョーンズが鳴り出したのです。演奏の速度は、やや遅く感じる程度でしたが、ボーカルだけは歌っている時間が2倍くらい長く感じるほど、それはもう、あり得ないほどの妖しい魅力に満ちた艶めかしいボーカルでした。「至上の」とか「至高の」という枕詞を付けたくなるほど、最高に「酔える」サウンドでした。まるでノラ・ジョーンズが耳元 でささやいているような・・・。でも、その状態でロックを聴くと酷いものでした。切れ味がまったくないのです。弾まない、ダラダラとしたロック、のびきったスパゲッティーのような。まるでお話になりません。 これは駄目だと、同じ箇所に違う改造を加えると、今度はロックがすさまじい勢いで鳴り出すではありませんか!シンバルが空を飛び!ドラムが腹に突き刺さり!ボーカルのシャウトが体を突き抜ける!これぞ最高のロック!こんなに生々しいパーカッションは聞いたことがない!ドーム型ツィーターがホーン型のように、吹っ飛びそうな勢いで鳴りました。その状態で「ノラ・ジョーンズ」を聞くと、さっきとは打って変わった酷い音です。痩せぎすのまるで「骸骨」が歌っているようです。肉付きはなく、パサパサで、何の色気も魅力もありません。 この極端な音の違い(音楽表現の違い)は一体どこから来ているのでしょう?初めて速度が遅くなったときには、その理由はまったくわかりませんでした。ただ、目の前で起きている現象をあっけにとられて聞いていたというのが本当のところです。しかし、CDプレーヤーの音の違いを経験したとき、私はその音の違いの原因について「ハッキリとした心当たり」があったのです。それは、過去に何度かお話しした「BBEプロセッサー(http://www.ippinkan.co.jp/products_test/ar2000_bbe/ar2000_bbe482.htm」の基本概念である「BBEプロセス」の説明中にある「人間の音の聞き分け方」から大きなヒントを得て考え出したものです。 内容を要約すると 1.人間は、音のアタック(頭)を重点的に聞いている。 2.アタックからある程度の情報(音の量)が頭に入った時点で音は耳に入らなくなる。 3.頭に入った音の分析が終わると次のアタックから、音は再び耳に入るようになる。 このプロセスを繰り返し、人間は「音を断続的に聞いている」という考え方です。 つまり、オーディオ機器によって「アタックの強さ(音の鋭さ)」が変わると、「音を聞いている位置(サンプリングするタイミング)」が変わるという考え方です。もしそれが正しいなら、再生の仕方(アタックの出し方)によって同じ演奏でも「サンプリングするタイミング」が変わることで「曲の速度」が違って感じられたり、あるいは「サンプリングする箇所」が変わることで「違う音や音楽に聞こえる」ことがあってもおかしくないはずです。 まあ、この話が正しいかどうかはひとまず脇に置いたとしても「音の頭(アタック)」が人間の聞き分けに非常に重要な役割を占めてることは、疑う余地はありません。CDプレーヤーで高精度のクロックジェネレーターを使うと、音が変わるのも「音の頭の部分の波形」が変わるためだと考えています。「アタック」と「余韻」のバランスが「音楽表現」に非常に重要な関わりを持っているのです。この考え方は、私の音作りの経験とも一致します。 このアタックについては「音の輪郭」という言葉で http://www.ippinkan.co.jp/setting/audio1_1.html にも書いています。また、試聴リポートとしても https://www.ippinkan.com/afternoon/page_1.htm その重要性に触れています。 輪郭を強くすると、音は歯切れ良く激しく速く聞こえます。音源が近く聞こえますが、立体感は失われます。輪郭を滑らかにすると、艶やかさが増し余韻の表情が豊かになりゆっくり聞こえます。音源がやや遠く聞こえますが、広がりが感じられます。もちろん、これは一つの例でそんなに単純なものではありませんが、アタックからどれくらいの時間帯の音を聞かせるか?どの程度の変化をアタックとして聞かせるか?主に波形の鋭さや過渡特性の激しさを調整したり、あるいはそれに対するノイズの量をどれくらいにするのか?などなど、オーディオのチューニングは、楽器奏者が「音の表情を変える」方法とほぼ同じなのです(生の楽器の音もオーディオからでる楽器の音も、人間には同じなのですから当たり前ですね)。 ... 続きを読む

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逸品館メルマガ038「AIRBOW PS8500/Specialが到達した新しい音の世界」

いよいよ桜のシーズンです!暖冬でしたが、桜の開花は私の周辺では例年より1週間程度早いかな?といった感じでした。皆様の周りではいかがでいらっしゃいますか? 長らくお待たせしてきました、AIRBOW PS8500/Specialですがいよいよ最終仕様が決まり、今月中頃~下旬に掛けて発売を開始できそうです。価格は、35万円(税込)で当分の間は、専用電源ケーブルをサービスいたします。 音質のねらいは「他用途性能(使い勝手)」の向上です。どんなにアンプの音が良くても「高音質録音ディスク」は良い音が鳴るけど「録音状態の悪いディスク」では良い音が出ないというのでは、失格です。なぜなら、愛聴盤が常に「優秀録音」だとは限らないからです。 音が悪いけれどこのソフトの演奏が好きで好きでたまらない。お気に入りの多くのディスクから、さらに音が気に入らないからと聴いていないディスクから、素晴らしい音楽をお聴かせしたくてこのアンプを作ってきました。最高の「音楽アンプ」として、自慢できるような性能を目差し、それが達成できたと思います。 PS7400/Specialと比べた場合、中低音の量感や余裕度が大幅に増強されています。さらに全帯域での音質バランスの徹底的なチューニングによりどんなスピーカーと組み合わせてもゆとりのある音場が再現されるはずです。リッチな中低音が達成された結果、空間の広がり、音の厚み、音楽表現力の深さなど感覚に訴える部分の「深さ」と「ゆとり」が、かなりアップしていると思います。 また、AVアンプには必ず設けられている「アナログ入力」と「デジタル入力」という二つの音の入り口を生かして、それぞれの音に「明確な個性」を持たせることにチャレンジしました。この思想は、AIRBOWプリメインアンプの最高モデル「TERA」に搭載した「ラルゴスイッチ」の考え方をより明確にし、進めたものです。 アナログ入力(7.1chダイレクト入力)でPS8500/Specialを使用した場合には、繊細かつ明瞭度も高い、音像がホログラム的に再現される、いわゆる「ピュアオーディオ的」なクリアなサウンドが実現します。これは、SACDやDVDオーディオといった「優秀録音ディスク」の良さを引き出すために重要なポイントです。また、本来AVアンプよりも遙かにお金のかかった高音質デジタルプレーヤーの内蔵DACの音質を引き足すためにも重要なポイントです。アナログ入力の音が悪ければ、どんなによいDVDプレーヤー(CDプレーヤー)を接続しても、その良さが生かされません。癖のない高音質で「良い音」を「良い音のまま」再現することを目差したわけです。 これに対しデジタル入力(同軸デジタル入力)でPS8500/Specialを使用した場合には、まるでアナログレコードを聴いているような滑らかなサウンドで音楽を楽しめます。世間の一般的な「HiFi製品」が最も苦手とする「録音の悪いディスク」を素晴らしい音でお楽しみ頂ける音質を「デジタル」で作ることにチャレンジしたのです。それは、デジタル音声入力の方が「プレーヤーの影響」を受けにくいからです。プレーヤーの影響が少なければ、それだけより厳密な音作りが達成できます。そのためにアナログではなく「デジタル」での音作りを選んだのです。 デジタル入力では、ソフトの録音の善し悪しにかかわらず「音楽を聴く楽しさ」に純粋に浸っていただけるでしょう。明瞭度を若干低下させ、写真をソフトフォーカスにすると「色気」が出てくるのと同じような手法を使っていますが、洗練度が非常に高いため「音が濁った」というようなマイナスイメージをほとんど感じることなく「雰囲気」が一段と濃くなるはずです。言い換えれば「音に意図した歪み加える」事により「雰囲気」を出しているわけですから、デジタル入力時に「S-DIRECT」を使用すると、音質バランスが損なわれます。多くの回路を通ることにより発生する「歪み」をプラスの方向に作用させている事実がそのことからお解りいただけると思います。これは、今までのメルマガでお話ししてきた「再生芸術論」を「実践」として成功させた例であるとお考えいただいて差し支えありません。 音楽的に徹底的なチューニングを施されたデジタル入力と相性がよいディスクは、音源がアナログの時代のJAZZやクラシックなどです。今までは、録音が古くて「うるさい」と感じていたソフトが、驚くほどの新鮮さと滑らかさ、艶やかさを持って蘇る様は、本当に「マジック!」と叫びたくなるほどの出来映えであると自負しています。 もちろん、その素晴らしいサウンドはCDのみならずDVDビデオディスクでも発揮されます。AIRBOWのAVアンプを購入したお客様の多くが「音楽DVDビデオを購入することが多くなった」とおっしゃいますが感覚的には、DVDビデオソフトの多くがCDよりも良い音と雰囲気でお楽しみ頂けると思います。 このアンプには、Bi-amp駆動システムが搭載され、Bi-wire入力対応のスピーカーと組み合わせれば、スピーカーケーブルをもう一組ご用意いただくだけで、Bi-ampでお使いいただけます。アナログとデジタルの二つの入力を備えること。DVDビデオディスクもいい音で鳴らせること。この特徴だけを生かして2chアンプとしてお使いいただいても、十分ご満足いただけるものと確信しています。 とにかく、手元にある、そして世の中にある「すべてのデジタルディスク」を「素晴らしい音楽に変えてしまおう!」というもくろみは、かなりの高いレベルで達成されたと考えています。4ヶ月、本当に長くお待たせいたしましたが、必ずお客様のご期待を上回るサウンドでお答えできると思います!現在の所は、まだ3号館に1台プロトタイプがある状態ですが、よろしければ、一度お聞きいただき感想をお聞かせ下されば光栄に存じます。 ... 続きを読む

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逸品館メルマガ037「WIREWORLDのスピーカーケーブルには、驚いた」

いよいよ桜が咲き始めたようです。あいにく昨日は雨降りでしたが、花見の日にはカラリと晴れるようにお祈りいたします。 メルマガをお送りするのが月曜日になってしまいましたが、昨日はお休みを頂いて「カートレース」を楽しんできました。レースと普段走っているサーキットの様子は、下のページでご覧頂けます。 今回の私の成績は、PRDクラス5位とFP3クラスは初めてのリタイアでした。 社員の松田徹もFP3クラスに参戦しました。お世話になっているカートショップのページは、下のページです。 このショップのページは、私が作ったものですがずいぶんと長い間更新していません。 もし、レーシングカートに興味をお持ちだったり乗ってみたいとお考えなら、お気軽にご連絡下さいませ。 今週のオーディオの話題は、WIREWORLDの最高級スピーカーケーブルの音質に驚いたこと!に尽きます。詳しくは、次のページをご覧下さい。 https://www.ippinkan.com/wireworld_audioquest_test.htm 同時にaudioquestとWIREWORLDの新型インターコネクトケーブルを聞き比べてみましたが、さすがに上手くまとまっているという感じでした。このケーブルの試聴に触発されて、好評発売中のAIRBOW... 続きを読む

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StereoSound(ステレオサウンド) 162号「続・新レコード演奏家論を読んで」

あなたはオーディオに何を求めるのですか?高価な装置やアクセサリーをなぜ購入するのですか?生演奏はオーディオで聞く音楽よりも優れていると思いますか?日本を代表するオーディオ評論家の一人である「菅野沖彦氏」の著書「新レコード … 続きを読む

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