[5.1]ではなく[2+3.1]と考えよう

5.1Chではなく、2Chを3.1Chで補助すると考えよう 以前に発行した「スピーカーセッティング」や「ルームチューン」をもう一度掲載したのには理由があります。部屋の反射を整え、補うために設置した「LV(FW)パネルの位置」に注目してください。その位置は、そのまま「センタースピーカー」と「リアスピーカー」の位置に相当しています。(もちろん、このセッティング方法はマルチチャンネルに取り組む前に完成していましたし、今回の掲載で手を加えたわけでもありません) 2Chから5.1Chへの変化を「パネルでパッシブ(受動的)に得られていた」反射音(残響)を「スピーカーによってアクティブ(能動的)に発生させる」と考えれば、移行が非常にスムースに行えます。そして、マルチチャンネルで「センター/リアのスピーカー」を設置する場合には2Chで有効であったスピーカーの位置決め方法やルームチューンがそのまま当てはまります。まず、マルチチャンネル化に先立って「ルームチューン」を確実に行って下さい。 ルーム・アコースティックを調整し音の広がりと定位を向上する ルームチューンを行う目的は、「特定の定在波(特定帯域の音響エネルギー)の低減」と「再生音に不要な輪郭成分を形成する初期反射の低減」です。前者は主に「音場空間の濁り」に影響し、後者は「音の運動(躍動感)や音の分離感」に大きく影響しています。裏ページのやり方でスピーカーの位置は、ほぼ完璧に調整できました。次に、スピーカーを動かすのではなく、カーテンやカーペットなどを使って部屋の残響成分などの悪影響を取り除きます。 定在波は前後左右の壁の間で発生する 定在波は天井と床、壁のコーナーでも発生する 定在波は、フラッターエコーとも呼ばれ「特定の周波数(特定の大きさの音)が反射を繰り返し、いつまでも減衰せず残響として残ってしまう」ことです。定在波は平行する2つの平面の間で「音が往復を繰り返す」ことにより発生します。部屋の中で一番大きな平行面である「床と天井」に注目してみましょう。「床」が畳である日本間の場合は、「天井と床の間のフラッターエコー」は比較的小さく大きな問題とはなりません。しかし、「フローリング」の洋間では天井と床の反射率が高く、非常に強いフラッターエコーが発生します。このような部屋では、手を叩くと「キンキン」あるいは「ギンギン」というカン高い不愉快なエコーが発生します。天井のコーナーでも、壁を伝わって逃げ場を失うようにぶつかり、圧迫感のある耳障りな音が発生します。 フラッターエコーを発生させないためには、「部屋の中で平行する平面」の両側、あるいは片側を吸音し、音の往復運動が起きないようにすればよいのです。そのためには、「天井」あるいは「床」のどちらかに吸音措置を施す必要がありますが、「天井」を吸音構造にするには、部屋の大改造が必要となり現実的ではありません。(2002年にサーロジックから発売されたスカラホールは安くて効果のある天井吸音用アクセサリーです)天井ではなく「床」に吸音措置を施す方が得策です。それには、「厚みのあるカーペット」を設置することが最も簡単です。「音源」に近いところで「吸音」すると効果が高いので「吸音効果の高い=厚みと重量のあるカーペット」を「スピーカーの直前に敷く」のが理想的です。カーペットの大きさは、横幅が「スピーカーの設置幅の約2倍」、縦(奥行き)が約1-2M程度は必要です。 次に大きなフラッターエコーが発生しているのがスピーカー左右と前後の壁の間です。大きな部屋や変形のリビングなどでは、壁によるフラッターエコーの悪影響は比較的小さいのですが、4.5~6畳程度の小さめの部屋で壁同士が正対していると大きな悪影響が生じます。小さなリスニングルームでは、スピーカーの左右と背後の壁からの反射を抑え、壁によって発生するフラッターエコーを低減するために、壁全体を覆うように「カーテン」を設置するか、効果が高く音質に癖のない「クリプトン・AP-10(アコースティックパネル)」をお使い下さい。 壁からの反射を抑えて定在波を減少させる方法 設置するカーテンは、「遮光性1級」あるいは「簡易防音」などの種類を使えば効果が最も大きいはずです。できれば「厚手」と「薄手」のカーテンを2重に設置できるようにしておけば、カーテンの開け閉めでルーム・アコースティックを調整することができ大変便利です。カーテンを設置する場所は、「スピーカーの背後」と「スピーカーの左右」の壁が良いでしょう。「スピーカーの背後」はできれば全面に、「スピーカーの左右」はスピーカーの背後より始まって、スピーカーの前1-2Mくらいまでは必要です。 さらに低音の回り込みを防ぐために、壁と垂直方向に吸音材を配置すれば音場空間の濁りや低音のもやつきを効果的に抑えることが出来ます。 2Ch(ステレオ)の場合には、このような設置は”一つの理想形!”です。... 続きを読む

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居間をコンサートホールに変えてしまおう

居間をコンサートホールに変えてしまおう ステレオの音質の善し悪しがルーム・アコースティックに左右される以上「部屋が悪い場合=部屋の音響を改善できない場合」には、「結局どんなに高価なステレオを買ったとしても宝の持ち腐れになりかねない=部屋が悪い場合には良い音でステレオを鳴らすのはあきらめるしかない」という悲観的な結論しかありませんでした。お客様に相談を受けても、部屋の状況が悪ければ「最初から自宅をコンサートホールに変えよう」という望みが完全に閉ざされてしまっていたのです。 しかし、今年になって「マルチチャンネル」に取り組んだ結果、ルーム・アコースティックの改善に「疑似5.1Ch方式(CS5.1)」が非常に有効であることを発見しました。簡単に説明すると、こういう事になります。いままでは壁からの反射音に頼っていた「ルーム・アコースティック」をスピーカーから「人工的に作りだした残響音を発生」させることで置き換えてやるのです。この方法なら、「左右で反射条件の異なる変形リビング」や「狭い部屋」でも「自在に好みのホールトーン(ルーム・アコースティック)」を作り出せるのです。 もちろんご存知のように、YAMAHAはDSPという方式で「人工的な残響音を作りだすプログラム」を開発し発売していました。また、ダイナベクターやその他のメーカーも様々な方法で「人工的に残響を作りだす方式」を提案し販売しています。 しかし現時点でそれらは、ピュア・オーディオの世界に普及していません。それはなぜでしょう?それは、「実際に使う人の立場に立って製品が十分練り上げられていない」せいだと思います。YAMAHAのDSP方式は、方法論としては正しいと思うのですが残響音の質が低かったり、残響を再現するためのスピーカーの形状や位置決め指定が曖昧であったり、肝心な煮詰めが甘く「映画の味付け」程度にしか活用されていないのが現実です。(可能性は、まだまだあるということです) The... 続きを読む

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ルーム・アコースティックを整えよう

ルームチューンの基本 スピーカーの音は水面を波紋が広がるのと同じように部屋の中を進んでいます。もし、水面(部屋)が無限に大きいなら波紋はどこにもぶつからずに綺麗に広がってゆけるのですが、実際にはそんな大きな部屋は存在しませんから、波はいずれ壁に当たって跳ね返り、そのエネルギーが尽きるまで反射を繰り返して消滅します。 ... 続きを読む

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レーザーセッターの理論

音が均一に混ざらないことが原因? では、なぜスピーカーの位置がほんの少し違うだけでこんなにも音が変わってしまうのでしょう?もう少し詳しい説明をしたいと思います。 A図 もし、スピーカーが無指向性なら、波紋はすべての方向に「完全に均一」な状態で広がってゆきます。(A図) B図 このように、スピーカーから広がる「波紋(音)が均一」なら、空間で二つの波紋がぶつかり、B図のように波紋が重なった後も(音波の重なり方に)大きな乱れは生じないことがわかります。 C図 しかし、現在主流のほとんどのスピーカーには「バッフル」があり、その「バッフル」が音を遮り、また音を反射しスピーカーから広がる音に「強い指向性(方向性)」を与えています。(C図) D図 このように、スピーカーに指向性があり、「波紋が全方向に均一に広がらない場合(C図)には、空中で二つの波紋がぶつかるとD図のような重なりかたでは、重なった部分に不均一な乱れが生じることがわかります。 2本のスピーカーから出た二つの音をひとつにまとめるときに、「スピーカーのバッフル面の反射による指向性」や「ユニットそのものが持つ指向性」などが原因となって、スピーカーから広がる音にかなり大きな音量の偏りが生じるため、二つのスピーカーを適当な位置に置いただけでは、音波は正しく合成されず「音の広がりに歪みや濁り」が生じるのです。 E図 しかし、スピーカーから発せられる音波に指向性があっても、音波の進む方向と重なる位置の「タイミング」を合わせてやれば、重なり方の関係が一致し「音量のムラ(位相の歪み)」が減少するのです。(E図) このモデルなら、レーザーセッターの使用でリスニングポジションのみならず、部屋全体の「音の広がりの歪みが減少」し、どの位置で音を聞いても「スピーカーの存在を感じさせない音場の広がりを実現」できる説明がつくはずです。 ... 続きを読む

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細やかな配慮で音は10倍良くなる

音を消さない配慮が大切 このような細かな配慮を物理的にも電気的にも行って、壊れやすいものを取り出すようにCDディスクから音楽信号を読み出せば「現行CDソフトですら人間が聴きとれるほぼすべての情報」が記録されているに近いと断言出来るほど、驚くべき情報量の音が収録されています。それが理想的に取り出された状態では、部屋の広さに関わらず、まるでプラネタリウムの中にいるように透明で歪みの全くない空間が出現し、リスナーは360度方向から降ってくる音に包み込まれるような感覚にとらわれます。 逆に、情報量が向上したといわれるSACDやDVDオーディオでも、こういった細やかな配慮を行わない場合「音質は現行CDソフトの足元にも及ばない」のです。 オーディオの音質向上の鍵は、すでにハードウェアの進歩に依存する部分よりも使用環境などの改善に依存する部分の方がすでに大きくなっているように思います。 ユーザーの使用環境などを考えず、ハードウェア優先の技術開発を続けてきたメーカー主導のオーディオ機器の開発や販売が行き詰まる反面、高額なアクセサリーに人気が集中して売れているのがそれを裏付けているのではないでしょうか。 生演奏から得られている経験とオーディオ機器を使った様々な実験により、オーディオの音質劣化の「原因」は、ほぼ究明出来ました。しかし、問題に対する対処法は千差万別であり、「一つの手法ですべてが解決する」などということは絶対にあり得ません。それどころか経験上「音質向上を妨げる最も有害な原因」は、一つの手法に固執するあまりより重大な音質劣化の原因を見落としたり認めなかったりするケースがほとんどなのです。 ブランドや価格、データや謳い文句はまったくあてになりません。信頼できるのはあなたの耳と、科学的根拠に基づく確かな理論しかありません。曖昧なものに大金を投資して後悔する前に方法と結果、価格と効果の度合いなどスッキリ整理しておいて欲しいのです。 俄には信じがたいと思うのですが、あなたがお聞きになっているオーディオ機器は、あなたに聞こえている何倍、場合によっては何十倍もの情報をすでにスピーカーから再現しています。スピーカーに耳を近づけてすぐ側でその音を聞けばわかるはずです。最高級のコンデンサーヘッドホンに匹敵する細やかな音が、すでにスピーカーからも再現されているのです。 しかし、エンクロージャー内部での不要な共振や反射、バッフルによる反射や回折、リスニングルームでの反射や回折などに起因する「有害な歪み」により音が濁りに埋もれたり、打ち消されたりして大部分の情報がマスキングされリスナーに届いていないのです。オーディオ機器を買ってセッティングを何もしていないなら、どう見積もっても機器に投資した10%以下の音しか出ていないと言う確信すらあります。... 続きを読む

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